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15 武具を新調しよう

 お待たせしました!書く側になると毎日投稿してる人のすごさが身に染みてわかりますね。

 これからは週2~3回のペースで投稿できればと思います。

 食事を終えた俺たちは会計を済ませた後、アリスおすすめの店で装備を整えることになった。

 剣も鎧もまだ使えはするんだけど、ホブゴブリンとの戦闘で無理をさせてしまったし、ダンジョン探索も控えているのでもう少し良いのを買うことになったんだ。


 ちなみに、食事代は一人当たり5シルバーだった。まだ物価がよくわかってないけど、割引されてるだけあってかなり安い気がするな。


 今はホブゴブリン戦でお世話になった臭い袋を3つとポーション3本を買い足して、武具屋さんへ向かっているところだ。


「着いたわ、ここよ」

「おーここが!・・・って、なんか普通だな」


 熟練冒険者オススメの武具屋!ってなったら、なんかこう・・・外観は古くて厳めしくて、店主の頑固親父が炉で槌を振り下ろし続けてる感じをイメージしてたんだけど・・・。


 着いたのは大通りに面したザ・普通といった様相の武具屋だった。新築ってほどでもないけど小綺麗で、古めかしさは感じないな。


「どんなところをイメージしてたのよ・・・」

「いやほら、なんかすごい裏路地の知る人ぞ知る名店!みたいな?」

「そんな変な場所で営業しているお店なんて、大抵脛に傷持つロクでなしの営業する所よ。むしろ、こんな大通りに店を構えられるのは、真っ当に仕事をしている証なんだから」


「それもそっか・・・」

「もちろん、そういうちょっと訳アリなお店も無くはないのだけどね」

「え!やっぱそういう店あるんだ!気になるなぁ」

「うふふ、サイトちゃんにはまだ早いわよ」

「ちぇー、もっと強くなったら教えてくれよなー」

「ふふ、はいはい」




 そんなことを話しながらお店に入ると、目に飛び込んできたのは一面に立ち並ぶ武器と鎧だった。


「うわ、すっげぇ!」


 ガンショップの壁にかけられた銃が、全て剣や槍、斧などに置き換わっているといえばわかりやすいだろうか。

 棚やショーケースに数々の武器が並ぶ光景は、外観の地味さからは想像も付かないほど壮観だった。


「サイトちゃんが使うのは剣とナイフよね?」

「うん!そうだね」

「それならこっちね」


 最初に店を見渡した時は色んな武器が壁に掛けられてたから、てっきりコーナー分けされてないのかと思ったけど、ちゃんとあるらしい。

 壁にかかってた値札をちらっと見たら数十ゴールドとか書かれてたから、あれはこの店の目玉商品みたいなものなのかな。


 現に、俺と同じ駆け出しっぽい冒険者が、壁にかけられた武器を見てため息をついている。

 こういうのいいなー!いつかすごい武器に手が届くことを夢見て頑張る!って感じがして。



 そんな光景を横目にアリスに付いていくと、剣やナイフばかりがまとまった区画があった。


 値段は・・・まちまちだけど、剣が1ゴールド前後、ナイフがその半分ってとこか。駆け出しセットが1ゴールドってことを考えると結構高いな。

 でも壁にあった武器と違って、手が出ないってほどじゃない。素人目じゃよくわからないけど、その分品質がいいのかな?


