第42話 四天刃・斬将トパーズ・ダイヤ
レンガ・ウーマンの登場だァァァーーーー!!
レンガ・ウーマンが辺りを歩く人々をレンガで殴殺、鏖殺している!!!
「叫ぶなニーズ…奴はまだ我らに気づいていない―――」
エクサタとニーズエルが二手に分かれる。
ニーズエルは近くに見たコンビニのの屋上――――
バリィイン!!!
エクサタはその対面にあるビルの2階窓ガラスを割って中へ!!
瞬間!!
ガラスの割れる音に反応したレンガ・ウーマンが
エクサタが入ったビルを凝視する!!
「建物内の人間には洗脳がいきわたっていないようだから――――
今窓からあのビルに入った奴はカースアーツ使いね。となると【D・D・F】を持っている可能性大だわ。」
考察を終えたレンガウーマンの両手に新しいレンガが出現する。しかし―――――
『ミンナ上を見ろォォーーーーーーーーーーーーー!!!上に飛んでるアレをオオオオオオオオオオオ!!!!』
突如セクンダー・グランの声!!20人ほどの洗脳兵がレンガウーマンに飛びかかる!!
「邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!!!!」
だが飛びかかる前に。
「邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!!!!」
強烈なレンガラッシュ!!!!
「邪魔ァァァああああああああ!!!!」
洗脳兵は全員レンガで頭を破壊され死んだ!!!
今の岐阜は3勢力の思惑が争う地獄の戦場!!
こういう事もある!怪盗を無視した殺し合いもあって当然なのだ!
そしてレンガ・ウーマン第二の動き!辺りにはまだ人が残っているが、彼女はそれを無視し、エクサタの割った窓に向かってジャンプする。
そしてマズい中にIN………
「アイツ、周りの人間を無視して、エクサタ君の所に!まさか、【カース・アーツ使い】を優先的に狙っているの…!?エ……エクサタ君……!!!」
暫くするとビルの3Fの窓が開く。
……エクサタだ、エクサタがビルから脱出したのだ。そして地面を一度叩き、衝撃を保存した光を出現させそれを爆発させてニーズエルのいる場所にまで跳躍を行う。
時を暫くして、ビルの窓に血が飛び散る。
レンガ・ウーマンがビル内の人間を皆殺しにしているのだ!
しかし、ニーズエルとエクサタは何とか助かった!
「エクスさんの仇とはいえ、今【D・D・F】を持ってないあの女と戦うメリットは少ない。今はアイツとの戦いはなるべく避け、先に進みたいけど…。」
ニーズエルがくんくんと臭いをかぐ。
(―――さっきから匂いの先を辿って移動しているけど、あの弯曲十字の真下に、徐々に近づいているような……まさか、ね…)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――AM12:10 岐阜宝石博物館屋上
百賭が屋上で髪をなびかせ佇む……
「――………グレトジャンニが作戦に失敗したとなってはこれ以上ここにとどまる必要もあるまい………」
百賭が場を動こうとする。
しかし屋上の端から、セクンダーの洗脳兵たちが這い上がってくる。
「フン、屋上まで這い上がってくるか…熱心な事だ……」
しかし…音はそれだけは無い…!!
ンキュップィイィィィ―――――ッッン!!!!
ドンゴン!!!
ンキュップィイィィィ―――――ッッン!!!!
ドンゴン!!!
ンキュップィイィィィ―――――ッッン!!!!
ドンゴン!!!
これも依頼人セクンダー・グランの攻撃!
博物館の壁に大量の車が突撃している!!!
「成程、車の階段を作って、登れるようにしていたのか。そんなに俺を殺したいか?」
『フフフ――――』
百賭の周りを洗脳兵が囲む。その数、50人ほど。
百賭がカモンカモンのポーズをとる……
ただの洗脳兵では、自分を殺すことなど到底不可能と知っての余裕!
しかし瞬間――――
ザクッ!!!!!!!!!!!!!!!
「―――――――!!!」
百賭何背中から何かで薄く斬りつけられる!!!!!
カマキリだ!!!黄色に輝くカマキリの細腕だッ!!!!
「クフォオオオオオオオオオン」
カマキリの王道のような鳴き声。
『【トパーズ・ダイヤ】、急所は外してしまったネェ……』
「―――やはり洗脳兵の中に…【カース・アーツ使い】。」
百賭はそのまま振り向き、背中を斬ったカマキリアームを掴もうとしたが、その方向には洗脳された普通の人間しかいない。
「セクンダーの協力者。正体は虫に変身できる【自己強化特化型カース・アーツ】。」
『協力者とは悪い言い方だな…彼は腹心だよ。このボク、【新・アトランティスの皇帝】の腹心にして最大の切り札!!!
