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第4話 初めての大学。後編

雪が降る時期の事だった。外にいると心地よく冷たい風を通り越し、口の息が白くむしろ痛い感情を感じる季節だ。

心なしか、冬のせいで背すじがゾクゾクする。


「あの!!ユーリくんですか?」

背の小さく、髪型が金髪でツインテールで、顔が女の子っぽいが服装が男装の子が話しかけて来た。


「はい。そうですが。何か用ですか?」僕はその子にそう言った。


しかし、その子は僕の顔をチラッと見て恥ずかしそうに僕を見ていた。

いやー。何でしょうか?ちょっと気味が悪いんだけど……とその子に話しかけようとしたら


「あなたエドじゃないの。変わってないわね。」とマクーニャがその子に話しかけていた。


「え。マクーニャちゃん!!なんでこんな所にいるの?」

驚いた様子でその子はマクーニャを見た。


「それは……わ、私が大悪魔になるためやよ。それよりエドこそ何でこんな所にいるのよ。」


「魔界協会からここの調査を依頼されたから、ここにいるんだよ。さっき目依頼されたものも手に入ったし。」

その子はにこやかにマクーニャに伝えた。


「おーい。僕はもう帰っていいか?」僕はお邪魔そうだったのでその場を立ち去ろうとしたら、

「待って!!私は最近魔界からやって来たリッチのエド。ユーリくんにお礼を言いたくてここにきたんだよ。」と僕の手を握りながら言ってきた。


男心ながらドキッとするものがある。僕はこの子は女の子だろうかと想像しながら、

とりあえず手を離してもらおうか……そっと手を離してから「リッチ?エドさんだっけ?リッチって幽霊の王様あるいは女王様なのか?」


「そうだよ。時折魔界協会から依頼されて、ここの幽霊たちを浄化しに来ているんだよ。ここに居座ってたら悪魔達が居座れないからね。」

と興奮した面持ちで僕に話しかけてくる。するとエドが僕に向かって「私が以前人間界に来た時、海で幽霊たちを静めていた際足が攣っておぼれっちゃったんだ。その時近くに居たユーリくんが人工呼吸で助けてもらったんだけど、あれ以来ユーリくんのことが気になって」

顔に手を当て、顔を真っ赤にして僕に言って来た。


「きゃー。人工呼吸ですって。ねぇキッスしたの、きゃーー。」僕を茶化すマクーニャを無視するとエドが

「僕は男だけど、これは恋だね。もう恋する瞬間500秒前はとっくに過ぎたよ。ねぇユーリくん。一目会った時から恋することだってあるよ。」


いきなり何ちゅうこと言ってくる。しかも男だとも言って来た。キツイ冗談はよせよ。

しかしまぁなぜ僕はこう悪魔に好かれるのだろうか?いや、こいつの言動から、駄悪魔(あ・くま)の部類のような気がして来た。リッチだけど……

「お前さっき男って言ってただろ。僕も男だ。男には興味がない。それにリッチだったら幽霊とか寄ってこないのか?」


「寄ってくる時もあるかな。感情が高ぶったら暴走しちゃうかな。これからユーリくんといい信頼関係を築きたいよ。」とニコニコしながら笑顔で言ってくる。

ダメだ、こいつ僕の話を聞いていない。


そうしたらマクーニャが「もう。エドったら、誰彼構わず好きになっちゃうのよね。前のエメラルドドラゴンの時は恐怖をしたわ。姿がかっこいいからって恋をして、そのドラゴンを自分のものにしようと幽霊たちを呼び出して町中大慌てだったけ。」


