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ディープ・デッド・フィラー  作者: とくめいきぼう
第五章 ロスト・マイ・ハート&キャッチ・マイ・ドリーム
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第50話 黒百合の詩に漆黒の太陽を重ねて②

 レンガ・ウーマンのレンガとシルバーのレンガが火花を散らしながらぶつかり合う。


「あの5人の中で一番弱いのがあの娘で、一番強いのが貴方と言うのは

 一目で分かっていたのよ。それにしても、貴方の考えていることは手に取るようにわかる。

 策を考えないタイプ―――冷静さを持たない女。フフ―――確かに、その通りかもね。」


 パワー勝負だ。この私と、レンガ・ウーマンのどちらが

 相手のレンガを押しこめるかのパワー勝負。

 奴の恐怖するレンガ同士のぶつかり合いであったためか、デパートで見た【ドラゴニック・エンゲージ】をも超える圧倒的腕力は感じなかった。

 互角だ――――互角のパワーの押し合い。


「嗚呼、早く見たいわ、貴方がレンガを後頭部に受け、絶望の表情をしながら死に落ちていくその姿を!!!貴方は死ぬまでに何文字の絶望の言葉を吐いてくれるのかしら!?」

「答えは0文字だッ!!」


 シルバー弾き飛ばされる!!


 当然だ、増呪酒でパワーを増強していたとはいえ、奴の頭に攻撃を叩きこむため、私は空中にいたからな…。

 地上戦闘を主にする大地の横綱と空中戦闘を主にする天空の横綱が同じパワーで押しあえば、地面を踏ん張れる大地の横綱が必ず勝つという有名な法則があるが、私もその法則の通り、弾き飛ばされた。


挿絵(By みてみん)


 私が吹っ飛ばされたのを確認して、すかさず、レンガ・ウーマンが走り出す!!

辺りに落ちた死体を踏みつぶしながら――――走り出す!!!!!!

 そう、死体を踏み潰しているのだッ!!!


「ストーン・トラベル!!!!!」

「なっ―――――」

 

 辺りにある死体は、まだ死んでから大した時間は経っていない。それに、レンガ・ウーマンは、主に頭を破壊していた。

 故にアイツが踏みつけた死体は勢いよく内臓と血液を吹き出し、アイツの脚に纏わりついている!!私はそれを『石化』するッ!!!


 『石化』した死体の肉片がに脚が纏わりつきレンガ・ウーマンのSPDがダウンする!!

 そしてシルバー銃を構える!!!


「銃弾のダメージなど受けないだろうけど、これならどう…!」


 ワン!!ツー!!スリー!!フォー!!

 4発の銃弾が――――地面に炸裂し、跳弾する!!!

 跳弾した弾丸がレンガ・ウーマンの左手に持っていたレンガに炸裂し、レンガ・ウーマンの左わき腹目掛け吹き飛ぶ!!!


 そして、焼けるように爆裂するッ!!!


「NUゥ!!!!」


 レンガ・ウーマンが怯んだ隙にシルバーが再度レンガを構えながらダッシュするッ!

 しかし―――――――――――瞬時――――レンガ・ウーマンが跳び上がるッ!!


 バッ!!!!

「こういうのはどうかしら?」


 空中にいるレンガ・ウーマンが右手のレンガを振り上げる。


「――――!?」

「【イリーゼ・フィアー・ブリック・オブ・ゴォォォォォッッッデス<女神の煉瓦>】ッッッ!!!!」


ヒュッ-――――――――――――――――――――


シュバ―――――――――――――――――――――――――――――




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「クッ――――――――――――――――――――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 天空から音速で地上に放たれた"それ"はまさに隕石ともいえる衝撃だった。

 直撃はまのがれたが……ショックウェーブと砕け散ったレンガの散弾がこの私の体を襲うッッ!!!


「これが15年後期から18世紀前半にかけてイギリスで製造されていた【完全頁岩性建築用焼成煉瓦クリムゾン】!私を殺したレンガよ~!!」


「おおおおおおおおおおおおおお!!!」


 肩、脇腹に重傷を負ったが、シルバーは何とか立ち上がる。

 予想はしていない攻撃だったが――――自分の体内の液体を一瞬『石化』する事で最悪の事態だけはまのがれた。

 そして――――空を舞うレンガ・ウーマンを仰ぐ。


「チッ………竜の翼を生やして滑空―――【ドラゴニック・エンゲージ】の力をコピーしたとエクスは言っていたが――――」


 レンガ・ウーマンが滑空しながら再度レンガを右手に出現させ右腕を大きく振りかぶる。

 そして―――――レンガが赤い雷を帯びる。


 次の攻撃は――――必中だ。私の回避が追いつかないスピードで撃ってくるだろう。予想は出来る、故に、対応も可能。


 私はビルの隙間に入り込み、奴との直線状に壁を作る。そして、防御する。


レンガ・ウーマンがレンガを投げた。


「【イリーゼ・フィアー・ブリック・オブ・ゴッデス・

  セカンンンンンンンンンンンンンンンンンド<第二射>】ッッッ!!!!」


 シュバオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ―――――――――――ッッッッン!!!!!!!!!!!!!!


