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誠心誠意謝罪しろ52



「さぁ、もうあと少しで君の体は闇に飲まれて消えちゃうね」

「痛みの無い死に方で良かったな。その代わり、死の恐怖を存分に味わってから逝け」

「止めてくれぇぇぇぇええええ!!!」

 兄達二人の目はもういっちゃっていて、キリアから見ても怖い。


「ジューーー」

「ちょっと待って下さい、キリア」

 慌てて兄二人を制止しようとするキリアを、カトレアは手で口を塞いで止めた。

「ふぐふむむむ?(どうしたの?)」

 顔を見上げると、カトレアは、悪戯そうな笑みを深めた。


「ユーリ」

「んだ!早く止めろよ!このノロマ!死ぬ!ホントに死ぬから!」

カトレアに向かい、こんな状況になっても変わらず暴言を吐くユーリ。ただ、カトレア本人はユーリに何を言われても気に止めていないようで、何処吹く風。


「先程も言いましたが、そのお2人は、僕の言う事を聞き入れる方ではありません。彼等を止められるのはーーーキリアしかいません」

「ああ?!ならさっさとしー」

「言葉遣いにはくれぐれも気を付けて下さいね?キリアは今、そこにいる兄2人の、大切な妹君です。ユーリは今、キリアに過去行った非道な行いを口にして、そんな目に合っているんですから」


ユーリが何を口に出そうとしていたのかは知らないが、キリアを完全に見下している口からは、決して綺麗な言葉は出ないだろう。

それを見越して、カトレアはユーリに、再度忠告した。

端的に言えば、キリアを貶める様な台詞を吐けば、貴方の命は完全に無くなりますよ。と忠告している。

今現在、命の危機に陥っているユーリは、今度ばかりは、カトレアの忠告を聞き入れ、キリアを睨み付けてはいるが、言葉は閉ざした。


「では、本題ですね」

ユーリがきちんと口を閉ざしたのを確認し、カトレアは笑顔で、言葉を続けた。


「そのお2人を止められるのは、キリアしかいません。誠心誠意、キリアにこれまでの行いを謝罪し、助けて欲しいとお願いして下さい」


「なっーー!!」

「!」

カトレアの発言に、ユーリだけで無く、キリアも驚いた。

散々見下して来た相手に、謝罪をし、命乞いをする。プライドの高そうなユーリには、さぞ屈辱的だろうが、そろそろ本気で命の危機に達しそうなので、迷っている時間は無い。


「ひぃ!わ、分かった!悪かった!すみませんでした!虐めて悪かった!頼むから助けてくれ!」


その言葉を聞き終えると、カトレアはパッと、キリアから手を離した。

「この程度で貴女の心の傷が癒えたとは到底思いませんが……すみません。よろしくお願いします」

「……」

カトレアの表情は、とても悲しそうに見えた。


どうして、私なんかの為に、そんなに、悲しんでくれるの…。貴方が、ユーリさんの為に、謝る必要なんて無い。お願いをする必要も、無いのに。


「ーーっ。ジュン兄さん!クラ兄さん!もう止めて!人殺しだけは嫌って言ってるでしょ?!ストップ!じゃないとーーー暫くご飯抜きにするから!」


ピタッ。と、2人の動きが静止した。

「……こんな腐った人間を助けるのか?!お前を虐めてた奴だぞ?!」

「昔からずっと言ってるけど、私が守ってるのは、兄さん達なの!そんなどうしようも無い人間の為に、手を汚して欲しく無いの!」

一貫して、キリアが守っているのは、その1点のみ。


「……はぁ。頭に血が上りすぎちゃったね」

キリアの言葉に、最初に我を取り戻したのは、クラだった。魔法を解き、植物の拘束を解くと、闇の魔法からも、滑り落ちた。

ズドンッ!と、その場に落ちるユーリ。

「い、生きてーるーー!」

「言っておくけど、くれぐれも、生かされた立場である事を忘れないでね?僕達はその気になれば、いつでも君を殺せるんだから」

「お、お前等ーー!」

「……ユーリさんっ!もう止めて!これ以上、兄さん達を怒らせないで!」

懲りもせずに暴言を吐きそうなユーリに、キリアは弱々しくも、制止の言葉を告げた。


世界で1番助けたくない相手に、誰が兄さん達の暴走を止めてると思ってるんですか?!何度も止めさせないで欲しい!


「っ!キリアーーお前、死んで無かったのか?!」

その台詞は、私が死んでいたと疑っていないようで、私を殺す気で、森に捨て置いたんだと、ハッキリと分かる。

「……残念ですね、ユーリさん。私は、あの家にいた時よりも、元気に楽しく過ごしていますよ」

「お前ーー!!」


もうユーリさんは私の兄では無いから、兄様とは呼ばない。様付けもする必要が無い。


キリアが様を付けて呼ばないのが気に食わないのか、生意気な口調が許せないのか、そもそもが、キリアが生きている事自体が気に食わないのか、ユーリは、激しくキリアを睨み付けていた。


(……と、言いますか……)

キリアは、最初にユーリの顔を見た時から、気になっていた事があった。


「ユーリさん……顔、変わりました?」

私が家にいた時は、ニキビ1つ無いスベスベ肌だったのに、今や面影が無い位、肌荒れしてて、脂でベトベトしてて、髪にも艶が無い。

あれから7年経ったとは言え、肌質、変わり過ぎでは?と思った。


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