マジかよ。その話恐怖でしかないんだけど……

と僕は慌ててエドに、「幽霊を呼び出すだけはやめてくれよな。悪魔は見えるけど幽霊は見えないから対処のしようが無いからな。」


シュんとしたエドが「わかったよ。幽霊を呼び出すだけはやめとくよ。」とそう呟いた。


「そうしてくれ。ふぅー。」と僕はどっと疲れが感じた。


エドが「あ、そうそう、今日は幽霊祭があるから僕と一緒に行かない。生きのいい幽霊が集まってくるんだよ。」


「生きのいい幽霊ってなんだよ。死んでんじゃないのかよ。そんな胡散臭いお祭りは行かないよ!!それじゃまたな!!」

さっきの気配はエドだったことを確信すると、僕、ユーリは帰っていった。


「人間はやっぱり脆いわね。何やよさ、幽霊ごときで、私だったら使い魔にでもしてやるやよ。なはははははーーー。」


「マクーニャちゃんは変わってないね。でもね。背中に何か憑いて来ちゃっているよ。」


エドの言葉にマクーニャは驚いた様子を見せ、「早く取り除きなさいよ。早く。……」足がガクガクと震えている。


「ターンアンデット。これでもう大丈夫だよ。」そう叫んだ瞬間マクーニャの背後から声が一瞬し、背後の気配が消えた感じがした。


「え、なんか軽いやよ。いつもよりもなんか調子がいいやよ。ありがとう!!」


「うん。いいよ。けどマクーニャちゃんは取り憑かれやすいから気をつけないとね。」

ニコッとマクーニャに笑顔を見せた。


「良い悪魔ね。褒めてあげる。私が褒めてあげてるんだから誇りを持ちなさい!!」


「マクーニャちゃんらしいよ。うん。誇りを持つよ。」

お互いに親指を立てて、グーサインを送った。


「それじゃマクーニャちゃんまたね。」エドは幽霊祭に行くため帰っていった。


「うーん。ユーリは先に帰っちゃったし、それじゃ日課の悪魔的活動を行おうかしら。ちょっとはポイント稼がないと悪魔通販で買い物できる量が減っちゃうやよ。」とワクワクしながら、どんな感じ悪魔活動を行おうか考えていた。

「得意のピンポンダッシュはもう飽きたし、ペットボトルの蓋をつけたままゴミ箱に捨てるのは今日の朝やったし…そうだわ!!」

とニヤニヤしながら、走り出し、目の前にいた見知らぬ男性の肩を叩いた。


マクーニャは振り向く様に人差し指を立てている。見知らぬ男性は指を立てている側を向き、「う、何ですか?一体?」


「引っかかったわね。私は悪魔!!悪魔やよ。目の前に居たあなたにイタズラしたくてしてみたやよ。特に用はないから、それじゃまたね。なはははははーーーーー。」


「えーーー。いや。ちょっと!!」イタズラされた男性を尻目にマクーニャは逃げていった。


「ふぅー。いいわね。目が点になっていたわ。んー。これはハマりそうやよ。次は家に帰ってユーリにもやってみようかしら。悪魔的アクションに恐怖しなさい。」

興奮しテンション上げ上げの状態で家に着いた。


「たっだいま!!大悪魔様が帰って来たやよ。」


「おう。おかえり。マクーニャ。今晩御飯作ってるから出来るまで適当に寛いでてくれ。」

僕はマクーニャにそう伝えた。するとマクーニャが僕の肩を叩いて来た。


「うん?なん……」まてこれは罠だ。マクーニャがただ僕の肩を叩くわけがない。僕を呼ぶのだったら声をかけるはず。

僕はマクーニャが肩を叩いた側に向こうとした顔を止め、逆側の方からマクーニャを見た。


「なーーーーー。なんで引っかからないのよ。このS級悪魔的アクションを見破ったとか、あなたは一体なんなのよ。」

めっちゃ悔しそうだ。右足を床にドンドンと叩きつけている。


「馬鹿なことやってないで料理をリビングに持っていってくれ。今日はカレーと野菜だ。カレーは好きだろ。」

僕はご飯を盛りカレーのルーをのせる。


「カレー!!くっ今日のところは許してあげる。いいわね。使い魔としては優秀やよ。」

ニコニコとしながらカレー見るマクーニャ。


「誰が使い魔だよ。ついでにラムの分も持っていってくれ。まだリビングで寝てると思うから。」


「スヤスヤ〜zzz」


「それじゃ夢の中から起こしてあげる。はーーーーーーーー。」

マクーニャは何かをラムの前に唱えた。


「もっと強めでお願いします!!マクーニャ様!!

