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ディープ・デッド・フィラー  作者: とくめいきぼう
第三章 動かぬ探偵と心の崩れ逝く先
27/75

第27話 俺の体温は-273.15度<アイアム・アブソリュート・ゼロ>

[シルバーとニーズエルの対決から二日後―――明け方―――岐阜ホテル前]


 BLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL!!黒い車がエンジン音鳴らす!!


 黒い車の運転席に、エクス…

「いよいよ明日が、博物館襲撃決行の日……。今日はその偵察だ…二人共、準備は良いな。」


 後部座席に、ニーズエルとシルバーが座っている。

「そうね…岐阜博物館には【D・D・F】が二つ配置されている。情報屋イノックによれば【D・D・F】は全部で5つらしいから、今回の作戦が成功すれば…私は半数以上の【D・D・F】をその手中に収めることとなる!」

「シルバーはさ~【D・D・F】でどんな願いを叶えるんです~?」

「そんなものはない。私の一族の目的は【D・D・F】を消すことのみよ。」

「もったいなくないです~?」


 そして車のそばには何か言いたそうにしてる睦月、そして依然無言のエクサタ。

 睦月がもじもじとしながらエクスに話しかける。

「あ、あの…私とエクサタ君は、どうすれば。」

「君たちは待機だな、二人共、まだ少し【呪増酒】の副作用が取れ切っていないようだからな。」

「わかりました…お気を付けて。」


 無言のエクサタも一礼する。すると、車のウィンドウからニーズエルが顔を出し、ディープキスをした。

「にっひっひ~行ってきますのキスですよ~エクサタ君~」


 睦月は紅潮した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――

車が走り出して5分。


「走り出して5分が経過した。ニーズエル、尾行車はいないな?」

「依然いないですよ~。」

「そうか、しっかり確認しておけよ。……ネオ岐阜市まで、あと10分だ。」


 ニーズエルがチェアを倒して横向きに寝始める。

 視覚ではなく【ドラゴニック・エンゲージ】による竜化で感覚能力を挙げての偵察なので、寝転んでも大丈夫なのだ。

 やる気がなさそうに見えるので、シルバーはため息をつくが。


「た~~ッ!偵察は気が乗らないな~エクサタ君とイチャイチャしたいのに~」

「ラブラブ怪盗なの?アンタら。」

「そうですよ~裸で一緒に食事して、裸で一緒にお風呂入って、裸で一緒に寝るの。あーあ…ずっと気持ちよかったらいいのに…」

「なるほど、エクスがあえて一人部屋を選ぶわけだ。」


 エクスが苦笑する。『ラブラブカップルと同行する独身の中年男』、その字面だけで彼の気まずさは伝わるだろう。


「大丈夫…大丈夫だ…私は世界各地に12人の彼女がいたからな…でもシルバー君、君が私と結婚してくれたら、私も胃に穴を開けなくて済むかもな。はっはっはっは!」

「お、おう…がんばれよ。」


 シルバーが地図を広げる。


「なるほど、この辺の地理は大体わかってきた。この辺りには液体を『石化』する【ストーン・トラベル】の真価を発揮するために使えそうな小さな湖や水タンク、川が結構あるわ。これを感覚で覚えておかないと…」

「2日後の決戦は『雨』が降る日に合わせている。そうするとお前の能力は無敵だな。」

「だといいけどね…」


 しかし…そんな時にドンゴン!!(重圧)

 車の前方向に直径10mほどの巨大な氷塊が落ちてきた!!!


「なッッッッッ!!」


 ンキュップィイィィィ―――――ッッン!!!!


 エクスが車のブレーキのペダルを踏み、猛烈なドリフトをかまし氷を回避する!!!


「氷の塊で爆撃する…こんなことする奴は探偵しかいない!!シルバー、ニーズエル!!敵は、敵は何処にいるんだ!左や背後、前方には見えない!!!」

「上だわ/上です!!」


 ニーズエルとシルバーが同時に言葉を発した直後、エクスはある音を耳に入れ、顔を青ざめさせる。


パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ


「この上方向から聞こえる風を切る音……まさか――――」


パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ

パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ

パパパパパパパパパパパパパパパパパパパぺパパパパパパパパパパパパパパパ

パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ


 シルバーが窓ガラスを開けるボタンで窓ガラスを開け、上方を確認する!!

 そこにあったのは…プロペラで飛ぶ鉄の棺桶…


「【ヘリコプター】だっ!!奴らヘリコで追ってきがった!!」


 探偵協会の所有する水上ヘリコプター・カスタム!そしてヘリの脚の部分に片腕で捕まる男がいた!!


 その男は……外見は40代ぐらいのファッションセンスがカスのオッサン――――其れ以上に的確な例えが無い。

 黒いキャスケットを被り、「Welcome to this crasy Time」と書かれた黒いTシャツを着ている。


「チッ……!!ついにおでましね……!!」


 『三羅偵』動かぬ探偵・東結 金次郎<とうけつ きんじろう>!!


