20話 校外学習とその後3
俺たちは東京のとあるショッピングモールの前へと来ていた。さすが東京なだけあってとてもでかい。
「やっぱり都会は違うなぁ……」
思わず漏れてしまった独り言に西園寺さんがすかさず反応する。
「そう!ここに無いものはないってくらいここのショッピングモールはすごく充実してるの!」
と、目をキラキラさせながら言う西園寺さん。まるでヒーローが好きな子供がヒーローショーにやってきたようなはしゃぎようだ。
「じゃあ、早速行こう!」
そう言ってショッピングモールの入っていく西園寺さん。俺はその姿を見失わないようにそのあとを追った。
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「ちっ、陰キャごときが西園寺と歩きやがって」
「何故陰キャを庇ったかは分からんが。俺たちに歯向かったらどうなるか教えてやるよ。西園寺……ククク」
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俺はショッピングモールにあるエスカレーターを使い、2階にある服屋へと来ていた。あぁ、女子が好きそうなところだ。というか、こうやって女子とふたりきりで買い物に付き合う。しかも服屋。完全にラブコメ展開じゃねえか!まさかあれか?ラブコメのように西園寺さんが俺に恋に落ちてこっから甘い甘い……んなわけないか。
こんなこと考えてる俺って小説の読みすぎだよなぁ…
割と、かなり、とてつもなくいらない情報だが俺は小説を見る方だ。
はい、おしまい。
俺が変なことを考えてる時、西園寺さんは必死に服を選んでいた。
「なんで、服買いに来たんだ?」
服を選びながら西園寺さんは答える。
「この頃上の私服がきつくなってきてね。それで親にせっかく東京に行くんだから服買いに行きなさいってお金渡されたから」
ふーん。上の服か…
俺はまじまじと胸を見る。
──でかいな……
「って何見てるのよ!」
「いや、もしかして上がきつくなったのって胸が大きくなってきたからかなって」
「な、何変なこと言ってんの!日暮君!」
胸を隠しながら言う西園寺さん。
「何見てるのよって聞かれたからその問いに答えただけですが」
「……エッチ」
赤くなりながらその言葉を言う西園寺さんに俺は不覚にもドキリとしてしまった。
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