愛を乞う幼竜
猛烈な名前間違いをしておりました(^_^;)
1月24日訂正…
ずいぶん前にこれを書いたわけですが…
後に組み合わせをチェンジしたのをすっかり忘れておりました…と言い訳をね…
そんな事情のあるルエルハリオとモステトリスの幼竜コンビ…どうしても時々やらかしてしまいます( ´△`)
なぜなのだろうか?
なぜ変わらないのだろうか?
モステトリスは白いままの自分の髪の毛を一房つまむ。
あの人が番だとずっと昔から知っているのに。
いつか、いつか変わるはず。
そう思って…待って、待って…けれど
何一つかわらなかった。
竜人は産まれた時は両性で、成長と共に雌雄が別れる。
そして、雌は成体になると色を持つ。属性を表す色が体表に現れるのだ。竜の姿では鱗が、人の姿では髪の毛が染まる。
雄は成体になっても白のまま。
番に出会えたその時に雌の好む色で己を染める。
婚姻色は愛の色だ。
番に愛してもらうために己の姿さえ変える雄の証だ。
雄は愛を乞うもの。
愛を求めて己らの色を変える。
なのに。
モステトリスは変わらなかった。
あの人が大切なのに、誰よりも愛を乞うているのに。
変われなかった。
こんなに何度も会っているのに、こんなに胸が苦しいのに。
雄同士だから…?
時おり考えるけれど…
竜人の番にとって性別の違いなど問題にはなるものではない。
はず。
現に緑の竜はの相手は雌だ。
世界のその二人に子供を成すことを求めていなければ子は産まれない。
竜人は道具だ。
世界に与えた役割を果たすために生まれる。
モステトリスは竜王種ではないから世界の声も意志も聞こえないけれど。
緑の竜は通常の竜人よりも勝る力を与えられた代わりに、その力を次代に残すことは許されなかったのだろう。
ならば、モステトリスとあの人の今の関係は世界がそうあるべきとしたもなのか?
だとしたらなぜこんなにも苦しいのか。
考えても何一つわからなかった。
どんなに考えても、わからなかった。
だだ、ひとつだけわかること。
モステトリスは誰よりもあの人の愛が欲しい。
頭がおかしくなりそうなほど。
けれど、変わらなかった。
変われなかった、あの人のために。
雌となることが出来なかったあの日の絶望。
そして雄として成長しているのに、あの人のために色を変えることも出来ない今の自分。
変われない、こんなにも愛してるのに。
何一つ変われない。
だから…だから、愛してくれないの?
答えは出ない。
あの人はモステトリスの側には居てくれないから。
あの人はモステトリスに話しかけられることを好まないから。
あの人の一房だけ色の違う髪の毛を思い出す。
前に会ったときは夕闇のような青、昨日遠くから見た時は緋色。
何か隠すように、何かを示すように一筋だけ染められた髪の毛。
他の髪は白。
あの人の背中を覆う美しい白。
あの人の髪は白い。
色なしの白は誰も愛していない竜の色。
あの人が誰も愛していない事実にモステトリスは救われる。
あの白を誰よりも愛してる。
たとえあの人が俺のためにその身の色を変えてくれなくても。
誰よりも愛してるんだ。