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 シルバーがリボルバーから6発の弾丸を発射!!だが!!!!!!!

 瞬時、金次郎が車のハンドルを切るように腕を高速で上下に動かし始めた!!!


「オーーーーロロロロロオロロロロオロ……おゥゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 氷の壁が出現し、銃弾を空中で静止させる!!!

「なっ!!まだあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

「アチョオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」

 シルバー再度6発の弾丸を打つ!!!

 しかしまた氷の壁!!!6発の弾丸!!氷の壁!!!

「アチョオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

「アチョオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」


 弾丸が…ほぼ尽きた……


「こいつ…探偵として強いわ!!!」

「ケケッ…ようやく動いたなシルバーちゃんよ。そしてどうやらエクスクロス達を仲間に付けたようだな。だが博物館までは辿りつく事はできねぇぜぇぇぇーーー!!絶対になああああああああ!」


東結が片手をエクスたちの乗る車の方に向け、パーの形にする。

すると、目の前に、氷の大塊が生成される。直径10mといったところか。エクスの車如き、一瞬で粉々にする!!!


「これが俺ちゃんのカース・アーツ。【カース・アーツ】。【俺の体温は-273.15度<アイアム・アブソリュート・ゼロ>】。凍てつくしてやるぜ…セイッ!!!」

 

「うおおおおおおおおおおお!!やばい!!ヤバすぎるデカさ!!!シルバー君、君の【ストーン・トラベル】で何とか出来ないかああああああああ。」

「残念だけどおおおおお!!私のカース・アーツは、固体となった水分を石化することは出来ないよおおおおお!!!車を乗り捨てるわよおおおおおおおお!!!」

「それが最善か!!よし!!!ニーズエル!!!シルバー!!!行くぞ!!……!?ニーズエルは!?」

 

 ガン!その時、全員の上空から大きな金属音がした。

 ヘリから少女の声が聞こえる。


「あははッ…!!探偵の肉ってのは、遠慮なく食えるし、呪いの力が宿っていて良い味がするんだよね」

「なんだ?誰だ!?」


ニーズエルだ!ニーズエルがヘリの上に立っている!!!


「ニーズエル・E・C・アルカンシエルだな……?」

「三羅偵って、どんな味がするんだろうなァァァ!?【ドラゴニック・エンゲージ】!翼を生やしてヘリのメインローターの上まで、飛んできた!!」


 ニーズエルが全身を竜化させる!


「なんだよありゃあ、まるでドラゴンじゃねェか……?ツイッターに上げたらバズるぜ~?」

「あはは、その減らず口、すぐに叩けなくしてあげますよ。」


 ニーズエルが東結に向けて腕を伸ばす…


「やめろ!!そのままプロペラに腕を切断されるのがオチだぜェェーーー!!」


 ガン!!


「!?」


 回転するヘリのメインローターが竜化ニーズエルの腕に当たるが、切断はされなかった。

 それどころか、ヘリのメインローターの回転が止まっているではないかッ!!


「なっ…馬鹿な、すんげえパワーだッ……!!!」


 そのままニーズエルはヘリのプロペラを引きちぎり片腕に持ってヘリコプターを串刺しにする!!


「どわああああああああああああああああああああ!!!!やべっ!!!!!なんて奴だあああああああああああああ!!!!」


 東結とヘリが落ちていく!!!そして、ニーズエルはそのままプロペラを持ちながら黒い車の上に着地する!


「さ、策もクソもあったもんじゃないな。」


「策?戦法?ハハハッ…勝敗を決めるの圧倒的なパワーと相場が決まっています。」


「あの男は死んだのかね?」


「いや、あの程度で死ぬ三羅偵ではない。見ろニーズ、自分の左足を。」


「ッ……まだ凍っているな……」


「奴が死んだならその凍結も解除される筈…」


「奴はまだ生きているって事ね…」


―――――――――――――――――――――――――――――――――

壊れたヘリの残骸付近。


 東結は爆発から機内のパイロットを救出し、お姫様抱っこしている。

 彼はパイロットを静かに歩道の陰に下ろし、静かにこう言った。


「フ……フフ…困ったな…このヘリ、高かったのに、ボロボロだ……やはり、俺ちゃんは…男では駄目だ…あの姿にならないと……」


「【女】に………なるか………」


 ポケットから化粧グッズを取りだし、自分の顔を整え、神をオールバックにする。

 そして、服を脱ぐ。服の下には、肩出しのエナメルの黒い服…そして、傷口から噴出する自分の血を……唇と、目のくまに、塗る。

 その姿―――まさに、男にして女だった。


「ウフフ、この姿、久しぶり♪これが私の本当の姿♪」


 そう、これこそが、東結金次郎の真の姿。男に生まれながらにして、女以上に、女。


「倒すわよ♪この姿なら、限界だって越えられちゃう❤」


 東結の全身が白いオーラを発する!!!カースアーツが活性化している!!!


――――――――――――――――――――――――――――つづく。

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