7章 思惑
半年ほど前、私は病気を患った。
医者が言うには、ほとんどの確率で死に至るらしい。治療法も確立されていないこの病気を患った私に家族は冷たかった。両親はこの事が原因で離婚、私はお父さんについていった。お父さんはこんな私にも優しかった。そのお陰で傷心してた私はすぐに立ち直れた。先のない私はやりたい事を一つずつやっていった。
そんなある日、同じクラスの男子に告白された。もちろん私も普通の女子であったため彼氏という存在に憧れがあった。しかし、先のない私に付き合わせることはできない。最悪な役をやらせてしまうのは辛い。そんな思いから付き合うことはなかった。
そんな生活を続けている途中に見つけた。
いや、見つけてしまったんだ。あなたという存在を。
浅田祐也は少しズレてる人だった。
まるで他人に関心がない、何事にも楽しみを感じてる様子はなく命の終わりが見えてる私からしたら長く余ってる命を持ってるにも関わらず活用しようとしない浅田くんにちょっとした怒りがあった。しかし、そんな彼を目で追ってる内にふと思った。それならいっその事彼を最悪な役にしてやろう。利用してやるんだ。だが浅田くんは今までされた告白は全て断っている。断られないようにタイミングを計らなきゃいけない、そんな事を思ってる時に先生と浅田くんの会話が聞こえてきた。そこですぐに浅田くんにアプローチしたら翌日デートに誘われ、私達は恋人同士になった。