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9 レベル上げと邂逅

ストックが尽きてきたので更新頻度が落ちます。

 ゴブリンとの初戦闘に無事に勝利しレベルが上がった俺は、腕試しと依頼の遂行を兼ねてゴブリンを探していた。


「お、いたいた・・・しかもちょうど1匹!今度こそバレないように・・・」


 さっきはゴブリンに気を取られるあまり、足元の草に気づかずに音でバレちゃったからな。{忍び足}も取ったし、今度こそいけるはず!


 よし、剣を取り出して・・・って、そうだ!こん棒に食い込んだままだったんだ!


 俺は慌ててゴブリンから離れて、棍棒にはまった剣を抜くことにした。


「よし、ここならいいかな」


 こん棒のほうを地面に置き、足で抑えながら思いっきり剣を引っ張ってみた。


「ふんっ!」


 すると、思いのほかあっさりと抜けた。それはもう『すぽんっ!』とでも聞こえてきそうなぐらいに。


「あぶなっ!?」


 あまりの勢いに頭を斬りそうになった。ふぅー・・・我ながらなんてまぬけな姿なんだ。


 俺は周りに誰もいないことを確認して、ほっと一息ついた。危ない、誰かに見られてたらめちゃくちゃ恥ずかしかった。


 思ったより簡単に抜けたのは、レベルアップして力が上がった恩恵かもしれないな。はぁ、こんな形で恩恵を感じたくなかった・・・。



 気を取り直して、俺はさっき見つけたゴブリンに再び近づいた。よーし、今度こそ行くぞ、背後からこっそりとだ。


 緊張とは裏腹に、俺の足取りは驚くほど軽かった。ある程度の速度で歩いても、足音が出ないからだ。音を立てないように意識すると、明らかに足音が小さくなる。


 思った通り、{忍び足}は常に足音が小さくなるんじゃなくて、意識して足音を小さくするのが上手くなるみたいだ。


 アクティブスキルって書かれてたのは、こういうことだったんだな。


「せいっ!」

「ギャギ!?」


 簡単にゴブリンの背後まで近づいた俺は、長剣であっさりとゴブリンの胸を貫いた。


「おぉ!すげぇ、俺強くなってる!」


 これだよこれ!俺が感じたかったレベルアップの恩恵は!心なしか剣が軽く感じるし、使い方もなんとなく洗練された気がする。


 {レベルが上がりました}

 {Lv6になりました}


「お、またレベルが上がったぞ!どれどれ、ステータスオープン!」


 {サイトウ サイト}

 {種族 :ヒューマン}

 {Lv  :6(+2)}

 {ジョブ:盗賊}

 {力  :19(+4)}

 {耐久 :17(+4)}

 {器用 :25(+6)}

 {敏捷 :25(+6)}

 {魔力 :0}

 {スキル:鑑定(S) アイテムボックス(S) 気配感知(D) 忍び足(D) 剣術(D)}

 {ユニークスキル:言語理解 成長加速 モテスキル(男性用)}

 {獲得可能スキル:罠感知 鍵開け 観察眼}

 {使用可能スキルポイント:7(+6)}


 なるほどな、やっぱりスキルポイントは1Lvにつき3ずつもらえるみたいだな。あと今気付いたけど、ジョブが盗賊だからか器用と敏捷が上がりやすいみたいだ。


 今回はとりあえず、{観察眼}と{罠感知}を取ろう。


 {観察眼を獲得しました。}

 {罠感知を獲得しました。}


 よし、これで今のステータスはこんな感じだ


 {サイトウ サイト}

 {種族 :ヒューマン}

 {Lv  :6}

