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呪われた子と家族に捨てられたけど、実は神様から祝福されています  作者: 光子
幻の花コトコリカ

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計画の真相63



「カトレア、本当にありがとう」

「?お礼を言うのはこちらの方です。ラット兄様の命を救って頂き、こうして自由研究のお手伝いもして下さっているのですから」

「違うの。その……私、カトレアに出会ってから、また、人間とちゃんと仲良くしたいって、思えるようになったから」


紅の瞳の差別を無くしたいと思っていた。

でも、自分1人で、どうすれば差別を無くせるのか、全く分からなかった。

人間に対して恐怖の気持ちがあって、差別を無くしたいのに、逃げ出したい気持ちもあった。

でも、同じ、紅の瞳の差別を無くしたい志しを持ったカトレアと出会って、その気持ちが、本物であると分かって、また、人間と関わって行こうと思えた。


「最近ね、人間に、お礼を言われたり、笑ってくれたりする事が増えたの。……たまに、酷い事を言ってくる人間もいるけど。でも、カトレアも、どこかで、紅の瞳の差別を無くそうって頑張ってくれてるんだから、私も頑張ろうって思うようになったの」

「……」

「本当にありがとう」


いつかまたどこかで会えたら、絶対にお礼を言おうと思っていたから、ちゃんと言えて良かった。

そもそも、私1人じゃ、どう転んでも紅の瞳の差別を無くすなんて無理。ここまで普通に接してくれる人が増えたのも、カトレアのお陰。カトレアが、3年前、命を懸けて、私達に依頼をしに来てくれたからーーー


「お礼なんて必要ありませんよ。ここに、自由研究に貴女達を連れて来たのは、ただの僕の我儘ですから」

「我…儘?」


今回も、結果的に第3王子の命を救う事になって、あんなに街で大々的に紅の魔法使いの功績を発表したのだから、紅の瞳の評価は、確実に上がるだろう。

寧ろ、第7王子カトレアよりも、第3王子であるラットを助けた今の方が、評価は高くなるーーー。


「……ユーリさんが暴走するの、分かっていたんですか?」

意図的に、紅の魔法使いに、第3王子を助けさせた?


キリアの問いに、カトレアは少し困ったような表情を浮かべなから、質問に答えた。

「正確に言うと、彼の作戦を聞いて、苦言を呈していたんです。危険だから、絶対に止めるべきだと」


ユーリは、何かと王位継承権が低い第7王子と見下しているカトレアに、張り合う節があった。

討伐作戦に行く前、魔物を一網打尽に出来る方法があると、意気揚々と語ったユーリに、そんな危険な真似をしなくても、地道に魔物を討伐し、雨が止むのを待てば、元に戻る。と、説明した。

「当然、僕の憶測は『雨?!止んだからって魔物が減るかよ!』と聞き入れて貰えず、そのままユーリは、ラット兄様と出立しました」


その時に考えを改めていれば……本当に駄目な大人に成長しましたね、ユーリさん。


「彼が僕の忠告を聞き入れ、無茶な作戦を中止したのか。忠告を無視して、実行するのか。正直、どちらに転ぶかは全く分かりませんでした。彼に土砂崩れなんて、そんな大層な事が出来るような力があるとは思いませんでしたし」


そしてあの大惨事に繋がる。と。

あの人は実行しちゃったんですね。紅の宝石とやらを使ってーー。


「紅の宝石は未知な物です。市場にも勿論、王家ですら、その存在を知りません」

「えっ?!」


そんな大層な物だったの?!確かに、威力凄かったけど……魔法使いでも無いユーリさんが、あれだけの爆破を起こしたんですもんね。


「紅の宝石の事は一旦置いておきますがーー僕は、ラット兄様が心配になりました。でも、彼が問題を起こす確証も無いーー」

確証が無ければ、貴族の中でも力のあるラナン家の彼を連れ戻す事は出来ない。


「そこで、貴女達の事を思い出しました」


紅の魔法使いの皆さんなら、何か起きても、助けてくれるのでは無いか。

何も起きないならそれで良い。


「何か起きればーーそれを、紅の魔法使いの皆さんが解決して下されば、停滞している紅の瞳の差別を無くす動きに繋がると思いました」


結果、ユーリは問題を起こし、騎士団のピンチを、紅の魔法使いが助ける運びとなった。


「これは僕の我儘です。僕の計画の為に、貴女達を巻き込んだんです。本当に申し訳ありません」

「えっと…」

深く頭を下げるカトレアに、キリアは戸惑いつつも、思っている事を告げた。


「ーーあの、最初から素直に、全てを話してくれていても、良かったんですよ?」


ユーリって名前の、ちょっと頭が狂ってる人が、おかしな事を仕出かしそうだから一緒に見張って欲しいと言えば、普通に紅の魔法使いは承諾しただろう。依頼は、基本危険が付き物なのだから、いつもの事。


「そうしたら心配性な僕の騎士であるアレンにも色々話さなくてはいけなくなるでしょう?アレンは真面目な男なので、確証も無いのにラナン家に乗り込みそうです」

それなら、何も起きない事も考えて、自由研究で押し通そうと思ったらしい。

「……色々と考えて、大変だね」

「貴女達に真実を話さなかった事には違いありません。ただ、自由研究も本当ですよ?」

「あ、ほんと?良かった」


結構頑張って探していたので、これが嘘だった。の方がショックがでかいかもしれない。



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