10話 校外学習2
教室に入り、時間割を見る。LHRは最後の7時間目か。
いや、マジでグループ決めやっちゃうの?
え、やめよ?そんなことしたって大してメリットないよ?ソロはソロ、グループはグループ、個々の自由でいいんじゃない?
ここ、夜空高校は何の変哲もない公立高校で、45分授業を7時間やる。木曜日は小テストというものがあるので6時間だが。
クラスは全部で7クラス、アルファベット順でAからG組まである。A組は理数科。それ以外は全部普通科である。ちなみに俺はC組だ。
1つのクラスで大体40人ほどいる。
まぁ、愚痴愚痴言っててもどうせなんもねぇか。
俺はそう割り切って授業に集中することにした。
そして──
「はい、じゃあ、グループ決めを行います」
地獄のLHRが始まった。
「班は4人組で10班作ってください。男子だけ女子だけ、もしくは男女混合でもいいです。メンバーの割り振りは各々に任せます。では一緒になりたい人と組んで下さい」
出たよ。一緒になりたい人と組んでください。
中学校の頃は苦じゃなかったけど、この言葉ほど辛いものはないって言ってた暗い子の気持ちが今になってわかったわ。
もちろん俺にはそんな人はいないので、自分の席に待機していた。だが、自分だけ座っていて先生に怒られても癪なので取り敢えず探しているふうにしてみた。
はぁ、やっぱり居ないな。というか、みんな俺を避けている感がある。まあ、そりゃそうだ。
着々と班が決まっていき残り少なくなってきたところで声をかけられた。
驚いて後ろを振り返ると、
「私達の班来る?」
そこには俺の事を心配してくれて声を掛けてきてくれた女神こと西園寺 諒花がいた。
「今、私達のところ女子3人いるんだけどそれでも良ければ入る?」
「全然いいよ。というか、そっちこそいいの?」
「うん。他の女子は彼氏と一緒にとかでもういなくなっちゃったから」
まあ、要するに仕方なく俺になったってことだ。
俺は後ろの2人に目をやる。1人は短めの髪型で明るそうな印象だった。もう1人は西園寺さんよりも少しだけ短い髪型でこちらは対称的におっとりとしたイメージを受けた。
「これからよろしくねー!日暮っち」
「日暮っち?!」
「駄目?」
「いや別にだめではないけど…いきなりでびっくりしただけ」
「じゃあ、いいじゃん!私は東條 沙織。気軽に沙織って呼んでね!」
「ああ。沙織これからよろしく」
そして、もう1人の方を見る。すると女の子は気まずそうに目を逸らした。
「ほーら、早く柚葉も自己紹介しちゃいなよ!」
「う、うん」
そしてこちらを伺うようにチラッチラッと見て、
「えっと…私、姫島 柚葉って言います。日暮さんよろしくお願いします。」
「柚葉よろしく」
「──っ!」
すると、柚葉は俯いてしまった。
あ、やべ!沙織とのノリのまま名前呼びしちゃった!
「ご、ごめん。もしかして名前呼び嫌だった?じゃあ直すよ」
「大丈夫大丈夫!異性の人から名前呼びされるの慣れてないだけだから」
その問いに答えたのは柚葉ではなく沙織だった。
俺は本当か?と視線を柚葉に向けるとコクンコクンと俯きながら頷いた。
「ところでなんで俺を入れてくれたんだ?」
いい噂なんて無い俺なのに。
「私達もハブられた人達なんだ」
「と、言いますと?」
「日暮君が殴ったE組の花田 剛君いるじゃない?」
「うん」
へぇ、あいつ、そう言う名前なんだ。初耳だ。
「それでその人と仲がいいC組の山田 泰司君がC組の皆に”おい、あいつには一生話しかけんじゃねえぞ”って脅迫して回ったの」
「そんなことが」
「それで私達は先入観で決めちゃダメだよって反論して今の状況」
ははぁん。なるほど。大体事情は分かった。
それにしても
「ごめんな。俺なんかのためにそんな自分のクラス内での立ち位置が悪くなっちゃって」
「あ、勘違いしないでー。日暮っちの為とかじゃないから。ただ単に私達はあの人たちのやり方が気に食わなかったから反論しただけだから」
「強いんだな」
だが──
柚葉にそんなことが出来たのか?
イメージがつかない。
あの2人なら分かる。反論してても。関わりは少ないが今のやり取りの中でも結構ちゃんと喋りの中に入ってくる人達だ。
しかし柚葉が反論するところは──想像できない。
「あー、私達仲がいいから柚葉は私たちについてきただけ」
「心を勝手に読むな」
びっくりしたわ。まあ、なんにせよ。
「ありがとう」
「いきなりそんなこと言われると照れるな」
「これから宜しく」
「よろしくね〜日暮っち」
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