 {ジョブ:盗賊}

 {力  :19}

 {耐久 :17}

 {器用 :25}

 {敏捷 :25}

 {魔力 :0}

 {スキル:鑑定(S) アイテムボックス(S) 気配感知(D) 忍び足(D) 剣術(D) 観察眼(D) 罠感知(D)}

 {ユニークスキル:言語理解 成長加速 モテスキル(男性用)}

 {獲得可能スキル:鍵開け}

 {使用可能スキルポイント:0}


 だいぶ強くなった気がする。もうこの世界に来た時と比べて、全てのステータスが倍以上になっているな。

 といっても、単純に走る速さや力が倍になるわけじゃないみたいだけど。


 でも、これならもうゴブリンなんて目じゃないな。もう少し見つけやすいといいんだけど・・・。


「そういえば、フローナさんが森でゴブリンの目撃例が増えてるとか言ってたっけ」


 実は、今倒したゴブリンの近くには森の入り口がある。最初にゴブリンを倒した場所も森に近かったから、多分どっちも森から出てきたんだろうな。


「今のステータスなら、もし群れに出くわしても逃げ切れそうだし、行ってみるか・・・」


 俺はゴブリンの耳をはぎ取った後、さらなる経験値、もといゴブリンを見つけるため森へと歩を進めた。



「なかなか居ないなー、まだ{気配感知}もそんなに範囲が広くないみたいだし・・・ん?あれは・・・」


 しばらく森を彷徨っていた俺は、反り立つ岩壁のそばに柵に囲われた粗雑な拠点があるのを見つけた。

 大きさの違う木の板で乱雑に組み立てられたそれは、人間が住まうにはいささか窮屈そうだった。


「どうやらゴブリンが作った拠点みたいだな・・・結構居るぞ」


 俺は気づかれないように木の陰からこっそりゴブリンの数を数えた。1、2、3・・・5匹か、流石に少し多いな。

 今の俺なら、2~3匹なら同時に相手してもなんとかなると思うんだけど・・・。


 どうしようか悩んでいると、ゴブリン達に動きがあった。


「ん?あいつら、3匹を残してどっか行くみたいだな」


 しめたぞ、見回りか何かでこの場を離れるみたいだ。まずは離れていく2匹からやろう。


 俺は拠点から十分離れるまで、{忍び足}でゴブリンの跡をつけた。


「よし、ここまでくれば拠点の奴らにはバレないな」


 ゴブリン達は何やらゲギャゲギャ話しながら並んで歩いている。よし、話に夢中でこちらには気が付いていないようだ。


 俺は{忍び足}で近づき、1匹目を袈裟斬りにした。


「ゲギャゲギャ・・・ギャッ!?!?」

「ギャ・・・?」


 続けざま、2匹目が断末魔に振り向き、俺を視界に捉える頃に――斬殺。


「ゲェッ!」

「ふぅ、最初の苦戦が嘘のようだな」


 なんだか少しかわいそうに思えるかもしれないが、依頼書にはゴブリンによる被害が増えていると書かれていた。遠慮する必要はないだろう。


 {レベルが上がりました}

 {Lv8になりました}


「よしよし、ちゃんと上がったな。でも流石に少し上がりにくくなってきたな、2匹倒して2Lvか・・・」


 今回手に入れたスキルポイントは{剣術}のランク上げに使おうと考えたが、どうやらそれには10ポイント必要らしい。


「しょうがない、貯めておくか・・・あ、{鍵開け}って確か2ポイントだったな」


 今俺が持っているスキルポイントは6で、{剣術}のランク上げには10必要だ。ってことは、どのみち2Lv上げて6ポイント手に入れなきゃいけないから、2ポイント余るな。


