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ディープ・デッド・フィラー  作者: とくめいきぼう
第三章 動かぬ探偵と心の崩れ逝く先
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第29話 アタシの体温はマイナス一億度②

・銀の怪盗シーフ・シルバー

 カース・アーツ―――【ストーン・トラベル<石の旅>】

 『能力』――――――契約者の視界内、または契約者が触れた液体を自由に『石化』できること。


・食人怪盗ニーズエル

 カース・アーツ―――【魔龍の契約<ドラゴニック・エンゲージ>】

 『能力』――――――竜人に変身できる。弾丸程度ならいともたやすく弾く防御力とヘリを素手で粉々にできる攻撃力を持つ。


・怪盗エクス・クロス

 カース・アーツ―――【P・N・G<ピーエヌジー>】

 『能力』――――――銀色の爪を左手に具現化できる。爪に触れたものは硬度を保ったまま、極限まで『薄くなる』。

 

・動かぬ探偵 東結金次郎

 カース・アーツ―――【アタシの体温はマイナス一億度<アイアム・ワースト・オーバー>】

 『能力』――――――空気を凍らせる能力。(詳細不明)

 竜化して空を飛び様子を探るニーズエル。


 地上には美しく立つ雌東結金次郎。


 車の中に潜むシルバーとエクス。


「雌に化けてた…!?――――ムキムキの男が女に化けてんです…!?無理がありますよ……!!」

「ちょっと違うかしら♪私ちゃんは女が男に化けていたんだわ~♪」

「やめてください!そのふざけた口調!調子狂う!!」


 ニーズエルが――――息を大きく吸う……そして、息を吐くとと同時に、東結に向かい口から火を噴いた!!!!


「貴方のドランゴ能力、火炎放射も出来るんだあ☆キャッピィィー!!!この熱、ゾクゾクするわ…でも――――『炎』が『氷』に勝てる訳ないじゃない。」


 フゥッ……!!!

「マーッッッ!!!!!!❤」

 東結が息を吐き出すと同時に、火炎放射に向かって氷のツタが伸びる!!!

 氷のツタはニーズエルの炎を一瞬で掻き消し、握りつぶすようにニーズエルの半身を掴んでいった。


「ぎゃ、ぎゃあ!!なッ……なんてパワー!…鉄すら溶かし尽くす私のブレスをッ…氷を自在に操る能力ッ――――こいつ、無敵かッ!?それに―――さっきヘリで対峙した時より凍るスピードがヤバい!」


「ブレスは所詮は竜化能力のおまけってわけね。」


 東結が探偵用オートマチックピストル『M1911カスタム』を構え、ニーズエルの脚に向けるが…


「『自己強化特化型』…これは通じないかしら?そこでおだまりありなさい!後で遊んであげるから(はぁと)」

 現時点でもニーズエルを無力化したと判断し、走る!!


「あっ!!あいつ、エクスさんとシルバーのところに!!」


 火炎放射!!ニーズエルが口から火炎を放射し、氷を解かす――――しかし。


「く……溶けるスピードが遅すぎる…何℃!?」


 ガタン!!車の中から血まみれのシルバーとエクスが出てくる!!!

 シルバーはリボルバーを取り出している!!

 エクスはポケットからPNGで平面化された銃を取り出す!

 そして能力による平面化を解除!!


 二人は同時に銃を構え――――「「アタック!!」」同時に銃弾を撃ちこむ――――!!!

 しかし銃弾は東結の力で凍結して止まってしまう!!


 そしてその次、エクスは左手の指で挟んでいた5枚の『トランプ』を――――

 上方向に向かって投げる!!!


 投げた先には……『電線』ッ!!!


「剣というモノは鋭ければ鋭いほど―――『切れ味』を増す……そうであるほどに斬る対象の抵抗が無くなるからな…

 そしてこの私の【PNG】は―――物質の硬度を保ったまま、物質を最大限にまで薄くする能力ッ!!その薄さは分子や原子のサイズを圧倒的に下回るほど!!」


 【PNG】で極限まで薄くなった『トランプ』が電線を切断する!!

 電線が垂れ下がり、その先が東結の頭上に垂れ下がるッ!!

 だがしかし……


「――――なぜ温度が下がると、水が氷と化してしまうのか♪それは超低温の中では全ての物質が運動をやめてしまうからよ♪流水は止まって固体になるからよ♪」


 東結が一呼吸する。止まった―――垂れ下がる電線が一瞬のうちに凍り、動きが停止した!!


「【アタシの体温はマイナス一億度<アイアム・ワースト・オーバー>】♪」

「な――――やばい、コイツの能力、かなりやばいぞッ……!!」


 東結が歩きながら偽乳を揉む……


「こいつ自身も相当やばいッ!!変態だ!!こんな奴に負けたら、末代までの恥だぞおおおおおおおおおおお!!!」

「安心なさい!!私に負けた怪盗は200人以上いるわ!!」

「末代までの恥そんなにいんの!?!?!??!?!?!?!?」


 トコン……トコン……


「失礼よ!!【アタシの体温はマイナス一億度<アイアム・ワースト・オーバー>】!!!」


 東結の体から、謎のキラキラが放出される!!冷気だッ!!冷気を射出しているッ!!!


