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隼の過去編:友だち5
あの後から、僕は変わっていった。
普通は、生まれてから気兼ねなく接することができるのは、家族なんだと思う。
でも、僕の場合は看病を父さんにしてもらって一緒にいたけど、父さんに気兼ねなく言うのは無理な話だった。
だって、僕のことで負担をかけているのに、わがままは言えないと思っていたから。
それは、家族に対しても同じ気持ちだった。
だから、僕は友だちに憧れと共にそんな関係を求めていたんだと思う。
それを、遥が実現してくれたんだ。
遥と一緒に色んな話をして喜んで、喧嘩して怒って、時には学校のことで相談しながら泣いて、遊んで楽しんで。
あの後から体調も少しずつ良くなっていって、今では部活でバレーボールをするぐらいだ。
そんな僕の人生は、遥がいたからだと僕は思ってる。
遥っ子にならないほうがおかしい。
そう思うのって、おかしいこと?
遥っ子は、お母さんっ子やお姉ちゃんっ子で使うようなのをもじってます。




