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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
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期末テスト 2



「緊急招集って言われてきたけど。」

「「「「・・・・・・・・。」」」」

「何、このお通夜みたいな状況。」


放課後の1年C組の教室には、私と光希(みつき)沙耶(さや)ちゃんと万里花(まりか)の4人が集まっていた。

そこに、少し遅れて(あや)がやって来たのだが、誰もが机の上の書類を見たまま言葉を発しない。

そんな中、光希が声を上げた。


「ごめんね、みんな。私が、あんぽんたんだからぁ。」

「大丈夫だよ、光希。驚いてはいるけど、冗談混じりで黙ってるだけだから。」

光希の言葉に慌ててフェローのために声をかけるが、フォローになっているのか自分でもよくわからない。

そんな私たちに綾は触れず、一人話を進めていく。

「問題は、この机の紙なんでしょ?この間のテストよね・・・なに、この点数!!?」

「うぅ・・。」

「全部、赤点スレスレじゃない!」

綾が手に取ったテストの解答用紙は、すべて光希のものだ。


そう、集まった理由はこのことだ。

江藤(えとう)は、中間テストの返却後から、期末テストで赤点を取ったらただじゃおかないと授業で再三言っている。

その、ただじゃおかない赤点の一歩手前に、光希はすでに立っていた。


「ものの見事に、全教科・・・。よくこれで受かったわね。」

「ちょっ・・。」

「そうなんだよね。私も、よく受かったなぁって思ってる。」

綾の言葉に言い過ぎだと諌めようとするが、光希は笑いながら普通に返してしまう。

「・・・。」

なんだろう。綾に慣れたのか、江藤から言われ慣れたのか・・・どちらにしても、良くない影響だ。


「でも、受かってるんだから、それなりに勉強はできるでしょ?何が原因なの?」

しかし、そこで終わらないのが綾。

私たちが知りたかったことを、普通に光希に質問をした。

「原因・・・。」

「「「・・・。」」」

考え込む光希に、綾以外の三人が固唾を飲んで見つめた。

そう、それが一番大事な訊きたいことだった。


(よし)の祭が原因だと言ってくれれば、いつも通りに勉強すれば大丈夫なはずだ。

でも、もし。

もし仮に、十哉(とおや)みたいに元々勉強ができない、しかも全教科なんてことがあれば・・・。


光希は悩んだ末に、真剣な顔で言った。


「授業でなに言ってるか、分かっていないからだと思う。」

「勉強会よ!!!」


こうして、綾の言葉と共に、光希の猛勉強会は発足した。


投稿を待ってくださった方、大変長らくお待たせいたしました。

昨年は本職の方で色々あり、現実逃避をしたかったりなんかして、考えるのにも蓋をして遅くなりました(汗)

まだ、話の続きを模索中ですが、とりあえず新章スタートです。

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