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旅立ち69

 


 *****


「おい!キリアになんかあったら、絶対に許さねぇからな!!」

 昼寝から覚め、突如決まった出来事にジュンは大反対していたが、キリア本人と、ケイ先生の説得により、なんとか納得?した。


「ジュン君ー?どっちかと言うとキリアちゃんは、カトレア君を守る為に専属魔法使いになるんだけどー?」

 第7王子であるカトレアの為の王宮魔法使い。その主に向かい、守護する側に何かあったら許さねぇ。は、大きな矛盾が生じる。

「はい。大切にお預かりしますね」

 が、カトレアは矛盾を受け入れた。


 善は急げと、キリアはこのまま、カトレアと一緒に王都に向かう事になった。見送るケイ先生と、ジュン兄さんをギュッと抱き締める。


「ケイ先生、ジュン兄さん…!行ってきます!」

「行ってらっしゃいキリアちゃん。気を付けるんだよ」

「っ!なんかあったら、すぐ戻ってくんだぞ!」


 つい半年前は、こうやって、クラ兄さんをお見送りした。その時も、凄く寂しくて仕方無かったけど、今度は私が、見送られる側になった。


 手を振って、2人にお別れを告げる。

「またね!また帰ってくるから!」


 8歳の時、親に捨てられ、ケイ先生に拾われてから、もう15歳。この家で過ごすようになって、私はずっと、幸せだった。大好きで優しい兄さん達に囲まれて、酒飲みだけど、私達をずっと見守ってくれたケイ先生がいて、私に家族が出来た。

 例えここから離れたとしても、この場所は、私の帰る家。帰れる場所があるだけで、こんなにも心強い。



 ケイ先生の鍵を使い、紅の魔法使いの館から出ると、そこには、待機していたアレンの姿があった。

「カトレア様ーーと、キリア様」

「さ、様?」

 呼び慣れない敬称に、思わず戸惑う。

「スカウトが成功したのですね。おめでとうございます」

「はい、無事に口説き落とす事が出来ました」

 ニコニコと笑顔でアレンと会話するカトレア。初めから私をスカウトする目的でここに来たんでしたっけ?って、それよりも、気になる事があります!


「あ、あの!何で様付けなんですか?前はそんな事無かったですよね?お願いですから、普通にお話して頂けると助かるのですが……」

 様呼びなんてガラじゃない!そんな身分でも無い!


 私のお願いに、アレンは目をパチパチと何度か瞬きをした後、口を開いた。

「そうか、すまない。以前のカトレア様の専属魔法使いには、礼節を弁えろと言われていたんだが、普通で良いと言うなら、自分もその方が有り難い」

「普通でお願いします」

「分かった。では改めて自己紹介しよう。自分はアレン。カトレア様の専属騎士だ」


 薄々気付いていましたが、アレンさんはカトレアの専属騎士なんですね。ん?でもじゃあなんで、以前の専属魔法使いさんは礼節を弁えろなんて言ったんでしょうか?立場的には同じじゃないの?


「騎士なんて、ただ剣を振れば良いだけの簡単な仕事で、魔法を使える自分の方が遥かに偉い。と言っていたな」

 ーーああ。本当に残念な人だったんですね。馬鹿なんですか?前衛がいないと、色々大変なの分かっていないんですかね?重要なんだよ。クラ兄さんが聞いたらめちゃくちゃ怒るよ。


「貴族の推薦で僕の専属魔法使いになったんだけど、扱いに少し困っていたから、辞めるって向こうから言ってくれて助かりましたね」

「そうですね。元からやる気も感じられませんでしたし」

 笑顔で語るカトレアとアレン。


 アレンは、スっと、キリアに手を差し出した。

「これからよろしく頼む」

「こ、こちらこそよろしくお願いします!」

 差し出された手を握り返し、握手をしながら、頭を下げた。

「とりあえずは、王都までの旅路ですね。2人とも、よろしくお願いします」

「かしこまりました」

「りょ、了解です!」


 カトレアと出会った時に、王都の近くまでは来た事があるが、その時は、まだ紅の瞳の差別が凄い激しい時だったし、王都の中には入らなかった。

 今回初めて、正式に、王都に行く!凄くドキドキする。

 不安の入り交じった高鳴る心臓を抑えつつ、キリアは王都への道を進んだーーー。




 *****


 3日後ーーー王都。

 以前、遠目から王都を見たが、近くで見るのとでは、別格。まず、城門の佇まいから違う。立派。魔物が入ってこないように、高い塀が都を囲い、入口には、門番と思われる人物が2人、門を通る人達のチェックをしている。

 こんなんじゃ、王都に入ろうと思っても、入れなかったかな?あ、でも、ジュン兄さんの闇の魔法使ったら入れるかも。姿消せるから。

「カトレア様!お帰りなさいませ」

 カトレアの姿を見た門番が、深く頭を下げ、カトレアを出迎える。

 私は、いつもと同じように、服についているフードを深く被り、紅い瞳が見えないようにした。

「ただ今。今日もご苦労様です」

「有り難きお言葉です!アレン様もお疲れ様でした!後ーーは、そちらの方は?」

 門番は、フードで顔を隠している私を、不審そうに手で指した。

 そうですよね。例えこの2人の同行者と言えど、怪しいですよね。

「ああ。この方はーー」



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