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後日談 各々視点④最終話96

 


 今、ここでデートに誘って断られたら、今から2人っきりでマドローナまでの旅が始まるのに、気まず過ぎないか?!でも、今言わなかったら、また後悔したらどうするの?!でも、今から奴隷として捕まっている皆を助けに行くのに、デートの誘いとかしてていいの?!あ、あと!どこ行きたいとか、ちゃんと考えてなかった!こうゆうのって、誘った方が、デートプランを考えておくものなのかな?!等、言わないで済む、色々な理由が頭を巡る。


(うう……意気地無し……!駄目!後悔しないって決めたじゃない…!)


 覚悟を決め直し、顔を上げる。


「カ、カトレア!あの、次、王都に戻ったら、私と、デートして下さいっーー!!!」

「…………え?」


(言ったーーー!ちゃんと言えた!!!)


 私の突然の発言に、何とも間の抜けた、ぽかんとした表情を浮かべたカトレアの顔が見える。


(うぅ……恥ずかしい……!とゆうか、断られたらどうしよう……!今更凄い怖くなって来たーー!)


 でも、言ってしまったものは、もう戻せない。いや、私の時間魔法なら戻せるのかな?でも、時間を巻き戻す魔法なんて、私の意思で出来ないし!強く願えば出来るのかな?!どうやって時間戻るのー?!


「えっと……キリア、僕とのデートで、いいんですか?」


(止めて!確認されるとか!本当に恥ずかしいやつだから!)


「う、うん」

 どう願っても、魔法は発動しない。時は戻らない。

 何なの?私の特殊魔法なハズなのに、いざって時に使えないなんて!


「あ、えっと、ほら、あの、私だけ報酬貰って無かったから、良かったら、その……カトレアと一緒に、街を歩きたいなぁー……なんて、思ったりして……」


 沈黙が怖くて、デートを誘った理由を言い訳みたいに並べる。でも、これも本当!私だけ報酬貰って無かったから便乗しただけ!……なんだけど……駄目だったのかな……。

 思わず、俯きながら、小さな声になる。

 恥ずかしさも、怖さもあって、顔を上げられないまま返事を待っていると、暫くして、頭上から声が聞こえた。



「……勿論、喜んで」

「!本当?!」

 了承の言葉に、嬉しくて、顔を上げ、笑顔でカトレアに確認する。

「当然です。キリアのお誘いを断るはずがありません」


 良い様に言ってくれ過ぎだけど、嬉しい!デートの誘いを受けてくれたって事だよね?凄い嬉しい!


「ありがとう…!凄く楽しみにしてるね!」

「……はい」


 無事にデートを誘えた事に安堵し、気を取り直して、前を向き、出発する。



 その後ろ、キリアの少し後に足を進めたカトレアの顔は、真っ赤に染まっていた。


「……まさか、キリアからお誘いが来るなんて……」


 キリアはいつも、自分は呪われているからと、自信が無く、消極的だった。それはきっと、恋に対しても同じ事だと、カトレアは理解していた。

 なのに、今、キリアから、デートに誘ってくれた。


 予想だにしていなかったから、最初、全然スマートに返事が出来なかった。


「やり直したい…!」


 カトレアは、自分にも時間魔法が使えたらと、一瞬、考えたが、直ぐに、考えを否定した。

「こんな失敗も、良い思い出ですよね」

「カトレア?何か言った?」

「いえ。早く皆さんを助けて、キリアとデートしたいなって、思っているだけですよ」


 カトレアの言葉に、キリアの顔が、彼女の紅い瞳に負けないくらい、一気に真っ赤に染まった。


 彼女の紅い目は、最初に会った時と変わらず、ずっと、綺麗だーーー




 完



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