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それを運命とは言いません  作者: 穂波幸保
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入学式 1



土ヶつちがや はるか、16歳。

どうやら、転生というものをしたようだ。

しかも、恋愛シミュレーションゲームの世界に。

そうと気がついたのは、遅いながらも高校の入学式である。



「おーい、遥。早くこっち来いよ。」

芦ヶ谷高校の校門を通り過ぎると、新品のブレザーの制服に身を包んだ少年少女やその保護者が入り乱れていた。その中で、黒髪ばかりの生徒に紛れて、一人淡いブラウンの髪色をした少年が私に向けて振り返り声をかける。

「わかったよ。十哉とおやはやけに嬉しそうだね。」

家から誘われて一緒に学校までやって来たが、十哉は学校に着いたとたんにそわそわがピークに達している。

「だって新しい学校だぜ。学校とかクラス発表とか早く見たいじゃん。」

「はいはい。君はいつでも楽しそうでいいね。」

今にも犬みたいに尻尾を振ってかけていきそうな十哉を見ながら、私は複雑な気持ちで今日から通う学校を見上げた。


2度目の高校生活か。

何故か、小さい頃から生前の別人としての記憶を持っていた遥にとっては2度目の高校生活である。

しかし、一度目の高校生活はすぐに幕を閉じてしまった。

高校の入学式直後に、交通事故で呆気なく死んでしまったからだ。

車に轢かれた後のことは覚えていないので死んでしまったと断言はできないが、2度目の人生を歩んでいるのだからそういうことだろう。

学校から帰ろうとする最中、目の前を歩く女生徒に向かって突っ込んできた車。

その車から女生徒を守ろうと、私が女生徒を抱き込んでから私の記憶は途絶えた。

そして、次に気がついたときには、私は幼稚園児だったのである。

その時は大変だった。自分には2つの人間の記憶があるのだ。しかも、肉体や精神は幼稚園児で。

あの時は記憶が混濁して、家族には多大なる迷惑をかけた。特に、前世の自分の最期がフラッシュバックして夢でうなされるなんてよくあった。そんなときは家族が付きっきりで側にいて面倒を見てくれた。

思い返すと、家族に対して頭が上がらない。みんなは大したことはないと言うけれど。


おっと、話がそれた。

そのため、家族みんなが私の前世持ちを知っている。そして、こいつも。

「どうしたんだよ、早く来いよ。」

先を歩いていたのに私が来ないからか、いつの間にか私の側に戻ってきた十哉がまた早く早くと急かす。

この山城十哉やましろ とおやは、小学生の時に近所に引っ越してきた男の子だった。

私はクラスが違い関わりがなかったのだが、どうやら父親は日本人で母親がアメリカ人というハーフのため、目は黒色だが髪色は茶色ということもあって転校当初いじめられていたらしい。

その時に私の兄であるはじめ兄になつき、そこに一兄の妹で同級生でもあった私が巻き込まれ、今では小学校からの腐れ縁である。

小中と一緒に過ごしてきたので、そんな私の事情も訳知り顔だ。

「おまえ、また昔のこと思い出してるのか?2回目まで同じことなんてないって。」

昨日少し塞ぎこんでいたので察しがついているのだろう。

だが、そうずけずけものを言うのはどうかと思う。

「それはそうだけど、嫌でも思い出すからね。」

「これから始めての高校生活だろ?楽しめって。とりあえず、一緒のクラスか見に行こーぜ。」

何度急かしてもすぐに動き出さない私に痺れをきらしたのか、私の手を掴んでずんずん進んでいく。

「大体おまえは気にしすぎなんだって。今日から始めての高校生活なんだから、もっと楽しそうに、、」

「ねえ、十哉。」

「なんだよ。」

話の途中で遮られたからか、少し不機嫌そうな声で十哉は立ち止まり振り返った。

だが、言わないと大変なことになるので私は前方を指差し言った。

「こっちの道、間違ってる。」

私たちが行こうとしていた道は、保護者の人たちぐらいしか歩いていなかった。

「おっ、そうか。悪い。じゃあ、あっちか?」

その言葉に十哉は慌てて、私に今よりもさらに人気のない方角を指差した。

「あっちも違う。」

「じゃあ、どこだ?」

首をかしげながら事前にもらった案内図を見ようとする十哉に、私は相変わらずだなと苦笑して今度は私が手を引いて歩き出す。

「こっちだよ。私のことよりも、十哉の心配をした方がいいみたいだね。」

私の言葉に、十哉はムッとした口調で言う。

「なんだよ、それ。」

「生徒はみんな決まった方向に歩いてたでしょ?早くその方向音痴どうにかした方がいいよ。」

十哉は出会った頃から方向音痴である。

歩き慣れた道以外、必ず迷子になるのだ。

今回はみんな同じ方向を目指して歩いていたのに、どうして自ら迷子になろうとするのか。

「通いなれたら、どうにかなる。」

ポジティブにそう言う十哉に対し、私は今後を憂いてため息をついた。

「通いなれるまで、誰が案内してくれるんだろうね。」

「そりゃ、お前だろう。」

当たり前のように言う十哉に、私は誰がするかと軽く足蹴りをかました。



あらすじにも載せたのですが、初心者の初投稿です。

右も左もわかりませんが、小説を書いて載せてみたいという気持ちで載せてみました。

読んで少しでも楽しんでいただければ幸いです。

数話は出来上がってはいますので、少しずつ載せていければと思います。

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