「よし、{鍵開け}も取っちゃおう。使うかわかんないけど・・・」


 なんとなく取れるスキルが1個だけ残ってるのも気持ち悪いしな。もしかしたら勿体ない使い方かもしれないけど、2ポイントぐらいいいだろう。


 {鍵開けを獲得しました。}


「よし、残るはさっきの3匹だな」


 俺は2匹の耳をはぎ取り、来た道を引き返した。




 拠点には変わらず3匹のゴブリンが居た。うーん、石で気を引いて奇襲を仕掛けてもいいんだけど・・・。


 正直、今のステータスなら正面から戦っても問題ないと思うんだよな。最悪、無理そうなら走って逃げれば追いつかれることもないだろうし。


 俺は戦闘の練習も兼ねて正面から戦うことにした。


「かかってこい!」


 突如かけられた声に3匹が一斉に振り向く。声の主がその手に長剣を持った襲撃者であることをみとめると、ゴブリン達は棍棒を持ち戦闘態勢に入った。


「ギャラー!」

「ガギャ!」

「ゲガー!」


 よし、狙い通り一斉に襲い掛かってきたぞ。さっきの2匹は奇襲で倒したから、複数戦は実質初だな。


 目の前の相手との戦いに集中しすぎると、横から別の奴に攻撃されるかもしれない。囲まれないように気を付けないと。


 俺はレベルアップで上昇した敏捷のステータスに物を言わせて、ゴブリン達を攪乱することにした。


「ふっ!」

「ゲゲ!」

「ギャガ!」


 狙い通り、俺の速さについてこられないゴブリン達は、連携がおざなりになっていった。


「ギャッギャ!」

「ここだ!」

「グゲェッ!?」


 なかなか捕まらない俺に痺れを切らし、単身で俺の間合いに突っ込んできた迂闊な個体を真っ先に斬る。


「ゲゲッ!?」

「グギャ!ギャ!」


 一撃で葬られた仲間を見て驚き、あるいは激昂したのか、今度は2匹まとめて襲い掛かってきた。


 いいぞ、ただでさえ単純なゴブリンの動きが、より直線的になってわかりやすい!


「そんな攻撃が当たるかっ!」

「ゲェッ!?」


 俺は同時に行われる2匹の攻撃をひょいっと躱し、棍棒を振り切って隙だらけになった脇腹に剣撃を見舞った。


「ラス・・・トォ!」

「ギギ・・・ギャッ!」


 たった1匹になっては今の俺に敵うはずもなく、ラスト1匹を倒すのは簡単だった。


「ふぅー、もう楽勝だな。体もずいぶんと軽くなってきた気がする!」


 {レベルが上がりました}

 {Lv10になりました}

 {急所突きを獲得しました}


「お、レベルが上がった・・・って、なんだ、{急所突き}?とりあえず見てみるか、ステータスオープン」


 {サイトウ サイト}

 {種族 :ヒューマン}

 {Lv  :10(+4)}

 {ジョブ:盗賊}

 {力  :28(+9)}

 {耐久 :24(+7)}

 {器用 :36(+11)}

 {敏捷 :38(+13)}

 {魔力 :0}

 {スキル:鑑定(S) アイテムボックス(S) 気配感知(D) 忍び足(D) 剣術(D) 観察眼(D) 罠感知(D) 鍵開け(D) 急所突き(D)}

 {ユニークスキル:言語理解 成長加速 モテスキル(男性用)}

 {獲得可能スキル: }

 {使用可能スキルポイント:10(+10)}


「おぉ、覚えたスキルの欄に{急所突き}ってのが入ってる!てっきり全部スキルポイントで取るもんかと思ってたけど、レベルアップで直接手に入ることもあるのか!」


 俺は詳細を確認しようと、{急所突き}の欄をタップした。


 {急所突き 鋭い突きを繰り出すアクティブスキル。対象の急所に当たると威力に超高補正がかかる。ランクが上がると補正率が上昇する。}

 {ランク上昇が可能です。急所突きのランクを上げますか? YES / NO}

 {必要ポイント:5}


 なるほど、読んだ感じ弱点をうまく狙えたら強いスキルみたいだな。


 確か、{観察眼}に弱点を見破れるようになるとか書いてあったから、その辺のスキルと併せたら強そうだな。

 まあ、人型のモンスターなら大体心臓と脳が弱点なのは想像がつくから、まだあんまり恩恵を感じられてないけど・・・。


 とりあえず当初の予定通り、{剣術}から上げるか。そんなことを考えていると、辺りが急に暗くなった。


 なんだ?急に日が沈んだのか?――いや違う、俺の居る場所だけ光が遮られたんだ!でも何に・・・?


 周囲に意識が向いた途端、背後から今までに感じたことのない強い気配がしているのに気付いた。



 ()()()()()()()()()



 やばいやばいやばい、明らかに今までの雑魚とは違う!急いで距離を取っ――


 粗雑な拠点が、猛スピードで眼前に迫ってくる。・・・え?まだ俺は動いてな、あれ?


 ()()()()()()()() 一体どうな


 ――そこまで考えて初めて、背中を撃ち抜く鈍痛に気が付いた。


「ッッッッ!!!」


 俺は、ゴブリン達の拠点まで吹き飛ばされた。

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