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今度こそ信じます65



どちらかと言えば、花が見付かって、戸惑っている様に見えるーー。

「嬉しく…無いの?」

「いえ。本当に……見付かるとは思っていなかったので、驚いているだけです。嬉しいですよ。キリアのお陰です」

ニコッと、やっと、いつもの笑みを浮かべてくれて、ホッとする。


「ただ、まだ蕾は開かなさそうですね」

「いつ頃咲くのかな?」

「詳しくは文献にも書かれていなかったので分かりませんが、長ければ1、2年咲かないようですね」

「そんなに?!」


開花までの時間が長過ぎません?栄養を沢山溜め込む為でしょうか…。万病に効く花ですもんね。


「よろしければ、キリアがこの花の面倒を見て頂けませんか?」

「え?私?」

「はい」


そう言うと、カトレアはキリアに、魔法の花瓶ごと、コトコリカを手渡した。


「お願い出来ませんか?」

「ーー分かった。私、頑張ります」


カトレアは王子様だし、忙しいから、お花のお世話まで出来ないよね。それに、お花のお世話なら、私でも役に立てるかも!なんて言ったって、前世、家政婦!家庭菜園が趣味なお家で、沢山の花のお世話もした事有ります!


「ありがとうございます。では、依頼が終わっても、花の様子を見に、ちょくちょく顔を出しても構いませんか?」

「!うん、勿論…!」


依頼が終われば、また、会えなくなると思っていたから、素直に嬉しい。


「ふふ。秘密も共有して、本当に僕達、同志みたいになりましたね」

山を降りている最中、キリアに向かって微笑みながら、紅の魔法使い達に黙って巻き込んだ計画のことを指して話すカトレア。

「絶対に兄さん達に言ったら駄目だよ!」

しー。と、人差し指を口元に立てて忠告する。


知らず知らずにカトレアの計画に巻き込まれていたなんて知れたら、兄さん達は怒ってしまいそう…。


「勿論。2人だけの秘密です」

カトレアもまた、キリアと同じ様に、しー。と、人差し指を口元に立てた。

「!なんか…狡いですね」


もし自分の顔面偏差値の高さを利用してやってるとしたら、大分罪深い!


「狡い?」

キョトンとするカトレアを見ると、無意識なのかもしれない。けど、それはそれで怖い。


「何も有りません」

「早く、街を一緒に歩いたり、ご飯を食べたり、買い物したりしたいですね」


それは、初めて会った時にカトレアが話した、私にとっては夢物語のような世界でーーー。

あの時は、絶対に叶う筈が無いと、そう思っていた。

差別が無くなれば良いと願っているのに、心のどこかで、諦めていた。

ーーーでも、カトレアは違う。


「とても綺麗な場所があるんです。キリアにも見せたいな」


カトレアは、本当に、紅の瞳の差別を無くそうと努力してくれている。紅の瞳の差別が無くなると、本気でそう、思ってくれている。


「……うん、私も、見に行きたい。一緒に、街を散歩したり、ご飯食べたり、買い物したい」


願いを口に出してしまえば、本当に、自分がしたい事なんだって、強く自覚する。私は、ただ、普通に生活したい。


「では、約束ですね。大丈夫。きっと遠く無い未来、必ず、僕達の望みは叶います」

あの時言ってくれた言葉を、もう一度、伝えてくれる。

「……うん。約束」

今度こそ、カトレアの言葉を信じる。

私も、諦めたりしない。最後まで、頑張る。



2人はそのまま、ジュン、クラ、騎士団の元へと、たわいの無い会話をしながら、戻ったーーー。






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