表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/96

後日談 各々視点③95

 


「いいか?!絶対にキリアを逃がすのではないぞ!なんなら、王家と関わりを持たすために、お前と婚姻関係を結んでも構わん!」

「……手の平返しにも程がありますね」


 過去、王様にキリアに好意がある事を伝えた時は、諦めろと釘を指された。この過去は、キリアが未来を変える前の話なので、実際、この会話は行われていないが、カトレアには、王様が自分とキリアとの特別な関係を望んでいないは分かっていた。

 なのに、今は彼女との特別な関係を望んでいる。


(いずれ父様の方から、キリアを逃すな、捕まえろ。と言わせるつもりではあったのですが、こうも簡単に覆されると、それはそれで、腹が立ちますね)


「婚姻は、キリアの意思を無視しては結べません。何せ彼女には、紅の魔法使い達がいますからね」

 キリア自身も然ることながら、今や騎士団副団長を務めるクラ、強力な攻撃魔法を扱うジュン、前・国の魔法使いであるケイと言う、強力過ぎる後ろ盾がいる。

 彼等を敵に回すのは、マドローナを敵に回すより、遥かに恐ろしい。

「分かっておる!だから、お前に言っておるのだ!」


(父様は聡い人ですから、彼女の意志を無視して、無理矢理、婚姻を結ばせるような真似はしないか)


「善処いたしますが、それは、僕自身がキリアに好意を持っているからであって、父様に言われたからでは有りません」

 ハッキリと、これだけは伝えておく。

「そんなもの……分かっておる。でなければ命じん」

「ありがとうございます」


(何だかんだ、父様は優しい)


 今の王室は、歴代の中でもTOPに、雰囲気が良い。王位継承権で揉めていないし(第2王子が継承する事に決まってる)、騎士団長は権力を盾に威張り散らさず、実力主義で真面目だし(歴代騎士団長は代々王子が務めて来たが、過去最強の実力の持ち主)、早々に王位継承権を放棄した僕は、過去の病気を理由に、好き勝手生きる事が出来、紅い瞳の問題に取り組めた。


(ラナン家の妨害があって、中々思う様に進めませんでしたが、父様や母様、兄様達も、僕のする事に反対しませんでしたし、何なら応援してくれていました)


 結果、紅い瞳の持ち主の有能さが日に当たり、国にとっても、有益になったのだから、万々歳だろう。


「では、行ってまいります」

 カトレアは王様に一礼し、王の間を去った。





「!カトレア。王様の挨拶終わった?」

 旅の支度を終えた私は、王様に出立の挨拶をして来たカトレアを、王都の出入口付近で待っていた。

「ええ。無事に終わりました」


 マドローナが奴隷として捕まえている紅い瞳の持ち主達を救う為、私は今日、カトレアと、マドローナへと旅立つ。

「アレンさん、本当に連れて行かなくていいの?」

 私は、カトレアの専属魔法使いとして同行するが、何故か専属騎士のアレンさんはお留守番。


「騎士団のお仕事が忙しいらしいですよ」

「そうなの?」

「はい。何やら、アレンにもファンクラブ?なる物が出来たらしく、練習場に必要だそうです」


 ファンクラブ???え。それは、アイドルとかにあるファンクラブ???


「1番人気はクラだそうですよ」

「そ、そうなんだ…」


 兄が人気と言われて、喜ぶべきなのか……。クラ兄さんが人気者なのは素直に嬉しい……から、喜ぶべきなのかな?でも、クラ兄さん嫌がってそう……。


 的確にクラの心情を察するキリア。


「現地にはマドローナに派遣されている騎士団の方々もいますし、マフィアの皆さんには、以前程の力はありません。アレンがいなくても、危険は少ないと思うので、大丈夫だと思いますよ」

「うん。でも、ちゃんと私が守るから安心してね」

「頼りにしています」



 紅の瞳の差別は、国を救った英雄として書き換えられ、まるで最初から無かったように、消え去った。

 今では、街を歩けば、笑顔で挨拶してくれて、国を助けてくれてありがとうと、お礼を言われるまでになった。

 それもこれも、全ては、カトレアのおかげーーー。


 カトレアが私の前に現れてから、私の人生は大きく変わった。

 紅い瞳を差別しない、初めての人間。そして、私と同じ、紅の瞳の差別を無くしたいと願う同志。夢物語のように思っていたのに、本当にーーー紅の瞳の差別を無くしてくれた。


(そう言えばーーー)


 過去に戻る前、私は1つ、凄く後悔して、もし生まれ変われるなら、今度こそはやろう!って思った事があった。


(色々と理由を付けて、カトレアに言わなかった、デデデデデ、デートのお誘い、を、ちゃんとする!)


 幻の花コトコリカ採取の報酬を、キリアはまだ、1人だけ貰っていなかった。報酬として望むのは、カトレアとの、街へのお散歩。つまりデート!


 これ以上好きになったら辛いからって、ずっとずっと避けて来たけど、あの時、あれが最後のお別れになるんなら、ちゃんとお願いしておけば良かった!って、凄い後悔した。


(だ、大丈夫だよね?報酬だし、カトレアは優しいし!断られないよね?!あ、でも、迷惑かな?!私なんて、呪われーーてない!でも、ただの一般人でーー)


 覚悟したはずなのに、まだ頭の中で、思考がグルグル回る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