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ディープ・デッド・フィラー  作者: とくめいきぼう
第一章 黒い宝石と怪盗の日常
1/75

第1話 願いをかなえる宝石

 原始の時代。

 嵐の脅威を避けることを願った人々は嵐から身を守る知恵を身に着けた。


 服のない時代。

 猛獣を倒すことを願った人々は獣を狩る術を獲得した。


 今から3500年前(紀元前1500年)―――――

 アトランティス大陸を支配していたアトランティス王は、願いを叶える石【D・D・F<ディープ・デッド・フィラー>】を所有した初めての人間だった。


【王は願う】


 全てを統べる軍力を。

 大いなる土地と無限の愛人を。


 究極の美貌を。

 誰よりも素晴らしい暮らしを。

 持病の治療を。


【王は願う】


 破滅を。

 人の死を。

 動物の絶滅を。


 【D・D・F<ディープ・デッド・フィラー>】は全ての願いを叶える。

 平等に。区別なく。


 無敵の王は願いによって今ここに誕生した。

 だが王は死んだ。

 王がが唯一心を許す【親友】の願いによって。


 その友とは彼自身が生み出した最強の魔女

 【クロイツェン・ママゴンネード】である。


 身長120㎝、体重55㎏。

 瞳は黒曜石の如く輝き、髪色は嵐のように禍々しい!そして()だった。

 その裸がまた、美しかった。


「【深き闇を再接続する――――繋げ】」


 魔女クロイツェンは【D・D・F】に謁見し、契約する。


「深き死の記録よ。私が願うものを言ってみろ。」


「我が望みは力!!何物をも超越する力!お願いしますよ…」


 突如、クロイツェンを包んだのは金色の光線だった。


 ヂォン!!ブオ!!おぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!

 クロイツェンが()()する。


「これだ……これだこれだこれだ!!これだ………!!!

 これだああああああああ!!!!!!

 俺様はついに手に入れたぞ!!!!!!!

 究極のパワーを!!!!!!!!!!!

 まず手始めに【アトランティス大陸】!

 【ムー大陸】!【レムリア大陸】を沈めてくれよう!!!」


 願いが人を救い、人を繁栄させ

 人を滅ぼし、絶望と死を作った


――――――――――――――――――


「以上が、3500年前に実在していた、

 封印を解きし人間の望みをかなえる暗黒の願望器

 【D・D・F<ディープ・デッド・フィラー>】

 それに関する記録、その一部である。」

挿絵(By みてみん)

 と言いながら、【D・D・F】にまつわる記録を残した本を閉じるのは【情報屋】の少女だった。

 2010年。伝説の時代からは、千年王国が3度続いても今の時代には追い付かない。

 【D・D・F】のことも一般的には知られておらず、現代ではこの石のことを【古代人の妄想の産物】とする見方が大きい。


「私は、信じるよ。」

 そう言葉を返したのは、褐色肌の少女だった。

 身長150㎝、髪は銀髪ショートで、瞳もシルバー、そして肌の色は神聖なる褐色であった。免許証には【プレイマー・グラン】という名が書かれている。


 【情報屋】はキョトンとした顔をした後、笑いながら…

「純粋な好奇心で聞きたいんだけど、君はこの宝石を手に入れて何を願うんだい?

 金か?力?それとも永遠の命とか……」

「私の願いは【D・D・F】の『消滅』よ。この【D・D・F】の記録はマジ。

 突拍子もないような事が書かれているが、マジなんだ。

 私の中に流れる血が、マジだと、あの宝石の悲劇を阻止せよと言っている。」

「人の願いの行き着く先は人の願いの淘汰か…面白い。」 

 彼女は上から目線で感想を述べながら安物のビール缶を開けた。

「願いこそが世界を変える『エナジー』であり、『ベクトル』である。

 世の中には宇宙の始まりもビッグバン以前の存在が願ったから生まれたという人もいる。宗教家とかな。」

 世界地図を開いた。日本・新潟県の地理が記されている。


 彼女の話によれば【D・D・F】はあの警戒レベル86の危険地、『新潟宝石博物館地下12階』に保管されたという話だ。

挿絵(By みてみん)

 難易度は高い。これを攻略できるのは、よほどの【怪盗】だろう。

 だが、【情報屋】と相対していた褐色肌の女は笑っている。


 なぜなら彼女は、【伝説の怪盗】………


「だが、乗り気じゃないってわけじゃない。

 …面白いじゃないか、私の怪盗としての血も燃えてきた…

 沸騰して来たよ……

 さっそく盗みの挑戦状を書かせていただこう…」


 シーフ・シルバーであったからだ………!!!!!

 この物語は願いを叶える宝石【D・D・F<ディープ・デッド・フィラー>】。

 そしてそれを巡って戦う、怪盗、探偵、世界のトップたちの闘いの記録である………


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