17話 校外学習9
「よし!じゃあ、お土産買うか!」
柚葉がラーメンを食べるのに時間がかかってしまったが大丈夫だろうか?
俺はスマホを開き時間を見る。画面には12:20という文字。
「雷門周辺のところでお土産買うって言うのでいいか?」
3人が同意の意を示す。
ってことはここから雷門までで10分程だから12時半くらいには着くだろう。そして雷門から集合場所まで10分くらいで…集合時間は2時か。1時間20分くらいお土産買う時間があるか。
早速俺たちは雷門へと向かった。
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予想通りの12時半到着。早速雷門周辺のお土産さんを見て回る。とは言っても大体浅草行って買うお土産ってほぼほぼ決まってるんだけどな。
ってな訳で俺達は定番中の定番のバリッとした食感が売りの雷おこしと対比的なフワッとした食感が売りの人形焼を買った。
…空の分と家族の分、全員買ったな。よし!
「集合時間まで暇になっちゃったね〜」
沙織が雷門の前で言う。
─ちょんちょん。
ん?
「どうした?柚葉?」
肩を控えめに指先でちょんちょんと続いてきた主は柚葉だった。
「みんなで写真撮ろっ!」
「そうだな。折角来たんだし撮るか」
俺達は写真を撮ってくれそうな優しそうな人を探す。
─キョロキョロ
お?あの人とか良さそう。
「すみませーん!ちょっと写真撮ってもらってもいいですか?」
優しそうな見た目をした20代くらいの女性の方に声をかける。
「良いですよ〜」
ニコッと笑って快く応じてくれた。
「「ありがとうございます!」」
みんなで礼を言い、俺はスマホを渡す。
そして雷門の前へと移動する。うーん、人が写らないようにするには…ちょっと下から撮ってもらおう。
「あの、すみません。ちょっと下から撮ってもらってもいいですか?なるべく人が写らないようにして欲しいんですけど」
「あ、分かりました」
女性の方は少し近づいてしゃがみ下からカメラを向ける。
「えっと〜もう少し一人一人くっついて貰えるとありがたいです」
女性の方から指示が出る。今の俺たちの配置はカメラの方から見て1番左が沙織、2番目が西園寺さん、そして3番目が俺、1番右は柚葉という順になっている。やはり女子と体をくっつけ合うのは抵抗があるので少し間隔を空けていたのだがどうやら入り切らないらしい。
「ごめん、西園寺さん、ちょっと体くっつけるよ?」
「うん…」
俺はできる限り彼女と体をくっつけ合う。肘と肘が当たる瞬間西園寺さんの体がビクンと跳ねたがそれ以降はなんなく進んだ。
「じゃあ、柚葉もこっちに」
「はいっ」
チョコチョコと俺の隣に来る。
「もう少し」
そして俺の肘と柚葉の肘がくっ付き合う。
「あ、いいですね〜!じゃあ、撮りますよ!」
俺はできる限りのキメ顔を作る。
「3!2!1!」
カシャッとスマホのシャッター音がなる。
「じゃあ、今度はピースサイン下さい!」
女性の方はとてもノリノリだった。
ピースを作る。
「3!2!1!」
カシャッ!
「終わりで〜す!」
そしてカメラが返される。
「「ありがとうございます!」」
みんなでもう一度礼を言う。
「いえいえー」
そう言って女性の方は帰っていった。
「どんな感じに写ってる?」
沙織が聞いてくる。
俺は写真と言うアイコンを開きみんなに見せる。
「「おー!」」
みんなから歓声が上がる。
それもそのはず。とてもよく撮れていた。
後ろで聳え立つ存在感のある雷門。そして誰1人として顔に影が無く、いつもより生き生きとした表情で写真に写っていた。
…もしかしたらプロだったのかもしれない。
そう思えるような出来映えだった。
「じゃあ、後でRINEに送っといて──ってまだ登録してないやんけ!」
沙織がキレのいいボケツッコミをしていた。
まあ、そんなことよりもそう言えばまだRINEに登録はしていなかった。
「じゃあ、する?」
「「しよ!」」
「じゃあ、フリフリしようぜ」
そうやって俺達は人前で急にスマホを振り出すという不審者らしき行動をした。
そしてみんなのアイコンが表示される。全員を友達登録する。
「じゃ、これでいつでも話せるね!じゃあ、日暮っち後でその写真送ってね〜」
「おう!」
そして開いたスマホで時間も確認する。お?1時40分か。ちょうどいいな。
「じゃ、集合場所に行くか」
そうして俺達は集合場所へと向かった。
こんなにも拙い文章なのに読んでくださって本当にありがとうございます!小説情報見た時にポイントが増えてて凄く嬉しいです!ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!