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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
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入学式 12


はやとは抱きつくのをやめると、私の前に姿を見せた。

はるか、ごめん。」

顔を見ると、見慣れた優顔の隼が困った顔をしていた。

隼は、はじめ兄や私など母さんに似たきつい顔つきではなく、父さんに似たタレ目の優しい顔をしている。

しかも、父さんにそのまま似ず、巷の女性を虜にしていたという甘い顔立ちの美丈夫であった祖父に似ている。

というよりか、祖母に言わせると顔は瓜二つだそうだ。

ちなみに、父さんは祖父に似てはいるのだが、私同様にやや顔の作りが違っていたり、お茶目な祖母譲りの性格が顔に出てしまっているため、ただただ可愛らしい優男となっている。


「昨日そんなに一緒にいられなかったから、思わず・・ごめんね?」

隼はバレーボールをしだしてからか、ぐんぐんと身長が伸びて、今では一つ年上の私よりも身長が少し高い。

そんなでかい弟が小首をかしげて謝ってくる姿に、普通なら気持ち悪いと感じるはずなのだが、弟だからか人柄か可愛らしく感じてしまう。

「隼の気持ちはわかった。でも、誰が見ているかわからないんだから、やめて。」

隼の言うスキンシップは小さい頃から始終なので慣れてしまってはいるのだが、隼が目立つので抱きつかれたりするとチラ見からガン見に変わる。

近所で土ヶつちがやさん家の兄弟は有名なのに、家の近隣で目立つ行為はやめてほしい。

「そうだったよね、ごめん。じゃあ、早く家に帰ろう。」

そう言って、私の手を繋いで歩きだそうとする隼に、一兄は声をかける。

「隼、遥は家に帰ったらして良いとは言っていないぞ。」

一兄は、家に帰れば抱きついても問題ないという隼の発想を訂正すべくそう言ってくれたが、隼は気にした風もなく私の顔を見てこう言った。

「しては駄目とも言ってないよ。ね、遥?」

隼はにっこりと微笑みながらそう言ったが、私に返答を求められても困る。

なので。

「とりあえず、家に帰ろう。」

返事はしないでおいた。


今回は短めですが1話のみで。次で2話載せて入学式は終わらせたいのですがどうなるやら。

次の更新は一応、来月予定です。

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