「ぐわああああああああああああこ………この冷気ッ!!寒いわ!!」

「うふーふ!!!-10度!!-20度!!-30度!!どこまで下がるかしら!!私は…寒いと敏感になるタイプ!」

「そのカミングアウトいる!?」


 エクスとシルバーを強力な冷気が襲うッ!!!!湿っていた唇や目の膜、鼻の穴が一瞬のうちに凍結し。がもだえ苦しむッ……


「クソッ……口の中から出てくる空気さえも、凍り始めているッ……このままではヤバいな……指さえも動かなくなってきたわッ…!!」

「これが『三羅偵』ッ………!!!!東方金次郎!!!」


 ドトン!!!シルバーが車の中から石を取りだし、前方向に投げるッ―――そしてリボルバーを再度構え、その石を撃ち抜くッ!!!


「――――んっ?」

 すると――――石が爆発し周りに炎が飛び散ったッ!!


「その石は事前に石化させたガソリンだッ!!」

「あら!」


 飛び散った炎を確認した女装男子が冷気攻撃を止め、後ずさりする。シルバーとエクスが炎に包まれ、凍結の状態異常が解除される。

 かまくらに入った男女のように…


「エクス……いいかしら。奴の【カース・アーツ】は無敵ではないわ。」

「いや、俺ではもう勝てそうにない…奴の見た目にもな…」

「諦めんじゃないわよ!!!!いい、奴の【カース・アーツ】のタイプは私の【ストーン・トラベル】と同じ【条件攻撃型】よ!!」

「―――!!!」


 【条件攻撃型】…特定条件をトリガーに攻撃を開始する、特殊な【カース・アーツ】。


「【条件攻撃型】なら…その攻撃にはルールがある!!攻撃のトリガーがある!!私たちはそれを見破らなくてはならない!!」

「奴の攻撃の条件…!?」


 エクスが東結を観察する。それはオカマだった。


「奴はオカマになってから強くなった…まさかオカマになる事が条件……!?」

「あの、真面目にやりなさいよ…」


 そんなことしてたら東結が消火を終え、歩いてきた…


「――――怪盗シルバーちゃん…頭がキレるわね。流石、ロンカロンカを倒しただけはあるわ。一筋縄ではいかない…でも……」


――――トコントコン

東結がシルバーたちに近づく。


「成程…その怯え、その絶望の目、ロンカロンカに勝ちながらにして、ロンカロンカに呪われたというのね。そして奴に奪われたものの幻肢痛に未だに囚われているわよ。」


「―――――――――――ッッ!!東結―――!その見た目でロンカロンカの名前を出すな!!」

「図星ね!!その隙がこの私の勝利を生むわ。それと見た目は関係ないでしょ!!マーッッッ!!!!!!」


 東結が一喝すると同時に、氷のツタがシルバーたちに向かって再度伸び始めたッ!!


「エクス、走りなさい、まず奴の条件の一つ…」


 二人が逃げ東結に背中を見せて逃げる、それを東結と氷のツタが追う!!


「奴の氷は奴の付近より出現する!リーチを保て!!まずは半径10m以上だ!!その距離なら攻撃を受ける心配はないッ!!走るわよッ!!!」

「く…だがこちらからはまだ攻撃ができない!!」

「…そうね…チッ…建物が全部しまっている…」


 今は午前6時。焦点は全部閉店。室内戦は不可能


「建物の中に入ろうにも、何処も閉まっているんじゃないかしら。さあ!!氷のツタは貴方達を囲んだわよ!もう逃げ場はないわ!ハァッ!」

「なっ!!」


 東結が一呼吸する。すると、氷のツタのスピードが急速に上がった!!二人は攻撃よりもう逃げられない!!


「こ、このままでは二人とも―!!!」


 ドンゴン!!!エクスがシルバーに突き飛ばされる!

 そしてシルバーが氷のツタに捕らわれる!!


「ッ……!!なっ!!シルバー――!!!」

「エ……エクス……!!奴の攻撃は…呼吸のように、強くなる時と弱くなる時がある…!!

「なっ……」

「奴の…奴の攻撃……奴の攻撃の条件は……!」


「あおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


 東結が急に叫び、ボッケから長柄のナイフを二つ!刃同士を合わせ、黒板を1ヶ月斬っていない手の爪で引っ掻いたような音を出す!能力のネタバレを音のひるみで防ぐ!!!!


「う、うるせーーーーーーーーーー!!くそみたいなことしてんじゃねーぞーーーーーーーーーー!!」

「あおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


 ぐがっ!!

 エクスが一呼吸する。シルバーが氷のツタに締め付けられ、動けなくなる。


「私の勝ちよ……」

「えぇ……」


 それを見ていたニーズエルとエクスはドン引きした…


「私もね、負けるわけにはいかないのよ…何がなんでもね…!フフ…アハハハハハッ!!!!」


「…」

(シルバー。

 ―――今のお前さんは希望へと向かうと同時に絶望にも向かっている。全てが終わった後、自分の存在すらも終わらせようとしている。

 ………私はそんな事は絶対に認めぬぞ。世界を救う事にアレだけ必死になっている少女が―――

 世界を救った後に地獄に落ちるなどそんな展開はC級映画染みたラストなど

 …誰が認めても、私は断じて認めない。そういう性格なんでね!

 絶対に救ってやるぞ。それが私の今の戦う理由だ…)


 氷のツタがエクスをおそう!


(条件……奴の【カース・アーツ】の攻撃条件は!!)

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