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これからどうする?82

 

 待って!!2人には何が聞こえてるの?!あそこまで言われたらって何?ラット様、命令だ!しか言ってなかったよ?!


 どうやら、騎士団で半年以上過ごすようになったクラは、ラット様の言語解読に成功しているらしく、理解出来ていないのは私だけ。

 何?本当はなんて言ったの?誰か私に教えて欲しい!



「で、カトレア様、どうする気なの?君の事だから、ただ黙って城にいる訳じゃ無いでしょ?」

 クラは、様呼びではあるものの、タメ口でカトレアに話し掛けた。

 今、出陣要請が出たのは、騎士団と、魔法使いのみ。

 第7王子であるカトレアと、その専属魔法使いであるキリア、専属騎士代理クラには、要請が無い。自由に動ける。

「勿論です。王子様だからと城に引き篭るのは、元来苦手なんです」

 それとこれとは話が違う気がするけど……。


「クラなら気付いていますよね?不自然な動きに」

「気付いてる。絶対におかしい!今、騎士団は各地の救助要請に応えて、多くの兵が出払ってる。そのタイミングを狙ったように、マドローナは喧嘩を仕掛けてきた」

 最悪、他の救助で出払った騎士達も、アレン達と同じように、襲われているのかもしれない。

 それも、おかしな話だ。

「騎士達がどこに出向くかなんて、他国には絶対分からないはずなのに、アレンが、救護員の護衛をすると分かっていたかのように、襲った。まるで、初めから知っていたように」

「誰かが、意図的に情報を外部に漏らした。または、騎士団を誘導した」

 頭脳派2人の鋭い考察……!でも、私でも、何かがおかしいって、思う。

 今まで大人しかった国が、急に牙を向けて襲ってくるし、騎士達が散り散りになった所をピンポイントで狙うし、救助要請が多発するし……色々、重なり合い過ぎてる!


「騎士団を誘導出来るのも、情報を得るのも、この国の人間以外は出来ません。この国を貶めた犯人は、国を売ったのでしょうね」

「ーーどうしてーー?」

 嫌な予感がする。

 でも、きっと、この予感は当たる気がする。


「自分達の地位向上の為でしょう。この国を売り、マドローナで、確固たる地位を得る為に」


 そんな事を考えるのは、あの家しか思いつかない。

 どうして、あの家は、昔も今も、自分達の為だけに、他の誰かの命を簡単に奪えるのだろう。


「ラナン家……ですね」

 ラナン家の血が、自分の中にも流れている事が、憎い。嫌になる。


「あの迷惑没落貴族一家……!一思いに始末しておけば良かったーー!」

 クラ兄さん。今回ばかりは本当に同意したい。あの一家は生きているだけで、人様に迷惑をかける人種です。寧ろ、クラ兄さんが手を出さなくても、私が、元・家族として、責任持って始末します…!

「没落寸前とはいえ、ラナン家なら、あちらこちらの各地から救助要請を出す事が可能でしょう」


 何せあそこは、仕えてる人間も屑ばかりでしたからね。類は友を呼ぶとはまさにこの事です。


 使用人達も手伝い、各地に赴き、嘘の救助要請を城に送り付け、騎士団達、城の人間を誘き寄せ、それを、マドローナに情報として売り付けた。

 油断している騎士団を襲えば、例え純粋な力で負けていたとしても、有利に事を進めただろう。

 自分達の利益だけを考え、他がどうなっても構わない。短絡的で、残虐的。


「どうする?迷惑没落貴族一家を潰しに行く?すぐ行くけど?」

 クラ兄さんの目はマジだ。本当に、すぐにでもラナン家を潰しに行ってしまいそう。

 でも、それは当然。だって、それが事実なら、クラ兄さんは同じ騎士の仲間を何人も、身勝手なラナン家の策略により殺された事になる。

「お屋敷にですか?多分、とっくに国外にーーマドローナ側に避難していると思いますよ」

「逃げ足だけは早いね。次、俺の前に現れたら、ありとあらゆる毒を飲ませて、苦しめた後に殺してあげる」

 一人称が俺に変わってるって事は、クラ兄さんが本当に怒ってい証。気持ちは分かるけど、今はそれよりも、大切な事がある。


「どうすればマドローナを追い払えるの?」


 この国を守るのが先決。これ以上、犠牲者が増えるのは嫌!

 騎士団は分散され、治療員も大勢失っている今、戦力的に、こちらは不利になっている。

「ラット兄様は、マドローナを迎え撃つと言っていました。彼等の狙いは王都でしょうから」

 この国の中心である王都が落とされてしまえば、それは、マドローナに侵略されたと同意。戦いに敗れた事になる。


「王都を守るしか手はありません。ラット兄様、そして、騎士団はとても強い。例え人数が減ってしまったとしても、チンピラ相手に簡単に負けるとは思いません。ただーーー」

「紅い爆弾?」

「そうです。ラナン家には紅い爆弾があります。いつなんどき、彼等が紅い爆弾を使用するか分からない」


 雨天の山コリカでは、ユーリさんが紅い爆弾を使い、土砂崩れを引き起こした。どの程度の紅い爆弾を山に埋め込んだのかは知らないが、山がボロボロになるくらい、凄まじい威力だった。


「残念ながら、紅い爆弾は未知の物で、詳しい性質は分かっていません。分かっているのは、紅い爆弾の使用時には、ラナン家が持っている、対となるペンダントが必要だと言う事です」




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