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ディープ・デッド・フィラー  作者: とくめいきぼう
第六章 ストーン・トラベルは終わりを告げる
71/75

第70話 ファブル・ラストバトル②

―――PM2:30分


 無数の洗脳兵と戦っていた東結金次郎が、異変に気付く。

 周りにいた岐阜の探偵たちも同様に。

 ふと、静けさがあった。

 自分たちの周りから、洗脳兵がいなくなってるのだ。

 動物も。人間も。(東結達が能力で束縛したものを除く)

 戦いが終わったわけではない。

 10分前までこの場所は洗脳兵で埋め尽くされていたのだから。


 ドンゴン!!!!


 突然、地震があった。

 震度3程度の小さな揺れだ。


 ドンゴン!!!!


 突然、建物が崩れていく。

 何か大きなヘビのようなものが、蠢いている。


「何よ……?」

 東結が、そう言った。


 ドガガガン!!!ドンゴゴ!!!

 あたりの建物がすべて崩れ、平地となった。

 気づけば東結と、12人余りの岐阜探偵の周りを、その巨大なヘビのようなものが囲んでいた。

 血をまき散らし。石を砕く音を鳴らしながら。


「ふ、ふざけているのっ!!!」

 まともな神経をしているものなら、そう叫ばずにはいられない。

 もしくは、声も出せないか―――だ。

 ヘビの正体は400mあまりの巨大な洗脳兵たちの塊。

 外見は血まみれで赤く、下方の洗脳兵たちをキャタピラのように後方に転がしながら移動している。

 これを動かしているのはエンペラー・ゴールドだ。

 【湾曲十字の聖歌隊】は死体をも動かせる。


 合体人間の中心には、ゴールドがいる。

 彼は内側の合体人間のうち一人を適当に選び、その洗脳を解いた。

 そしてこう問いた。


「ねぇ、僕って偉大だよねぇ?」


 洗脳を解かれた人間は、太った豚みたいな体型で、美少女が印刷されたTシャツを着ていた。

 萌え豚である。

 萌え豚は答えた。


「ドゥフwwボクッ娘美少女キタコレ、かわいいでござるwww俺の嫁www」

「え~~ッ!!」

 ゴールドは突然の告白に赤面しながら驚いたが、その後冷静さを取り戻し。


「やったぁ♪ボクを愛してくれるんだ~❤

 でもしもべちゃん、ボクって性別が無い偉大な存在なんだよ?

 性別が無い存在が好きなのはパソコンや車に興奮するのと同じってこと❤

 気持ち悪~~い♪

 で~も、お兄ちゃんがボクの奴隷になってくれるっていうのなら、い・い・よ❤」

 

 ゴールドはすかさず拳銃構え萌え豚を撃ち殺す。


「ぶひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

「あはは~お兄ちゃんは臭いからボクのしもべにはいらな~い♪」


 萌え豚は、合体人間の外に投げ捨てられ、東結の近場まで落ちた。


「ブヒッ!w【ガブリエル・ラチェットの宴】!!」

 地面に打ちつけられ、全身がぐちゃぐちゃになった萌え豚が言った。

 残虐である。

 【ガブリエル・ラチェットの宴】とは、この合体人間でできた赤いヘビの名のことを指しているのだろう。


 万古不易の意思を持つ新アトランティスの末裔・ゴールド。

 その偉大さを祝う宴が始まるかのように、合体人間【ガブリエル・ラチェットの宴】は近くの一番高いビルに蜷局のように巻き付く。


「まずいわ……みんな、逃げなさい!!!」

 東結がそういった矢先、合体人間は洗脳兵の塊を投げつけた。

 新幹線のような勢いで地面にたたきつけられたそれは、瞬時にばらばらになり、骨と肉片の散弾と化す。

 ここでまず、東結と冥錠親子以外の探偵がバラバラになって即死した。

 そして合体人間は次の攻撃に入る。


「東結様!!危ない!!」

 岐阜探偵事務所・社長、錠次郎が東結を突き飛ばす。

 東結が倒れてから頭を上げると、合体人間が洗脳兵を上に突き飛ばし、それを雨にしていた。

 錠次郎は上から降ってきた洗脳兵にぶつかり、首の骨を折った。


―――――――――――――――――――岐阜最強の探偵・冥錠錠次郎、死亡。


「【プラント・ヴィクティム】!!!」

 錠次郎の娘、幽夢が【カース・アーツ】を発動し、植物人間になる。

 しかし、ほどなくして合体人間が胴体から触手を伸ばし、それで幽夢を束縛。

 彼女は、その全身をむさぼられた。

 

