Prologue
追い付いた話をつらつらと書いただけですので誤字、脱字はお許しください!
「おめでとう!君死んじゃったね!」
突然、目の前の女からそう告げられた。
これに対する僕の答えは
「は?」
である。いや、正確には意図的にこの言葉を出そうとしたわけじゃなかった。とっさに喉から出た音が呆けたような言葉になってしまっただけだった。
「いやぁ、死んじゃってすぐで悪いんだけどさ。転生か純化、どっちか選んでもらっていい?」
「・・・ぇ、は、い?」
「だ~か~ら~、転生か純化どっちか選んで!」
突然何を言い出すんだこの女は。僕はさっきまで本屋で立ち読みをしていたはずだ。そして目の前のショーウィンドウにトラックが迫ってきて・・・・え?
「僕・・・・もしかして死んだ・・・・のか・・・・?」
喉から掠れた声が出る。
「さっき言ったじゃん。君死んじゃったよって」
先程から目の前にいる女が間髪入れずに答える。というかここはどこだ!?
見渡す限り辺りは白白白白。立っているのか立っていないのか混乱しそうになる。なんだこの気持ちの悪い空間は!
早くここからだしt「混乱してるとこ悪いけどとりあえずこっち見てくんないかな」
誰かの手で両の頬を挟まれ顔が固定されて、先程の女の顔が視界一杯に広がった。
「こ、ここは・・・」
「ここ?死後の魂を導くための場所だよ」
「こんなに気持ち悪い場所が・・・?」
「お?久々にそんなこと言う人見たよ~」
そう言ってズイッと顔をさらに近づけてくる女に焦る僕。見知らぬ人間に至近距離に近づかれて焦らない人間がいるものかよ。それより・・・
「あ、貴女は誰なんですか」
「私はこの部屋の管理人だね」
「管理人?」
「おっと、君はすぐにこことは関係なくなるから別に知っても意味はないよ。ところで転生か純化どっちにするか決めた?」
会話の流れをぶった切り話題を転換する管理者とやら。それよりも、さきほどからこの女の言っている『純化』っていうのは何のことなんだ。『転生』はわかるけど、何『純化』って。聞いてみるしかないのかな。
「じ、純化って何ですか」
僕がそう言った瞬間とてつもない孤独感に苛まれる。そして次第に体が熱くなり身が引き伸ばされる感覚に耐え切れなくなり、絶叫した。
が、声が出ることはなくそのまま僕の身体は引きちぎられた。
引きちぎられた方の身体の激痛も止まることはなく、そのまま僕の身体は千切る潰す焼かれたりと、そのたびに僕は痛みに意味のない声を上げる。
これが永遠に続くのかと思考が絶望に染まりかけた瞬間、もといた場所に管理人に頬を挟まれた状態に戻ってきた。
正直、泣きそうになっていると、管理人が口を開く。
「今みたいなのが後五年くらい続くかな」
「・・・・え?ご、五年?」
「うん。因みに今のは三十秒ほどだったから」
「ぅ、嘘だろ・・・」
「嘘じゃないってば。常人ならここまでひどい痛みじゃない筈なんだけどねぇ」
「え?」
「君って何一つ善行とかやってこなかったでしょ?そのせいで君の魂に癌みたいなのが溜まっちゃってね?そのせいで純化にここまでの痛みが伴うんだよー。まぁ人殺しとかならもっとひどいかもね~」
「冗談だろ・・・・」
「で、どっちか決まった?まだかかりそうならこっちで勝手に選んじゃうよ~?」
冗談じゃない!こんな苦しいことがあるなんてふざけるんじゃない!僕は転生を選ぶぞ。
「て、転生だ!」
「おっけー転生ねー。あ、因みに天寿を全うせずに死んじゃったりとか、人殺しちゃったら強制的に『純化』行きだから頑張ってねぇ~」
「はぁ!?そんなの聞いてな」
「バイバーイ。良い人生を~」
その言葉を最後に、僕の意識は急速に薄れていった。