入学式 5
「あなた達、二人してなにやってるの?」
麗くんと頭を上げて微笑んでいたら、突如、私の後ろからそう声がかけられた。
「姉さん」
麗くんがそう言うので振り返ると、絢が呆れた顔をしてこちらを見ている。
「え、麗くんがこれからもよろしくって言ってくれたから、こちらこそって言ってたんだけど。」
訊かれたのでありのままを話せば、絢がため息をついた。
「わざわざ立ち止まってすることではないでしょう。ここは廊下。通行の迷惑よ。」
「ご、ごめん。」
絢の可愛らしい話を聞いてさっきは喜んでいたが、やはり絢は絢。言葉が鋭い。
「まあ、いいわ。それより遥、こっち来て手伝って。」
絢はまだ何か言いたそうだったが、すぐにその話は終わらせ、いきなり私の手を掴み歩きだした。
「えっ、えっ、何?」
私はされるがまま、着いていくしかない。
「新入生の女の子が1人絡まれてるの。山城くんが止めに入ってくれたんだけど、ややこしくなっちゃって。一さんを呼ぼうにも、捕まりにくいから。」
その絢の言葉に、私は眦が吊り上がる。
「どこでやってるの?」
「あなたのクラス。C組。」
「僕が入ろうか?」
後ろから一緒に付いてきている麗くんが、そう申し出てくれる。
しかし、絢は首を振った。
「たぶん、麗でも同じことになるわ。」
「「同じこと?」」
どういうことだろう?
首をかしげる私と麗くんに、教室の前まで来た絢が振り返り、こう言った。
「とりあえず、見たらわかるわ。」
そう言われてから教室を見ると、確かに異様な光景が広がっていた。
だいぶ話は短いですが、キリがいいので切りました。
手軽に読める、軽い読み物を目指しています。
そのため、たぶんえらく話数の多い入学式になると思います(苦笑)