―――――――――――――――――――錠次郎の娘・幽夢、死亡。


 次は400mの合体人間自体が動き、その勢いで東結をひき殺そうとする。

 東結は【アイアム・ワースト・オーバー】を発動し、自身の周りを氷の球で囲むが、合体人間が通った後に、彼の姿は無かった。


―――――――――――――――――――東結金次郎・生死不明。


 東結達に捕らえられていた1000人余りの洗脳兵を、合体人間は体の一部として吸収する。


  ク  ォ  ォ  ォ   ォ  ォ  ォ  ォ  ォ

「f⌒!.                          

  {__メ、 し| (_) (_) (_) (_) (_) (_) (_) 

  ォ  ォ  ォ   ォ  ォ  ォ  ォ  ン ッ !!!

                             /

 (_) (_) (_) (_) (_) (_) (_) l'^! .・  」


 ゴウオン!!!


「………!!………!!」


 その怪物が暴れ回る光景は、エクサタにも見えていた。

 まず、恐怖より嫌悪を感じた。

 恋人が寝取られるような、薄気味悪く、どす黒い拒否感と嫌悪感をその化物に感じ、呆然としていた。


「ウウ……ガハッ………」


 気が付けば吐いていた。いったい何人の人間の命が失われた―――?

 しかしドンゴン!感傷に浸っている暇はない。

 合体人間が胴体から触手を伸ばし、鞭のように横に薙ぎ払ったのだ。

 そしてエクサタはなすすべもなくその攻撃を受けた。


「ぐわああああああああああ!!!!!」


 商店街の入り口から出口まで勢いよく吹き飛ばされ、意識を失いかける。


「再生が間に合わない………避けられない………そして今の触手―――」


 死体だ――――死んだ人間は鞭状にして利用しているんだ――――


(再実感した………勝てない――――『格』が違う。

 こいつは人間じゃない――――たった一つの目的を達成するために、

 人間はここまで残酷になれない!!

 ……対して俺は手段を"選ぶ"………

 最も効率的な作戦があったとしても、それが残酷すぎると判断したならば――

 死んでもそれを"選ばない"!奴は選べる!!)


 合体人間の胴から、次は3つの触手が伸びる。


(―――)


 エクサタが死を覚悟し目瞑る。目の前に映し出されるのは、ニーズエル、エクス、アルギュロス、そして、亡き家族の虚像。


(死んだら俺は、また貴方達に会えるか……?)


<うん、また会えると思うよ……>


 ニーズエルの虚像が、エクサタの質問に答える。しかし―――


<『常識とは、プライドを殺す剣<つるぎ>だよ』

  『常識とは、プライドを殺す剣<つるぎ>だよ』

    『常識とは、プライドを殺す剣<つるぎ>だよ』>


「ニーズエルッ!!!!」


 ニーズエルは殺された………!!




(――――――ニーズエルが死んだのに、奴は堂々と生きているッッ!!!)


 合体人間が三本の触手を縦に振り上げる。


(だけど、常識を持つ人間では奴を殺せないッ………!!!

 誰か――――誰かッ………アイツを殺してくれッ!!!)




 ヒュッ――――――――――――――


  / ̄/  /''7''7  / ̄/ /'''7  / ̄ ̄ ̄//''7''7  / ̄/ /'''7

  /  ゛ー-;ー'ー'    ̄  / ./    ̄ ̄/ / ー'ー'    ̄  / ./

 /  /ー--'゛     ____.ノ ./   __/ /     ____.ノ ./ 

/_/        /______./  /__________ /      /______./  


 轟音が鳴り響く――――


「………?」


 しかし、エクサタは無事だった。


「もう大丈夫だ。目を開けろ。」


「あ………あああ………」


 少女の声がした―――目を開け、振り向くと、そこには銀髪・褐色の少女がいた。

 その人は――――この戦いで、何度も強敵に立ち向かい、戦いを制してきた、憧れの人の孫にして、自分よりはるかに強い戦士。


挿絵(By みてみん)

