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クラ登場72

 


 私も、紅の瞳に恥じない活躍をしないと!


 決意を新たに、鞄から荷物を出す。鞄は、ケイ先生お手製の、空間魔法を施した特別な鞄。だから、小さい鞄の中に、荷物は沢山。と言っても、服、数枚と、冒険の際に使用する寝袋や調理器具とかを持ってきただけ。

「後はーーと」

 取り出したのは、幻の花コトコリカを植えた鉢植え。

 まだ実を咲かせていないが、大切に大切に育てている。

「日が当たる場所が良いよね」

 日当たりの良い窓枠に、鉢植えを置く。

 見知らぬ部屋に、思い入れのある自分の物が飾られただけで、少し、ホッとした。

「元気に咲きますように」


 次いで、同じように育てていた大葉やミニトマトを植えた大きめの鉢植えを、窓の下に置いた。残されたケイ先生やジュン兄さんに植物を育てられるはずが無い。大切に丹精込めて育てていたので、全部持ってきた。

「料理……出来るのかな?」

 無事に育ったは良いとして、果たして城の中で料理なんて出来るものなのか?カトレアに確認しようと思った。



 その後、少ししたら、約束通りカトレア達が迎えに来てくれて、再度、城の案内が再開した。

 私は元々紅い瞳を変えれないし、今はフードで顔を隠してもいない。紅の魔法使いとして、カトレアの専属になったのだから、ここでは隠す必要も元から無い。

 紅の瞳の差別ーーー街では何も無かったけど、城のどこかではあるだろう。っと思って身構えているけど、今の所、何の反応も無い。

「さて、ではそろそろ騎士団の方に行きましょうか」

「!うん!」

 騎士団には、クラ兄さんがいる!クラ兄さんが家を出て半年。半年ぶりに、クラ兄さんに会える!


「あ、の!」

 ウキウキしながら進んでいると、途中、メイド数人に団体に声をかけられた。え?私??

 メイドの知り合い、元より、人間の知り合いなんてほぼいないから、話し掛けられる意図が分からない。


「貴女……今日、ここに来た紅の魔法使い……よね?」

「は、はい…」


 な、何?もしかして、ついに差別きた?虐められるの?でも、紅の瞳の差別を無くそうとしてるカトレアの前でわざわざ虐める?それは、逆に止めた方が良いんじゃないかな?第7王子様だし、わざわざ喧嘩売るような真似しなくてもーーー

 あれこれ考えていると、メイドの女性達は、ギュッと、私の手を掴んだ。


「クラ様の好きな食べ物教えて!」

「ーーーえ?」

 クラ兄さん?好きな食べ物??

「えっーーと、何だろ。カレーライスとか、ハンバーグとかーー」

「きゃー!!意外と子供っぽい食べ物がお好きなのね!じゃあ、好きな色は?」

 好きな色???

「あ、青…かな?」

「クラ様らしいですわー!じゃあじゃあ、好きな女性のタイプは?!」

「好きな女性のタイプ????」


 矢継ぎ早に質問が飛んで来て、頭が回る。しかも、全く意図してなかった質問。

「お前達止めないか。キリアさんが困っているだろ。それに、そもそも職務中だ」

 アレンさんが止めに入ってくれ、メイド達を追い払った。

「な、何ですかアレは????」

 全く意味が分からない。何故?何故ゆえクラ兄さんの質問を??

「あの方々は、クラのファンクラブです」

「ファン……ファンクラブ?!」

 カトレアから思いもよらない疑問の答えが聞こえて、思わず聞き返す。


「クラはとても強い上に、期待のホープで、副団長候補。更には、大変綺麗な顔立ちをされていますから、城に来て2週間経った頃には、ファンクラブが結成されていましたよ」


 クラ兄さん……!凄い!今まで呪われてるって蔑まれてきたのに、急にファンクラブまで出来る人気っぷりになってる!

 思いもよらない躍進にただただ驚くしかない。

 クラ兄さん、一体王都で、どんな生活を送ってるの?!




 騎士団の練習場は、城の左端に設置されていて、そこには、沢山の白銀の鎧を着た騎士達がいた。

 その中で、ただ1人、鎧を着ず、2本の短剣を使用し、他の騎士達を薙ぎ倒すクラの姿を発見した。カトレアの言う通り、青い瞳では無く、薄い紅い瞳をしている。

「クラ兄さん!」

「!」

 こちらに気付いたクラは、視線を向けると、短剣を鞘に直し、ゆっくりと歩いて近付いてきた。


「カトレア様。無事、キリアをスカウトされたのですね」

(ん???)

「はい。お陰様で」

「それはおめでとうございます。また、キリアをここまで無事に連れて来て下さった事にも、お礼申し上げます」


 ーーー誰これ???

 目の前でカトレアと会話を交わす人物が、本当に自分の知っている人なのかと、不安になる。


「ク、クラ兄さん…?」

「キリア、久しぶり」

 あ。良かった。兄さんだ。いや、でも待って。何で敬語?カトレアに?前までそんな改まった態度取って無かったよね?!


「僕は今まで通りにして欲しいんですけど…」

「滅相も御座いません。貴方様は、ラット騎士団長の弟君です。敬意を払う必要が有ります」

 クラ兄さんもラット王子様を凄い気に入ってるの?!相思相愛なの?!何?何があったの?!詳しく聞きたいんだけど!?


「ラット騎士団長はカリスマ性のあるお方だ。お強いし、口数が少なく、誤解されやすいが、とてもお優しい」

 アレンも、ラット騎士団長が好きみたい。アレンも、カトレアの専属と言えど、元は騎士ですもんね。




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