表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/51

2 現状整理

 光が晴れると、俺は見慣れない草原に居た。


「おぉ!ここが異世界・・・だよな?本当に来られたんだ!」


 てっきり街の中にでも飛ばしてくれるのかと思ったけど、思いっきり草原のど真ん中だな・・・。そういうところ気が利かないよなー!まあ、あの女神様のミスのおかげで1文字違いの俺が異世界に来られたんだし、逆に感謝するべきか。


「ていうか俺今、裸足じゃね?」


 異世界に来られた感動も束の間、自分が屋外向けではない恰好をしている可能性に思いあたる。自室のベッドでラノベを読んでいたのだ、もしそのまま異世界に飛ばされているのなら、裸足のはずだ。

 気になって足元を見てみると、見慣れない靴が目に入った。どうやら女神様が気を利かせ履かせてくれたらしい。気が利くのか利かないのかどっちなんだ。


 おそらくこちらの世界の物なのだろう、粗雑な作りに思える靴だが、意外と履き心地は悪くない。

 よく見ると服装もこちらの物らしき品に変わっている。・・・あれ?俺もしかして女神様に脱がされた?キャー女神様のエッチ!


 ・・・・・・心を読む女神様はどうやらもう俺のことを見ていないらしい。まあ、正直これは助かる。服装で目立つのは異世界転移物あるあるだからな。これなら目立たずに済みそうだ。


「それはそうと、どっちに行ったらいいんだ?」


 俺は若干不安になりながらきょろきょろと辺りを見渡すと、人が通った痕跡のある道があった。道の先には看板らしき物が立っている。早速道に出て読んでみることにする。


「どれどれ・・・この先ヴァレッサの街?」


 どうやら街があるらしい。確かに目を凝らしてよく見ると街が見え・・・ないな。結構先まで歩く必要があるのか。

 どうせなら街中と言わずとも、街に近い場所にして欲しかったな、と思いつつ。俺はあることに気が付いた。


「あれ?この看板、見たことない文字で書かれてるけど、普通に読めるな」


 あまりにさらっと読めたので一瞬気が付かなかった。そういえば選んだ特典以外にも、{言語理解}とか色々スキルが貰えてるんだっけ。

 一応確認しておきたいな、どうやったら見られるんだろう?ここはやっぱりお決まりの・・・


「ステータスオープン」


 俺がそうつぶやくと、ゲームのような半透明のステータスウィンドウが表示された。


「おお!やっぱり!」


 俺は軽く興奮しながら、自身のステータスをチェックすることにした。




 {サイトウ サイト}

 {種族 :ヒューマン}

 {Lv  : }

 {ジョブ: }

 {力  :9}

 {耐久 :8}

 {器用 :11}

 {敏捷 :10}

 {魔力 :0}

 {スキル:鑑定 アイテムボックス}

 {ユニークスキル:言語理解 成長加速 モテスキル(男性用)}




「Lvとジョブって欄が空白だな。ジョブはともかく、Lvまで空白なのはなんでだ?」


 それに、スキルの欄がとんでもないことになってるな・・・。


「ちょっと試してみよう、とりあえずそこら辺の草に、{鑑定}!」


 {ただの雑草 特に利用価値はない。}


 うん、まあ、そうだよね。この辺にいっぱい生えてる草が薬草とか、そんな美味しい話はないか。

 ていうか雑草って・・・確かにそうかもしれないけど、名前ぐらいあるんじゃないのか?特に利用価値がないものに対して鑑定スキルを使ったら、こんな感じに出るのだろうか。


「まあいいや。次は{アイテムボックス}だな。なんて言えばいいんだろう?」


 悩んだ俺はとりあえず{アイテムボックス}の中身が見たい!と念じてみることにした。すると




 {異世界の服(上)}

 {異世界の服(下)}

 {異世界の肌着(男性用)}

 {異世界の下着(男性用)}

 {10ゴールド}




 先ほどと同じようにウィンドウが表示された。


「おお、表示されたぞ!ん?てっきり何も入ってないかと思ったけど、なんか服とゴールド?ってのが入ってるみたいだな。試しに出してみるか」


 俺が手元に出るように念じると、出てきたのは俺が元の世界で最後に着ていた服と、初めて見る金貨だった。


「なるほど、さっきまで着てた服が{アイテムボックス}に収納されてたのか。ゴールドのほうはどうやらこっちの世界のお金みたいだな」


 特別な思い入れがある服ってわけでもないけど、一応向こうの世界の物だからな、大切に取っておこう。お金のほうは特典で貰えるとか言ってたっけ。

 {アイテムボックス}に入っていれば、無くす心配がないのは便利だな。モテスキルはかける相手がいないと試せないし、とりあえず検証はこんなところでいいかな。


 俺は取り出した服とお金をもう一度{アイテムボックス}へ戻し、街に向けて歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