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イケメンに声かけられた

前後編くらいのつもりです。

後半は後日。


「あの、すみません」


トントンと背中を叩かれたので振り返ると、思わず、うわっ、イケメン。と言ってしまうようなとてつもないイケメンがいた。

イケメンは驚いた顔になった。

どうやらイケメンと思ったことが声に出てしまっていたらしい。


「いや、あのすみません、その、あまりにもイケメンだったのでつい……」


とりあえず弁明をしてみるがなんのフォローにもならなかった。アホか、私。


「あ、いやいいんですよ……ちょっと驚いただけです、褒めていただいてありがとうございます。それよりこれ、落としましたよ」


さすがイケメン、対応までイケメンだ。

差し出されたのは私がリュックにつけていたお気に入りのキャラクターストラップだった。


「えっ!あっ!落ちてました!?うわ、危なかったーありがとうございます!!」


「……いえ、良かったです」


青年は少し下を向いていて、視線は噛み合わなかった。あとから聞くと、どうやらストラップを見ていたらしい。


「わざわざ拾っていただけるなんて、お兄さん顔だけじゃなくて中身までイケメンなんですね!ちなみに、お名前はなんて言うんですか?」


「コウです」


「うわー名前までイケメンだ!かっこいい名前ですね、字はどんな風に書くんですか?」


「皐月のさって言ったら伝わりますかね…?あの上が白に……」

「わかります!下に十字と横棒二本ですよね!私も名前に同じ字あるんです!というか私の名前はまさにその皐月なんです!男の人で皐の字ある人初めて会いました!」

「おおーなんか奇遇ですね」

「ほんとに!あ、奇遇ついでに、メールアドレスとかって教えてもらえないですかね……?」


ダメでもともとでぶっ込んで聞いてみた。折角イケメンと交流が持てるチャンス。完全に勢いだ。というか、勢いがあれば冗談として受け取ることも出来るだろうと思ったのもある。溜めて言ったところで下心が丸見えになるだけだ。


「ああ、いいですよ」


少し驚いた様子だったがなんの迷いもなく笑顔で承諾してくれた。


「……あっさりですね」


私は少し苦笑しながら言った。


「〇〇さんのテンションがとても楽しかったので」


初対面の、しかも自分の好みどストライクの青年に自分の名前をいきなり呼ばれて、思わず悶えそうになった。


「そ……そうですか、良かったです、昔からテンション高いのが自慢なんですよ」


自分に出来る最高の笑顔で彼に笑ってみせた。


すると彼は、にっこりと微笑んで、

「素敵です」

と。笑顔が強烈すぎて死ぬかと思った。



後日、SNSにて、ありがとうございました、などのちょっとした会話から、私のつけてたストラップのキャラクターをコウさんも好きだったということを言われ、なかなか話が弾んだ。

その後も会話を続けることが出来ている。嬉しい限りである。


『コウさーん』

『なんでしょう』

『男の人って何あげたら喜ぶんですかね?』


兄への誕生日プレゼントの質問なのだが、なんとなく、彼氏いる風になってコウさんが意識してくれないかなーなんて思ったのだ。

すると一緒にいる友人に、そんなの逆に男がいるからやめとこうってなるに決まってるじゃない!と怒られてしまった。


ちょっと間が空いて返信が返ってきた。


『年齢層とか職種にもよるんじゃないですか?』


慌ててフォローを入れる。


『あ、年上です、兄なんですけど、今度誕生日で。今は会社員やってます』

『ならスーツ関連の、例えばタイピンとか?』

『あー、兄の会社スーツじゃなくて私服なんですよねー』

『なるほど、ならキーケースとか小物関連はどうでしょう?』

『あーいいですね!そういうのってどこら辺で売ってますかね?デパートのメンズ売り場とか?』

『そうなると、ほとんどブランド品とかになりますね』

『えっ、そんなに高いものをあげるつもりはないんですよね……』

『よければ俺が案内しましょうか?それなりの店は知ってるつもりなんで』


なんと、なんと!そんなことがあっていいのだろうか。私がイケメンと買い物なんてそんな……そんな夢みたいなことがあってもいいのだろうか。

だが断る理由なんてない、このチャンスは逃せない。私は気合を入れて返信した。


『ほんとですか!ありがたい!ぜひお願いします\(*´˘`*)/♡』


明日は私の決戦の日になる。とりあえず手始めに下着から選ぼう。なんとなく。


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