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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
33/68

芦の祭 6

(改稿)入ってますが、名前被りのため修正しました。

毎回すいません。。


「へぇ、そんなことがあったんだな。」

十哉とおやは、この前の出来事にそんな感想を述べた。

「十哉。へぇじゃないよ、へぇじゃ。こっちは大変だったんだから。」

話しているうちに、また少し怒りがぶり返してきた私は、むっとして十哉に言うが。

「だって、俺そん時いないし。」

「・・・。」

まあ、もっともな意見かもしれないが。もっとこうさ・・。

はるかちゃん、本当に大変だったんだね・・。」

すると、光希みつきから希望通りの心のこもった労りの言葉をもらい、私は喜んだ。

「そうなんだよ、光希!よかった、わかってくれる人がいて。」


私たち三人は、昼休みに教室でお弁当を食べていた。

普段はこの3人では食べないのだが、昼休みを使って、この後生徒会と演劇部と私たちの組を交えて話し合いの場が設けられている。

そのため、私と光希は時間がないため慌てて二人で食べ始めたのだが、そこに経緯を聞きたいと十哉がやって来たのだ。



「おーい、十哉。そろそろみんなで移動しよおってさ。」

説明を終えたところで、ちょうど時間になったらしい。

クラスメイトの伊藤いとうくんが、十哉に声をかけた。

「わかった。ありがと、晃太こうた。俺はこいつらと向かうわ。」

「りょーかい。」

方向音痴な十哉は、あれからすぐにクラスで友達ができてほぼ私の役目はなくなったが、時々話し相手として一緒に移動したりしている。



お弁当を片付けたあと、私たちは話し合いの場である体育館へと向かいだした。

「で、今日の話し合いは大丈夫そうなのか?」

すると、十哉に嫌な質問をされて、私は顔をしかめた。

「・・大丈夫なんて、毎回断言できません。とりあえず、江藤えとう先生は呼ばずに生徒会で取り仕切ってもらって、様子を見ることになったから。」

あの教師は、顔を自ら出すということはしない。

普通は先生がいてくれたらと生徒たちは不安になるのだろうが、江藤がいないというだけで、みんなが安堵の顔を浮かべていた。

けれど、前みたいなことになったらという一抹の不安があるので、今回ははじめ兄が生徒会の人たちも連れてきてくれることになっていた。


「今度は、私からちゃんとお返ししないとな。」

生徒会での文化祭の仕事もあるだろうに、こんなことになってしまって。

これはもう、私から一兄も含めてお礼に何かお返しをしたほうがいいだろう。


「ん?なんか言ったか?」

そんなことを思って呟くと、十哉がこっちを見た。

「ううん、なんでもない。・・あっ、そうだ。十哉、昨日一兄は何か言ってた?」

昨日は、十哉の勉強会の日だ。

昔、英語を話せれるようになりたいと、私たち三兄弟が十哉から英語を教わり、十哉が私たちから学校の勉強を教わる勉強会を開いていた。

・・しかし、今では一兄が十哉に勉強を教える会になっている。


「何かってなんだ?」

首をかしげる十哉に、私は質問を重ねた。

「今日のこととか、文化祭のこととか。」

一兄が今回のことをどう思っているのか、私は訊きづらくて、直接訊けないでいた。

私が悪いわけではないのだろうが、私も関わって、一兄は生徒会に舞台にと忙がしい文化祭になってしまった。

大変で困っているとか、何か言っていなかったかと思い、さりげなく訊いてみる。


その質問に、十哉は眉間にしわが寄る。

「・・・?勉強会のときは、集中するように一兄に言われてるから、今日のことをちらっと聞いたぐらいだけど・・・。あっ!」

「何か言ってた!?」

私は、十哉に詰め寄った。


毎回UPが少ないなと少々凹んでいるのですが、お待たせいたしました。

亀足ながら、更新します。

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