キラキラと私
キラキラしすぎて目がつぶれそう。
時々そう思う。
何を見て目がつぶれそうなのかっていうと…ノヴァイハのものすごい美貌に。
今朝は起きて早々にピンクの睫毛が震える様まで見える距離で
「今朝も君が目覚めて私をその瞳に映してくれることが、どれだけ幸せか解る?」って甘く微笑んでおでこを合わせてこっつんってされた。
キラキラキラキラ。
離れていくノヴァイハの顔にはシミもなければ目やにもない。
もちろん、ヨダレの跡もない。
完璧すぎるほどに整った綺麗な顔。
方や私は…
ううっ…考えてはいけない。
そして、ノヴァイハはどんな状態の私にも可愛いを連発し、愛を囁くのを忘れない。
キラキラした微笑みと共に。
マリイミリアさん曰くそれが竜人の番同士では普通らしい。
というかむしろ、ノヴァイハは水竜という性質上他の竜よりかなり、控え目らしい。
これで!?ってなるけれど…
「むしろ、私から見れば、いっそ情けないほどに愛を伝える言葉が貧困ですわ。」
ってにこやかに言いきったから、どうやら竜人の雌的にはノヴァイハはダメダメらしい。
本人は外見が雄らしくないのを気にしていたから…
私にとって神々しいキラキライケメンなノヴァイハは竜人的にはブサメンなのかもしれない。
「私にはこのくらいがちょうどいいです」
って思わず言ってしまったら、ノヴァイハの後ろにブワッと花が咲いたように見えたと思ったら、喜び溢れるノヴァイハに抱き締められてくるくる回られた。
そして、キラキラした神々しい笑顔で私の頬にキスをした。
そのうち、私もこれに答えるようにノヴァイハに「貴方の瞳の涼やかな色の美しさはまるで…まるで…」ダメだ!全然例えが浮かばないよ!!
ノヴァイハが仕事にいった後にそんなことをりとめもなく考えていた私にマリイミリアさんは急に真面目な顔で
「言葉を惜しんではいけませんよ」
って言った。
「竜人は人型をとる時は言葉で番へ愛を伝えるのです、この姿では竜らしい求愛行動がほとんど出来ませんから」
マリイミリアさんのそ言葉に
竜らしい求愛方法ってなんだろう?って思ったけれど…とりあえず頷いておいた。
そして私はそのあとはメロデイアさんとお勉強をする予定だったけれど
…何かあったらしく、今日はお勉強お休みですって連絡が来た。
だから、私は園庭を散歩している。
言葉を惜しんではいけない。
マリイミリアさんが酷く真面目な顔で言ったのがとても印象的だったその言葉。
伝えるべき気持ちを相手に伝えずにいたらどうなるんだろう?
何か起きるんだろうか?
少し不安になる。
だって、私は…ノヴァイハに番らしい言葉を返していないから。
あのキラキラした、神々しいほどの微笑みが消えてしまうのは…嫌だなって思う。
あんなにも幸せそうに笑う笑顔が陰ってほしくないなって。
ノヴァイハは眩しすぎて目が潰れつぶれそうって思うくらいキラキラしているくらいがちょうどいい。
暗く笑わないでほしい。
そう、記憶の中の誰かのように。
そう思ってからあれっ?って思う。
…だれだったっけ?
そんな笑みを浮かべたのは?
うーん?
って首をひねっていたら視界の端に、白く輝く巻き毛が揺れた。
モステトリス君が大きな鳥みたいな生き物の手綱を引いていくところだった。