表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
46/68

芦の祭 19


戦いの末、切られた僕は片ひざをついた。

「おまえに、僕が殺られるとは。」

剣を支えにしながらクローディアスを睨み付けて僕が言うと、奴は鼻で笑った。

「私のガートルードへの愛の方が、重かったということだ。」

その言葉に、僕は吼えた。

「何が愛なものか!おまえは、成就できない恋の未練を捨てきれなかっただけだ!!」

「どうとでも言えば言い。何を言おうが、おまえは俺に負けたのだ。」

クローディアスは、気にした風もなく笑ってそう言った。

「ああ、そうだな。僕は負けた・・。」

悔しい気持ちを胸に、僕は下を向いた。

「「・・・・・・・・・」」

二人とも黙り、静寂が辺りを包む。


ついに、ハムレットのフィナーレだ。


僕は、下げていた顔をあげてクローディアスに投げかけた。

「・・だが、クローディアス。おまえは、母上のいない世界でどう生きるのだろうな。」

「なにを・・。」

クローディアスがこちらを見たので、笑ってやった。

そして、支えていた剣を捨て去り、両手を大きく広げて叫んだ。

「生きても死んでも、おまえは地獄だ!母上のいない世界で、苦しみながら生きるがいい!!」

僕は言い終え、体を傾かせて会場を背にして倒れこんだ。


ああ、終わった。

私は、安堵の息をつ・・


「兄さん、兄さんっ!!ああ、なんてことだ!」


・・こうとして、私の近くの舞台袖のほうから足音と共に声があがった。

その声にまさかと思いつつ、私のそばに来た人物をちらりと見上げ、私は固まった。

はじめ兄も、動揺した声で叫ぶ。


「・・・おまえ、なんでここに。学校はっ!!」



次にお会いするときは、芦の祭の最後になるかと思います。

年末には投稿できるかと思いますので、しばしお待ちくださいませ。

それでは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