 まさに核爆弾の如きレンガが第一射の数倍の威力、数倍のスピードで投射された。

 そして、シルバーとレンガ・ウーマンを遮っていたビルの壁を、容易に貫いた。


「【ストーン・トラベル・オルターナティヴ】ッ!!!」

 

 オルターナティヴ、それは、自らの体内の液体を『石化』させ、防御力を上げる禁忌の防御技。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!!!!

 あえて受けるッ!!!この防御力なら、奴の煉瓦の威力をある程度抑え、受け流す事が可能ッ!!!!

 ダメージは、かなりあるがなぁああああああああああ!!!!!!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!!!!!!


 衝撃が、終わる。

 そして、シルバーが立ち上がり、走り出す。


(奴はこれで、いったんこの私を見失ったわ――――ならば今こそが!!)


 壁を駆けあがり、ビルの中に侵入そして、空飛ぶレンガ・ウーマンの目掛け飛び上がるッ!!


 そして、向かってレンガを振り下ろす!!!!!


「フフ、そう来たのね。でもWellcome Hellよ。なぜならレンガを振るスピードは、私の方が速いのだから。」


 シュバッ―――――――

 レンガウーマンが右手に赤いイナズマを帯びさせながらレンガを構える。


「いや、邪道だッ!!!アンタを倒すのは王道では無く邪道ッ!!!」


 シルバーが振りかぶったレンガをレンガ・ウーマン目掛けて投げるッ!!


「スピードが遅い!」


 しかしあっさりとそれは避けられる。

 だが―――――

(今だ―――――――――)


 避けた先に、再度もう一つのレンガを投擲する。


 先ほどレンガ・ウーマンが二度目に投げたレンガを、拾ったのだ。

 壊れないように受け流していたのだ!!


 レンガ・ウーマンは咄嗟に左腕で頭を防御する。


 バッボッッ!!!


 左腕が燃え尽き千切れ落ちた………


「チッ………」

「クッ――――――――!!!頭に当たらなかった……思ったよりスピードが成長している……!!!」

「如何したのかしら~?まさか今ので終わりって訳じゃないでしょうね?じゃあ、次は私のターンよ。」


レンガ・ウーマンの右手が赤いイナズマで染まる―――――


「【イリーゼ・フィアー・ブリック・オブ・ゴッデス・

  サァァァァァァァァァァーーーーーーッッッド<第三射>】ッッッ!!!!」


 ヒュー―――――――――――――――

 シュバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!



「まさかここでこれを使う事になるとはッ……」


 シルバーがポケットから何かを投げて、レンガにぶつける。

 その何かはレンガを真っ二つに切り裂き―――――そのままレンガ・ウーマンの右腕を切り裂いたッッッ!!!!


 エクス・クロスの極薄トランプだ!!


「――――こッ…これはッ!?あの伊達男の――――――馬鹿な………これは対策済みであったはず…なぜ…?」

「ハァハァ……効いてくれたか」


 【装備型カース・アーツ】にはとある共通の特徴がある。

 それは、契約者の死後も、能力が与えた影響が残り続けるという事。

 実際、ロンカロンカに異空間に捕えた人間や動物たちは、二度と外の世界の光を見る事も無く、全員異空間内で餓死した。


 レンガ・ウーマンに生えていた【ドラゴニック・エンゲージ】の翼が消える。


「時間切れね。でも―――」


(なるほど、コピー能力を使うのには間が必要なのか。)


 ドッゴッッ!!!!!!!

 レンガ・ウーマンがシルバーを蹴り飛ばす!!!


「ぐあああああああああ!!!!!!!!」


 先は、コンクリートッッ!!!

 しかし―――落下地点付近に転がっていた死体が動きだし、シルバー落下のクッションとなった!!!!!!


「ハッ……カッ…ハッ………気持ち悪いが…」


 睦月の使役する『蟻』が死体を引っ張ったのだ。


 レンガ・ウーマンがシルバーの前方40m先にふわっと着地する。


「どうした銀の怪盗。さっきの攻撃で左腕の骨が折れて

 動かないようね。さぁ、倒すべき探偵はここで、貴方はそこよ。

 僅かな希望に縋って生者の道を選ぶか、それとも絶望に堕ちて死者の道を選ぶか。」


「――――アンタの推理は殺戮だ。ならばだまってレンガを振り続けていればいい。

 来いよ来い。私たちの推理に言葉は必要ない。黙って殺しあおうじゃない。」


 パンッパンッパンッパンッパンッ

 レンガウーマンが拍手をする。


Vaaaaaaaa―――――――――――――――――


「フフフ、それでこそ生者だ。殺し甲斐がある。

 ならば私も――――本器の殺戮というモノを始めよう。」


「なに―――――?」


「死の百合を―――――」


 レンガ・ウーマンが、腕をクロスさせ、ドス黒いオーラを放つ。

 すると辺りの死体が一斉に震え、音を立て始めた!!


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