新アトランティス【四天刃<フォース・ソード>】が一人、トパーズ・ダイヤ!!(カマキリ)』
「…四天刃、聞くに残四人の手下か。
(だがあの無線から察するにそのうちの1人、いや2人は弯曲十字真下でゴールドの護衛をしている………)」
百賭は、ヘリ部隊を襲ったカジキのモンスターも【四天刃<フォース・ソード>】の【カース・アーツ使い】の仕業と考える。
セクンダーの洗脳兵に潜み攻撃を行う陰湿な4人の【カース・アーツ使い】。
それはシンプルに厄介にして、強力な連携。
『君程の実力者なら、この周辺の50人ほどの洗脳兵士を片づけるのはたやすいだろうが―――――
その中に『三羅偵』並みの【凄腕のカースアーツ使い】が紛れ込んでいるとしたら…恐ろしい…恐ろしいねえ!?』
「………」
百賭目をつぶる……
『【弯曲十字の聖歌隊<バッドコントロール・クルセイド>】!!!!』
ゴールドの合図と同時に屋上にいる洗脳兵全員がクラウチングスタートの体制になる。
空には操られた鳥たちが集結する!!!
湾曲十字は陸と地。すべての生命を従えている!!
だが、百賭は依然溶融の表情…
「――――――――ゴールド、かつて貴様は自分の持つ弯曲十字の能力が、
この俺に対する『皮肉』と言ったな。全ての人間に崇められようとしているこの俺に対する皮肉だとな…
フン!ハッキリ言ってやろう。それはうぬの思い上がりだ。
良いか、本当に他人の正義を認め、その正義の為に生きる人間というのは、あまりにも強く、輝かしく、美しく、そして深い…
貴様の操るゾンビのような兵士など、足元にも及ばん…
私は正義の為に『意志』で命を捧げられる『正義の騎士』こそが、精神の完成系だと思っている。
魂の彫刻芸術…『全ての人間はああなるべきなのだ』。
嗚呼、ならば我が目的は民の為――万人を其れに導く絶対正義を作り上げ、提示する―――!
全ての人間を最高の形にするためだけに……
故に、オレはうぬの能力が許せんッ!貴様の能力は、ゴミだッ!
人をゴミにしているだけだぜ………だから………」
『ゴミという言葉は、5秒後の自分の姿を見て放つんだナァァァ―――!』
全ての洗脳兵が一斉に走り出し百賭に襲い掛かる!!!
その中にはカマキリのカースアーツ使いが紛れている!!
上空からは鳥たちが急降下してくる!!!!
百賭にもう逃げ場はない!!!!
だが同時に、百賭は両腕をクロスさせ、【カース・アーツ】を具現化する…………
「死ぬがいい!!
我が【カース・アーツ】の能力の真価は、まさしく人を正しく導く力を兼ね備えていると――――!
【ディテクティブ………マスター】ッッ!!!!」
百賭の上方に円盤が出現する!!!!!!瞬間!!!!辺り一帯の景色が銀色に変化する!!!!!
氷だ!!!辺り一帯が凍結している!!!!!鳥も、洗脳兵も―――――
ただ、一人百賭を除いてはッッ―――――――!!!
『な―――――――――――』
「これが、【ディテクティブ・マスター】………。」
[【File54】――――――――自らの周りに能力で冷気を放出する東結金次郎。]
【アイアム・ワースト・オーバー】で辺り一帯を銀世界にしている記録――――
百賭がその時間を記録したファイルを再生した。
「しかし残念だ、これでは口が凍ってしまって我が能力のグルメレポートを聞く事も出来ない。
おっと、これは金次郎の能力だがな。」
百賭の後ろには、記録された時間で生きていた東結金次郎が立っている。
『が―――ガがあばばば――――』
洗脳兵たちが、セクンダーの命令で何かを喋ろうとしているようだが、あまりの冷気に口を開ける事もままならないようだ。
だが、全員が同じ状態になっている中、一人だけ違う動き、違う表情をしている男がいる。
「サ―――サム―――つめッ……」
その男は、190㎝程の長身だが、腕と足がごく細い。黒目が無く、髪と耳が隠れる黄色の帽子、そして黄色いスーツを着用していた。
百賭が、洗脳兵をかき分け、その男に近づいていく。
「感情のない群衆の中に、一人だけ妙に寒がっている奴がいるな……バレバレだ――――…」
その男こそ、ゴールドの腹心、『四天刃』が一人、【カース・アーツ使い】。トパーズ・ダイヤ……
「【ポーン・オブ・ヘルインセクト】ッッ!!!」
それは虫化の【自己強化特化型カース・アーツ】―――
トパーズ・ダイヤの頭部がカブトムシ、腕がカマキリの腕、
脚がバッタの後ろ足の形状にトランス(変身)していくッ!!
