13話 校外学習5
俺は今満員電車に乗っている。
……ああ、そうだよ!友達がいないから1人で浅草まで行こうとしてるんだよ!悪いか!
ところどころ同じ高校の制服が見て取れる。その中で女子達がこちらを見てちらちらと伺っている。
……はあ、やっぱり眼鏡とらなきゃよかったなぁ。
俺は家を出る前に空に
「うーん、さっぱりしたのにその眼鏡じゃ台無しだよ。それ付けるなんてきのこの山の足を取るに等しい行為だよ。髪切ったのに意味ないじゃん!」
なーんてことを言われたもんだから、俺は中学校の時に使ってたコンタクトがまだ何個か箱の中に残っていたのでそれを付けてきた。
その結果超目立っている。その会話の内容は聞き取れないが
「あいつ、何いきってんだよ。キモ。」なんてことを言われてるであろうことは安易に想像できる。
「はぁぁ……」
俺はこの満員電車に乗ってることと今から浅草に行ってクラスにこの姿を見られて何かと言われるんだろうなぁという憂鬱さに周囲に迷惑がかからない程度のため息をついた。
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浅草駅に着いて俺は早速浅草演芸ホールへと向かい10分前くらいに着いた。すると生徒たちはどうやら既に浅草演芸ホールの中へと入ってるようで先生達が外で出欠を取っていた。
俺はクラスの先生のところへと向かい来たことを報告する。
「今着きました」
「はーい。って、ごめん誰?」
もはや先生にすら忘れられていた。
「日暮 匠です」
そう言うと、先生は目をまんまるく開けて
「えぇ!か、髪切ったんだね。全く気付かなかった。ごめんなさい。かっこよくなったじゃん!はい、出欠はOKです。浅草演芸ホールが始まるまで中でグループの人と座って待っててくださいね。C組はここに座ってるから」
そう言って先生は紙を見せてここねとC組と書かれている座席をボールペンで指した。
「はい」
俺はその場所を確認し中へと入る。ホールの中はガヤガヤとしていた。俺はすぐに班のリーダーである西園寺さんを探した。数秒した後にその姿を確認し、西園寺さんの隣の通路側の席が一つだけ空いていたのでそこに座った。
「おはよう、西園寺さん」
沙織と話してた西園寺さんに声をかけた。
「日暮君、おは…えぇ!日暮君!?」
こっちを見た西園寺さんはいつもの冷静さを失いとても驚いていた。後ろの2人もとても驚いていた。
「やっぱり変だよな」
「いや、むしろ逆だよ日暮っち」
沙織がフォローしてくれた。優しい。
「え、ええ。そうよ。なんかいつもと違いすぎてびっくりしちゃったけどすごくいいと思うよ」
西園寺さんも便乗してくれた。優しい。
コクコク
柚葉も必死に頭を上下させている。可愛い。
西園寺さんと話していたからか、周りから注目を浴びていたことに今更気づいた。
「え、え?あれ日暮?やばば!」
「え?ちょっとかっこよくない?」
「え?なんであんなかっこいいのにわざわざ隠してたんだろ?」
色々とヒソヒソと話していてこちらには聞こえないがまあ、罵っているんだろうなぁ…
校外学習どうなんだろ?
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