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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
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期末テスト 9


「兄貴!ゼリーもっと食べるか?」

「いや、一個もらったから大丈夫だよ。」

順也(じゅんや)くんが嬉しそうに話しかけ、(れい)くんも笑いながら返事を返す。


そんなやり取りを見ながら、(はやと)が話を締め括った。

「この筋書だけだと、ラブロマンスなんだけどね。」

パチパチパチ

「わぁ、隼くんは話すのが上手だね!」

隼が語り出した物語調の説明が終わり、光希(みつき)が笑顔で拍手する。

「ソウダネー。」

そんな光希に私はぎこちない笑みで返しながら、机を挟んで向かいに座る(あや)の様子に冷や汗が止まらない。

「ねぇ、(はるか)。」

「・・ん?」

どうして絢の顔を見なくて済むように横に座らなかったのかと後悔しながら、私は考えた害のない最小限の言葉で絢に返事をした。

すると、言ったのは。

「殴ってもいい?」

「暴力はやめて!?」

それは流石に即答する。

「ちょっとぐらい、いいじゃない。喧嘩を売ってくるのは、あっちよ。いくら牽制したいからって、こっちに喧嘩を売るのは間違いよね。」

「あの、絢さん。一体何の話を・・?」

私は意味がわからず聞き返してみるが、すぐに隼がにこやかに話し出した。

「絢さん、遥の前でそんな話はやめてくれる?ただ僕は、分かりやすいほうがいいかと思って話しているだけなんだから。」

それに対し、絢もにこやかに。

「あら、私の言っている意味がわかっている時点で、認めていると言っているようなものだけど。そんなに、不安なのかしら?」

なんなんだろう。このニコニコしながら、バチバチ言わせている感じ。私を含め、みんな黙って様子を見守っている。

「・・・遥。」

「何?」

だから、なんでここで二人して私に訊いてくるのかなぁと、内心泣きながら私は隼に返事をした。

すると、言ってきたのは。

「殴ってもいい?」

いや、だから。

「暴力はやめて!?」


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