全身黄色だ!!そして力を持って、氷の呪縛を破り逃れるッ!!
「探偵王!!新アトランティス四天刃"斬将"の名にかけ、その首――――斬り落としてやらあーーーーーーーーー!!!」
「既にディテクティブ・マスターは記録した時は再生し始めている。貴様の立っているその場所、その位置は――――――」
トパーズ・ダイヤの首元に、斧が出現する。
「ア――――――――――――」
シュンバ!!!!!!そして斧はそのままトパーズ・ダイヤの首を切断する。
ガランガラン!!!カブトムシの頭部が人間の形に戻り、地面を転がる。
「【File32】―――円盤前方で斧を全力で振る大男の、『攻撃範囲内』だ。」
セクンダーがそのあっけなさに驚く。
((―――――ナッ………
斧、剣、銃、いずれにも言える事だけど…武器を振るのには『構え』がいる。
その構えは…もちろん『カース・アーツ』にも…しかし御前の『時』を記録し、再生する能力は………
構えが終わり、武器を振っている途中――武器を振るスピードが最大限の時から時間を再生できる為―――
一切の予備動作が無い。隙も無い。
この能力、強い……!!学習したぞ―――トパーズ如きではこいつの相手は役不足だったね。))
百賭の背中の傷からは、もう血は流れていない。
「ククク…さて、そろそろ、こいつらの一時的な凍結も解除される。」
洗脳兵たちの凍結が解除されていく……そして洗脳兵たちが再度百賭に向かって動き出す……
「どうした、洗脳兵にさっきのような勢いがないぞ?
フフ――――どうやらこの迷いのある動きからして他の四天刃とやらはまだここに来ていないようだな。」
『どうやらこのボクを怒らせたいようだね……どうなっても知らないよ?』
「愚問だな、人殺しで後悔を得たことなど……ない!」
百賭が【ディテクティブ・マスター】発動の構えをとる。
「百賭ああああああああああああ!!!!!」
「――――!!!この声!?」
百賭の背後から声が響く―――――その声の発生源、
先ほど首を切り落とされた、トパーズ・ダイヤの頭部だ!!!
そして百賭がその頭部に気を引きつけられた瞬間――――
「切り離された頭だけで喋っている………ならば………ならこいつのボディは何処………」
百賭けの背後に――――――――――トパーズダイヤの体部分が出現する。
奴の腕はカマキリ、奴の脚はバッタだ。
「―――――この気配……」
そして背後から腕の鎌を振り下ろす!!!!!
しかし百賭バク転!!間一髪で攻撃を回避する!!!!
「…………ほう……」
「避けられたかッ………」
『ダイヤ…もしやと思っていたがまだ生きていたか。』
ゴールドの洗脳兵の一人がトパーズ・ダイヤの頭を持ち上げる。
「ゴールド様……ここは一旦お退きください。私達は奴らの罠にはまり我々は兵を失いすぎしました…今は兵を温存するときです…」
『キミはどうするんだい…?』
「ハハハッ…俺の命はもう長く持ちません……奴と死合い、出来るだけの時を稼ぎます。この全身全霊すべてを、【新アトランティス】建国の礎に!!」
『流石だ――――それでこそ僕の忠臣だよ!!』
ゴールドの洗脳兵たちが屋上から退きはじめる……屋上に立つのは、百賭と頭の無いトパーズの二人のみ。
「――――………虫の中には、体をバラバラにしてやっても、直ぐには死なないような種もいると聞いたことがある。
例えばゴキブリなんかは、体と頭の二つに脳があるので首と胴を切り離しただけでは死なないとか…。」
「ケッ、ゴキブリっつーと汚らしい存在とは思ってたんだがよ………アイツらの生命力には今マジに敬意を払っているよ。」
百賭が表情を緩ませフッっと笑う。
そしてトパーズ・ダイヤに向かい拍手をする。
「―――……その心…お前は美しい人間だ!あのゴールドの尖兵にしておくのは惜しい逸材だ!!私の部下になっていれば、重宝されたものを!」
トパーズ・ダイヤが鎌を百賭に向ける。
「百賭、さっきお前…この俺の前であのお方の事をクズだといったな…ゆるさねーぜ…
あの人は俺を育て、俺と一緒にずっと生きていた………
だから、否定されたからには、燃えなくちゃならねえ!立ち向かわなくちゃいけねえ!!!」
「『正義の騎士』………お前は間違いなく………正義の騎士………美しい!!美しさこそ正義!!」
「改めて名乗ろう!!俺は【斬将】トパーズ・ダイヤ!!!!!
