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最終話 再びあの街で

あれから一ヶ月が過ぎた。

といっても一ヶ月前の出来事を知っているのは地球上では僕だけだろうし、僕の生活は何も変わっていなかった。


あのとき買おうと思っていたゲームは、無くなった携帯を新たに買うための出費で買えず。

まぁ発売後にボロクソに批評されていたので今後も買う気はないけれど…


僕がこの一ヶ月でした変わったことといえば失った友人達のメアドと電話番号を集めたくらいで、彼女との出会いや宇宙人達との出来事は誰にも言ってないし言うつもりも無い。


あの日から二週間ほど経ったある日、彼女の一家失踪事件が報じられたときには、少しだけ真実を伝えたいという気持ちになったけど、『宇宙人が一家を殺しました』と言ったところで誰も信じないだろうしすぐに考えるのを止めた。


相変わらず僕には彼女がおらず…

今日も銀行でおろしたばかりのバイト代をサイフに詰め込み、一ヶ月ぶりにあの街へ来ていた。


そういえばこの場所か、一ヶ月前この場所で、僕は突然彼女に腕を掴まれた。


当然だが、今日は僕を止めるものはいない、あんな体験二度と無いだろう。


僕は、ゲームショップへ向け歩き出した。


だが、店の目前で誰かに襟首を掴まれ、そのまま裏路地に連れ込まれた。


まぁそれが変なサングラスをかけたヤベさんだったから何も言わずについていったのだけど。


「痛いなぁ、何しに来たんですか?」

「まさか、僕の記憶を消しに来たとか?それとも、また何かやったんですか?」


想定外の宇宙人の訪問に驚いた反面、久しぶりの普通じゃない出来事に期待もあった。


だが、サングラスを外したヤベさんは、


「あのなぁ、ドッグフードってわかるか?」


今度は何をしに来たのかと思えば、ドッグフード…ってまさか、

「もしかしてあの犬、宇宙に連れてったんじゃ」


「ああ、そしたらさジョンの奴、ドッグフードが食いたいっていうから、っは、来ちゃった」

 

笑いながらそんな事言われても…


「とりあえず、金あるか?」


「ありますけど、あんた超能力があるじゃないですか…自分で何とかなるでしょう」


「だめだめ、地球でそんなの使っちゃ」


一ヶ月前は私欲のためだけに使っていた気がするけど…



そんな事を言っている内に、僕の右手はポケットから財布を取り出し、


ハイ!ヤベさんって…


「あんた、力使ったでしょう」


「何だよいいじゃねえか、研究費ってことで」

そう言って財布を広げたヤベさんは通りを指差した。


そこには彼女が立っていた。


「人間の構造って案外単純だな」

お札をすべて抜き取ったヤベさんは、財布を僕に返すと手を挙げ去っていった。


僕は彼女に近づき声をかける、

「どうして…」


「よくわかんないけど、あの人が私だけじゃなくて家族全員生き返らせてくれたの」

彼女は明るい笑顔で答えた。


もう2度と見ることはないと思っていたその顔を見た僕は咄嗟に彼女に抱きついていた。


「抱きついて良いって言ってないけど…」


と彼女は言ったがそのまま僕の胸に顔を埋めた。


しばらく何も言葉が出てこなかった。


「知ってる?一家失踪事件になってるんだよ」


突然出てきた言葉がこんなことで自分でも馬鹿だと思った。


「そう…まぁそれはなんとかなるでしょ、それよりね、あの人がお詫びにって、地球でまだ開発されていない技術を私に教えてくれたの、これを発表すれば、一生遊んで暮らせるって」


「僕に分け前は?」


「あげない」


「そりゃないだろ」


「欲しかったら、一生私を飽きさせないで」


それってつまり…



 完



まずはこんな作品を読んで頂きありがとうございます。


ラストは想定外のラブ話になってしまいました。

初の連載でして最初の頃の人物描写の無さや、あまりの拙い文章の数々に絶望しながらも何とか書き終えました。

書いてみて少しは成長したと勝手に思ってますが、

まだまだ酷いですね。

う〜ん頑張ります;;


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