私を侮ってはいけません。」

身体がビクンとなったが寝言でそう言ってから、深い眠りに落ちている。


「こいつ確信犯だ。マクーニャ、もっと強いのやってやれ。」


「これでも結構強めよ。それじゃ最大出力やよ。はーーーーー。ビックバンアタック!!。」


なにそれかっこいいと僕は思った瞬間、「は!!私はなにを?すんごい夢を見てた気がします。」

ラムは顔を手で覆い隠し、耳周りまで真っ赤になっている。

どんな夢を見てたんだ?非常に気になる。


「やめときなさい。死ぬわよ。」真顔のマクーニャに止められた。


ご飯を食べ終わると、疲れてたのかマクーニャは眠っていた。ついでにラムも。

お前は何時間寝ているんだ……。


「それじゃ俺も寝ようかな。」といつものように台所とリビングの扉前に布団を敷き、明日に備えて眠りに着く。

明日も大学の授業か。早く寝ないと寝過ごしちゃう。

僕は寝ようとした瞬間。インターホンがなる。


『ピンポーン、ピンポーン』

夜中に誰だよ。うるさいな。全く。


「はい。どちら様で?」

その瞬間、1人の背の小さい金髪の子が僕に抱きついて来た。

「ユーリくーーーーん。」

エドだ。なぜ俺の家を知っている。なぜこんな時間に。

「眠れないよ。一緒に添い寝して。悪いことはしないから。」

涙目になっているエドがそう呟いてきた。


男と一緒に寝るのもな。それに好意があるって言ってるやつと添い寝するのは一定の恐怖がある。

「断る。なぜ一緒に寝ないと行けない。そう言った趣味はない。」

きっぱり断ると僕は玄関の扉を閉めようとした。

その瞬間エドがこう呟いてきた。


「私が寝れないと幽霊たちが静まりかえらないの。このままだと幽霊たちは暴走して、この街はゴーストタウンになってしまうの。」

エドはとんでもない事を言いやがった。


「は?ゴーストタウン?」

僕の頭が混乱した。1分ほど経った時冷静になり、

「ゴーストが大量に街に現れて、名前の通りゴーストタウンになるだと。」


「うん。察しがいいね。そうなの。だからいつもは2時間前には寝てるんだけど、今日はユーリくんと話せて僕の魔力は暴走しているみたい。僕は、添い寝してくれたらすぐ寝る属性だからお願い!!協力して!!」


「はーーーーー。」

という事で、僕の布団の中にエドが入っている。添い寝した瞬間速攻で眠りやがった。

マジかよ。この属性。しかし、ほんと顔だけ見ると女の子だな。女装したら絶対に間違う自信があるわ。

この現場、マクーニャ達には見せられないな。


朝起きた瞬間、エドもう布団の中には居なかった。

その代わりに枕の横には置き手紙があった。

『昨日はありがとう。私は眠れない時は添い寝してもらえないと眠れない属性です。また今日も来ます。夜の楽しみが一個増えました。幽霊達が暴走しないように協力お願いしまーす♡」


こいつ確信犯だ。しかも、脅迫文で添い寝しないと幽霊達を暴走させるって書いてやがる。

昨日、エドに初めてあった瞬間、背すじがゾクゾクしたのは冬のせいじゃなかった事に今気づく。

はーーー。こいつは悪魔か……いや駄悪魔(あ・くま)だな……。


と僕は昨日の事と今日の手紙で黄昏ている時にマクーニャが、

「朝ごはんまだー。お腹空いたんだけど」


「わかったよ。少し待ってろ。色々とあったから疲れてたんだ。」

と今日からの夜の予定が埋まってしまった瞬間だった。

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