「シ………シルバー殿!!!!」


 彼女達アトランティス人は神の目的の為だけに生きる人形…。

 初めはすごい人間だと思ってたが、ゴールドと出会った後、俺は彼女の事を俺は何処か哀れな存在だと心の中で思い始めてしまった。

 しかし――――――――――――


「生きてて良かった――――エクサタ!!」


 今目の前にいる彼女は、今までと違い、どこか爽快であった。

 ゴールドと比較するのを失礼に思う程、輝いていた。青空のような安心感があった。


 シルバーが前に3歩進み、ビルに巻き付く合体人間と対峙る。


「どれだけデカくても、目が見えなきゃデクの坊だね。」


「………」


 辺りを見回せば、合体人間の触手鞭は三本とも俺の横15mほど先に落ちていた。

 シルバーは合体人間の全身を視界に入れている。


「奴は今肉の中。あのデカブツの表面の材料になっている人間の目を経由して、私達を見てるんだ。

 だから私の【ストーン・トラベル】は――――そいつらの目の表面を全て『石化』させた。」 


-―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――合体人間の中。


「シルバー…一度僕に負けた雑魚が、今更出てきやがって……」


 頭にレイピアを刺したゴールドは、苦しんでいる――――


「だが、問題ない。怪物の内側の洗脳兵と、外側の洗脳兵を取り換えれば―――

 視界は取り戻せる…こんなくだらないことでこのゴールドが敗北するはずがないんだよ!

 アハハ~!!」


<何をやっているゴールドッッッ!!!!!

3500年の計画だ――――失敗は許さんぞ!!!!!!!!>


 ふと、ゴールドの耳に声が入った。

 その声の主は、ゴールドの背後に立つ【湾曲十字の聖歌隊】のもう一つのヴィジョン。

 人型だが、両性器が無く、無性別を感じさせる。

 シルバーが見る【神】とは、真逆の印象をもつ【邪神】であった。


 【湾曲十字の聖歌隊】の媒体は、ゴッフォーンを含む過去の新アトランティスの王たち。

 彼らの【D・D・F】への思いと人間を軽視する思いが、この邪悪な能力へと変貌したのだ。

 しかし、邪神はゴールドの手際の悪さに、怒りを覚えている。


「先祖様…落ち着いて~アイツにこの【ガブリエル・ラチェットの宴】を崩す手段は無いよ。」


<しかし貴方の体は現在進行形で朽ち果てている。このまま時がたてば―――

貴方は死ぬ。それは我々の敗北ではないのか…!?>


「その前に【D・D・F】を手に入れればいい!

 残りの4つ全ては、夜調牙百賭の手にある筈!!

 奴を消せば、勝利は決まる!」


<貴様ごときが百賭に勝てるかな………この役立たずごときが!!!>


「【ガブリエル・ラチェットの宴】は努力の結晶です!!

 この合体人間の実験の為にボクは――――努力を惜しまなかった!!!

 努力した者は必ず報われる!!!」

/////////////////////////////////////////////////////////////

 そう、かつて、ボクはこの洗脳能力で、様々な人体実験を行っていた。

 とくにあの実験は――――部下の四天刃すらドン引きさせた……


「ビエエ!!エエエエエエ!!」

「ゴ、ゴールド様――――何してんですか!!!」

「二人の人間を物理的に合体させ、一つの生命体にする実験だよ♪

 見物していく?トパーズ?」

「えぇッ……!?」


 ボクは、いや、【ボクの中のボクたち】には思想があった。

 人間は単体では不完全な生命体。

 一つの意志の下、群れを成してはじめて、その種としての強さは完璧なものになるのだ――――と。


「アクラ村」

「アクラ村――――?」

「アクラ村を潰す。」

「潰すのですか―――なぜ?」

「アクラ村に住む169人の人間…

 そのすべてをボクの能力で操り、一つの合体人間にするの♥」

「69人!?お言葉ですが、無理ですよ!重さで潰れてしまうのがオチです!!」

「失敗を恐れちゃ、勝利は得られない。

 たとえ失敗したとしてもそれは明日の糧にすればいい。

 あいにくこの国には潰しても良い村はいくらでもある。

 実験なら何度でも出来るしね!キャハハハハハ!」

/////////////////////////////////////////////////////////////


「先祖様見てください!そう、人間と人間が一つになり――――

 一つの目的の為に規則正しく動くことこそ、人間の完全なる姿―――

 完全なる人間芸術!!!!

