コロナ 死の詩
コロナを知らないほうが良かった
知らないうちに死んでいきたかった
どこかでたくさん死んでいるところ
ぜんぜん大丈夫なところ
いつもの自然災害と同じ
みんな普通の病気として死んでいった
愛されていても死んでいった
うとまれていても死んでいった
もう寿命だといった
あたりまえの最後
健康になりたいと体をいたわり
他人に迷惑をかけずにいたのに
あしたには死んでいることは
だれにでもあること
だれも知らせない
死んだことは気づかない
知っているのは残されたひとだけ
私はこれから死ぬことは
だれでも知っている
知らないのは自分だけ
だって眠っているだけなんだから
眠らせてください