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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
10/68

入学式 10


「そこまで気にされると、重いしうざい。」

「う、うざい。。」

私の正直な気持ちを伝えると、はじめ兄はショックを受けた顔をした。

そんな一兄を見つつ、私は間髪入れずに真剣な表情から笑みの表情に変え、さらに言葉を続けた。

「一兄がそこまで気にかけてくれたことは、嬉しいんだよ。でも、私のことは昨日はほっといてくれて良かったの。」

「・・・ほっといて良かった?」

私が次に言った言葉に一兄は反応し、今度は不思議そうな顔をして私を見た。

そのきょとんとした表情に、私はわからないんだろうなと感じて苦笑した。

「声をかけられたらその分意識するし、心配してくれた分相手のことに気を使ったりするでしょう?昨日の私は、そんな余裕なんてなかった。だから、ほっといてくれてありがたかったの。」

「父さんたちは・・。」

一兄は、父さんたちが私に昨日どう接したのか訊ねた。

一兄は昨日入学式の準備にかかりきりで、家族とまともに話していなかった。

「父さんたちも気にかけてくれてはいたけど、声をかけずに見守ってくれた。」

そう。昨日はずっと家にいたのだが、他の家族も私の様子や入学式のことには触れないでくれた。

それは私にとって、嬉しかったのだ。

「だから、一兄がそこまで気にする必要はないんだよ。ちょっと寝不足で失敗しちゃったけど、それは私のせいなんだし。」

そう言って、私は一兄に笑った。


そんな私の様子を一兄はじっと見つめたあと、おもむろに口を開いた。

「・・・・今回はそうだったんなら、構わない。だが、はるか。一つ約束してくれ。」

「何?」

「ちゃんと、昔みたいに何かあればすぐに言ってくれ。体調が悪いなら、別に無理してまで代表挨拶をしたり、入学式に出席しなくていいんだからな。」

「・・・一兄っ。」

一兄の言葉に、私は胸が一杯になった。

心配しすぎるきらいはあるが、本当に言葉通り一兄は頼れる自慢の兄である。

私は照れくさくなり、わざと両手を腰に当てて怒ったように言う。

「一兄は心配しすぎ。今度は気を付けるから。」

「本当だな?」

探るような目で見られ、こちらも挑むような目をして返す。

「本当だよ。」

「よし、ならこの話はもう終わりだ。」

そう言って一兄は笑った。



悩みながら書くと、文章がおかしいのかおかしくないのか、わからなくなってきますね(苦笑)

今回のやりとりは、書いては消しを繰り返したので難産でした。。

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