 この巨体、この力こそ!!!この街の人間18945人が一つの形になった

 究極の合体人間!!!!!!!!!!!!!!

 シルバーは無視だ!!!この人間賛歌で、百賭を探しだし――――

 圧倒抹殺してくれるよ!!!!!!!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 シルバーが合体人間の方向に、一歩一歩歩みを進める。


「シルバー殿、勝てるのか……勝てるんだな……!?」


「嗚呼。奴を始末する策はある。」


 シルバーが4つの【D・D・F】を取りだす。


「その【D・D・F】………まさかあの百賭を――――!!!」


「………」


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「百賭!そんな作戦に私は――――!!」


「…私は貴方の親の仇。

 そんな奴の言葉を信じるのは、確かに難しいでしょう………

 でも―――――」


 百賭が【デティクティブ・マスター】を出現させ、そして――――


「はっ………!!!」


 シルバーの目の前に血に濡れたシルバーの両親が映し出される。


「パパ……ママ……!?」

「やめろシルバー!!!!罠だ!!!!」

「――――いや……」


 百賭の目から、涙が流れる。


「貴方に謝るため…10年間ずっと消さずに残していました…

 貴方の両親に頼まれて、貴方の両親の最後を記録していたんです。

 最後のメッセージを伝えるために、あの人たちはッ――――!」


 シルバーが、二人の手を取る。


<見てるか、シルバー…すまないな、こんな姿になってしまって――――

いっぱい、悲しませてしまっただろう。>

<ゴメンね、もう好物のホットケーキも作ってあげられないわね。

でも、彼女を恨まないであげて―――彼女は………>


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「ゴォルドォォォ――――――――――――――ッッッ!!!!」


 シルバーが大声で叫ぶ――――そして、建物の上に上り、屋上を経由しながら、合体人間に向かってダッシュしていく!!!


―――――


 ゴールドが内側から目の見える洗脳兵を出し、シルバーの姿を確認する―――


「五月蠅いぞシルバーごときが…な…!?

 どういう事だ、なんでこっちに向かって走ってくるのッ!!!」


 彼女の手には【D・D・F】が握られていた。


「な―――――――――なにィィィィィィィィ!!!!!!!!!」


 シルバーが、4つの【D・D・F】を上に向かって投擲する!!!

 その光景を目の当たりにしたゴールドは、シルバーが次にどんな言葉を発するか、どんな行動に出るかを確信した。


 次にとある言葉を発した者こそが―――――勝利を掴む。

 この戦いはそういうものだ、そう確信した!!


    「【深き闇を再接続する――――繋げッ!!!】」

      「【深き闇を再接続する――――繋げッ!!!】」


 ゴールドとシルバーが同時に発したのは、割れた【D・D・F】を手元に呼び寄せ、一つにする暗号――――

 シルバーが先に言葉を発する事が出来れば、ゴールドを合体人間の中から引きずり出し、倒す事が出来る。

 ゴールドが先に発する事が出来れば、ゴールドは願いを先に叶えることが出来る。


 そして―――――――――――決着は。


「フフフ…………アハハハハハ♪

 ボクの【D・D・F】が動いていないッッ!!!

 それはつまり、奴の持つ4つの【D・D・F】が動いてボクの方に近づいていることを示しているッッ!!!

 勝ちだ――――勝ちだ勝ちだ勝ちだァァァ―――――!!!!!

 ついに3500年の因縁に決着だあああああ!!」


「バーカ、よく見ろマヌケ。」


「ハッ………!!」


 ゴールドが目を凝らし、自分の方に向かっていく物体を再確認した。

 それは――――【D・D・F】では無く…………


「【デティクティブ・マスターの円盤】ッッ!?!?バカなッ!!!

 すごいスピードでこっちに飛んでくるぞッ!!なんでなの!?」


「残念ながら、早口言葉大会はお前の優勝のようだ――――

 私の持つ【D・D・F】が、お前の方に向かっていったからな。

 だから――――その軌道上に、

 【デティクティブ・マスター】の円盤を置かせていただいた。

 この円盤は、重力を無視して動くから、落下したりは決してしない。

 【D・D・F】に押されて―――――まっすぐ御前の方に向かっていく。」


「きゃああああああああああああああああああ!!!!