ゴールド様に仕える新アトランティス四天刃のひとり!!
オラぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
いくぜェーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
瞬間、彼の頭部が彼の体の足に踏みつぶされ、スイカのように爆裂する!!!
頭部を自分で破壊する!これぞ気合!!
(百賭――――――――テメーのいる位置を知るのに……目も耳も鼻もいらねェ……気配だけだ!!気配だけでてめえの位置を捉えてやる!!!)
トパーズ・ダイヤ百賭に飛びかかり鎌を振り下ろす。
そのスピードにはさすがの探偵王も汗を流す。
「フッフ……視覚も聴覚も恐怖も捨て、スピードを上げてきたか!いいぞ!!来いよ!!屋上美しさバトル開幕ののろし!!!『ディテクティブ・マスター』!!!」
眼前にグレトジャンニが現れ、前方に【マイティー・ウォール】を貼る!!!
続いて、後ろ走り!!屋上から地上に飛び降りる!!
トパーズ・ダイヤもそれを追いかけ、地上に落下。
そして――――――すぐそばにいた百賭を斬りつけ、その身を縦に真っ二つにした。
(手ごたえあり―――――――――!?)
真っ二つになった百賭の体が溶け、霧のように消える―――――
そう、彼が鎌で切刻んだ百賭は【デティクティブ・マスター】が再生した『過去の百賭』だった。
瞬間、横方向から銃撃されるトパーズ・ダイヤ!!!!
トパーズ・ダイヤが銃撃者の方向を見ると、
そこにはアサルトライフルAK-69を構えたリクルートスーツの男数人と百賭が立っていた……
「最初は十数秒程度の時間の記録しか記録できん力だったが………
我が絶対正義の志が強まるたびにドンドン時間は伸びていき―――
今では『55秒程記録』できる。」
ドガガガガガガガガガ!!!!銃撃はさらに強まり、トパーズ・ダイヤの体を圧倒的に破壊していく。
しかしトパーズ・ダイヤは怯まない――――!!!
腕が砕けようと、脚が潰れようと、百賭に向かって一歩一歩と踏みしめ距離を狭めていく!!!
「そしてまだまだ成長は止まらない――――今年中には記録時間1分を超越するつもりでいる。」
2.5m――――1.8m――――1.1m――――0.5m――――――――!!!
鎌の攻撃が届く距離だ!!腕を振り下ろせば百賭を殺せる!!
だが百賭は笑っている。
胸に両手を添え、静かに笑っている。
トパーズ・ダイヤが、腕を振り上げる…………―――
(終わりだ―――――!!)
「すでに『記録』している。」
瞬時、百賭の周りに立っていたリクルートスーツの男たちが
霧のように消える。
そして――――――――ドッス!!!!
鈍い音が走ったと同時にトパーズ・ダイヤの体が海老剃りになった!
そして、胸に穴が開き、血が流れ始める。
気が付くと、腕を振り上げた彼の背後には、彼と瓜二つの外見をした
虫の化物が立っていた。
そしてその虫の化物のカマキリの腕のような形状をした右腕は、
彼の胸を真っ直ぐ貫いていた。
(な―――――俺の腕が、俺の体を――――)
何が起こったのか、何故こうなったのか、トパーズ・ダイヤは考える。
そして、一つの答えにたどり着いた、
先の屋上での戦いでの自分の攻撃の動きを記録され、
自分の背後から再生されたのだ――――――――と。
胸部の脳を失ったトパーズ・ダイヤが………
人間の体に戻りながら、仰向けになって痙攣し、やがて動きを止める…。
そして百賭がボロボロのダイヤに近寄り、その身体を抱き寄せた――――。
「勇気あるものに、聖剣と祝福を。」
新アトランティス帝国『四天刃』
斬将トパーズ・ダイヤ―――――――――――――死亡。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆その他人物名鑑◆ #1
トパーズ・ダイヤ
人種――――――アトランティス人
二つ名―――――斬将
年齢――――――23歳
身長――――――190cm
所属――――――新アトランティス帝国
新アトランティス帝国四天刃の1人。
頭は悪いが情に熱く、勇敢な性格で、忠義が強い。
【カース・アーツ】は【ポーン・オブ・ヘルインセクト】
体の特定の部分を契約者の知っている昆虫に変形させることが出来る。
自己強化特化型としては珍しく、契約の副作用は寿命の低下しかない。