「ちょっと高いけど、やっぱり駆け出しセットの剣とナイフより強いのかな?」

「そうね。あれは値段のわりに品質のいい量産品だから、文字通り駆け出しにはぴったりだけど、今後も使うとなると少し心もとないわね」


 なるほどな。確かに、ゴブリン戦では特に困らなかったけど、ホブゴブリンは1回の{急所突き}じゃ仕留めきれなかったんだよな。


 もしかしたら、この店の剣ならあの一撃で倒しきれていたかもしれない。そう考えると、少し高くても欲しくなるな。

 あの時はナイフの追撃が間に合ったからよかったものの、反撃を食らいそうだったし。


「んー、いっぱいありすぎてどう選んでいいかわからない・・・」

「特にこだわりがなければ、適当に手に取って軽く振ってみるといいわよ。この価格帯の剣なら品質に大きな差はないから、手に馴染むものが一番ね」

「あ、勝手にそういうことしていいんだ」

「ええ。冒険者にとって武器は命だもの、それぐらいで怒られたりはしないわ。もちろん、周りに気を付けて振るのよ」


「わかった!んー、これはちょっと重いな。これは・・・振りやすいけど刃が短すぎる気がする」


 探してみると、案外しっくりくるものって見つからないものなんだな。


「お、これ結構いいぞ!軽すぎず重すぎず・・・大きさもちょうどいいし、これにしようかな」


 結局、選んだのは刃渡り50cmぐらいの両刃短剣バゼラードだった。


「ええ、いいと思うわ」

「結局駆け出しセットにあったのと似たようなのになっちゃったけど・・・」

「あれは誰でも扱いやすく作られてるから、似たようなものが使いやすいのは当然ね」

「そうなのか・・・じゃあ剣はこれにして、次はナイフだな」


 ナイフはナイフで結構種類があった。果物ナイフのようなシンプルな物から、ギザギザのついたサバイバルナイフのようなものまで、様々だ。


「んー、こういうギザギザがついてても使い方とかよくわからないしなぁ・・・」

「あら、簡単よ。ロープや木を切るときなんかにノコギリとして使えるわ」

「そうなのか・・・そういえば、駆け出しセットにロープがあったっけな。でも別に、普通のナイフでも切れはするんだろ?」

「そうね、無理に使う必要はないわ」

「じゃあやっぱりシンプルなほうが使いやすくていいかな」


 手に取って振ったりもしてみたけど、結局ナイフもほとんど駆け出しセットにあったようなシンプルな物を2本買うことにした。

 ナイフといっても、刃渡り20cmぐらいの結構大きめのやつだ。予備の武器として使うことが多かったからな。


「よし、後は鎧だけど・・・あんま重いのは嫌だな。暑そうだし・・・」

「それならライトアーマーがいいんじゃないかしら」

「ライトアーマー?」

「ええ。服の上に追加で着るタイプの防具ね。レザーアーマーに追加装甲がついているタイプもあるわ」

「おー、いいなそれ!」


 ライトアーマーとやらがあるコーナーに行ってみると、確かに胸、肩、肘、膝につけるプロテクターのような軽装の防具があった。

 駆け出しセットにある革製の鎧に追加装甲がついた強化版みたいなのもあったけど、こっちのほうが着心地が良さそうだった。


「駆け出しセットのは上半身しかなかったけど、ここのは下半身用のもあるんだな」

「そうね」

「このプロテクターみたいなやつ、いいなぁ。普通の服の上に着けてもいいのかな?」

「そうねぇ、そこらの服よりも丈夫なアンダーウェアが売ってるから、そちらのほうがいいかしら。まあ、普通の服の上に着けても問題ないわよ」


 ライトアーマーのそばには、確かに丈夫そうな服が置いてあった。なるほど、これの上に着けるのがベストなんだな。

 触ってみると意外とサラサラしていてよく伸びる。向こうの世界で運動部の人がよく着ているインナーのようだった。


 料理といい、結構この世界の技術って発展してるのかな?普通に向こうの世界に売っててもおかしくない気がする。


「結構高いけどこれにしようかな」


 剣とナイフ2本で既に2ゴールドほどしていたが、このライトアーマーはインナーも含めて3ゴールドだ。これを買うと有り金の半分ほどを使うことになる。


「盗賊は軽装が好まれるし、いいと思うわ」

「そうなのか」


 単に甲冑みたいな防具は重くて暑そうだからコレにしたんだけど、ジョブに合っているらしい。

 ジョブに合ってるといえば、アリスの着てる装備って独特なんだよな、何か意味があるんだろうか。


「そういえばアリスの装備ってずいぶん軽装だよな、それで大丈夫なのか?」


 アリスが着ているのはピンク色の道着だ。動きやすそうではあるけど、とても防御力が高そうには見えない。


「ああ、これは魔力糸で編まれた特別製だからいいのよ」

「魔力糸?」

「魔力を流すことで様々な性質を引き出せる特殊な糸ね。私は魔拳士だから、戦闘時は魔力を流して防御力を高めるのよ」


 え、なにそれすごい。Aランク冒険者ともなるとそんなすごそうな装備を使ってるのか・・・。


「って、マケンシ?アリスって、剣士なのか?」

「あら?あー、魔法剣士じゃなくて魔拳士よ。つるぎじゃなくて、こぶしのほうね」

「あー!そっちか」

「ええ。魔力で肉体を強化して戦うのが私のスタイルよ」


 ほえー・・・。そうか、ジョブによってもこの辺の装備って変わってくるんだな。たまたま俺の好みに合う防具が盗賊向けでよかった。


 っていうか、もしかしたらこういう装備が好みに合ってるからこそ、盗賊が俺のジョブになったのかもしれないな。




 そんなこんなで武具を選び終わった俺たちは、代金の5ゴールドを支払って店を後にした。


 やっぱり仲間が居ると色々教えてもらえて助かるなー!



 現在の所持金:4ゴールドと170シルバー

 いつもいいねありがとうございます!とても励みになります!

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