 マズい―――――このままじゃ!!!た、助けてー!!こ、ここで死んだら…」


 ゴールドが、合体人間の頭から自分の上半身を出す。


「僕が生まれてきた事に意味が無くなってしまう!!!」


 シルバーが静かに片手で銃を構え、ゴールドに狙いをさだめる。そして、シルバーの後ろから、睦月がやってくる。


(シルバーは、銃を撃つ時―――必ず両手だった。

 何故なら君は―――両手で銃を撃つことに自信が無かったから。

 奴との距離―――約200m。当てられるか――――?)



――――――



「……私は、自分の事を、心の弱い人間だと思っていた。」


 そう、私は…………心が弱い。


「他人を失う事が、酷く怖いんだ。

 ショックも受けやすいし、

 両親や、右堂院、ジジイが死んだときだって――――

 自殺すら考えていた。」


 だから――――私は神に頼っていた。

 神の啓示する運命。

 それに従えば、心を強く保てるから―――――


「確かに、私は弱い。

 でも、それだけじゃない。

 この人間としての心を殺し戦ってきた【石の旅<ストーン・トラベル>】で私は―――

 ロル以外の初めての仲間を得て、もう一つの真実に気が付いたんだ。」


 トリガーに指を入れる。

 そして、静かに力を込める。


「全ては表裏一体。二律背反ではない。

 仲間を失って誰よりも傷つきやすいという事は、

 仲間を失いたくないという気持ちが――――誰よりも強いという事。

 ――――

 私は、仲間の事を思っている間だけ、『誰よりも強い人間』でいる事が出来た。」


 だから、私は仲間の事を思い、銃を持つ。

 そうすれば――――何物にも邪魔されることがなく、引き金を引く事が出来る。

 たとえ片手であろうと―――――

 震え一つおこさず、絶対なる自信を持って――――。



 バンバンバンバンバン!!!

 ワン!!!ツー!!!スリー!!!フォー!!!ファイブ!!!

 

 全弾ゴールドの顔面に命中!!!!



 そして――――――――――――



「シックス――――(六発目)。」


 バンッッ………


 ゴールドが、合体兵士の上から落下する。


 その途中、【悪魔ビフロンス】が現れゴールドの頭部を千切り、それをむさぼった。


 首のない残骸が落ち、水風船が割れるような音が鳴り響くと同時に、

 天空は蒼く晴れ、日光が辺りを照らす。




 弯曲十字が――――――消えたのだ。





新アトランティス帝国 帝王。ゴッフォーン末裔。

エンペラー・ゴールド/セクンダー・グラン―――――――――――死亡。

◆その他人物名鑑◆ #6

エンペラー・ゴールド


本名――――――セクンダー・グラン

人種――――――アトランティス人

年齢――――――21歳

身長――――――149cm

性別――――――無

IQ――――――210

所属――――――新アトランティス帝国


先祖ゴッフォーンの目的であった『クロイツェン・ママゴンネードの復活』だけを目的に動くシルバーと瓜二つの存在。

『新アトランティス帝国』のリーダーにして、夜調牙 百賭のD・D・F捜索に協力していた黒マントの依頼人の正体。


無性別であり、女性の象徴である胸も、男性の象徴である陰茎も有しておらず、単性生殖で繁殖できる能力を有している。


誰にも教わらず、洗脳されず、本能のままにゴッフォーンの目的達成のみを思想とした生まれつきの王。

自らの事を『善も悪も関係なく、ただ運命線から降ってきた命令を脳で読み取り遂行するこの世で最も優れた目的達成の手段』と称しており、自分を含めた世界の全てに一切の情愛を抱かない



【カース・アーツ】は【複合型】の【弯曲十字の聖歌隊<バッドコントロール・クルセイド>】

【渡り】の経験があり、アトランティス王のアトランティス人以外は奴隷という邪悪な思想を媒体としている。


ビジョンは弯曲十字。

契約者のいる位置から自由なタイミングで召喚可能。

大きさ、召喚する高さは契約者が自由に定める事が出来る。

カースアーツを視認したあらゆる生物(呪いの力を持つ者は除く)を洗脳し

自由に操縦する事が出来る。

カースアーツ自身も意志を持っており、『邪神』として契約者に

語り掛ける事が有る。


また、【悪魔】ビフロンスと契約している。

ビフロンスは一回限定で、対象の体と契約者の体を入れ替えることができる。


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