うさぎと私
この世界には竜人族の他に獣人族もいる。
と聞いてウキウキしだした私にメロデイアさんは会いに行く?言ってくれた。
丁度、ここの庭師が獣人さんなんだという。番の人は兵士としてお城で働いてるそうだ。
是非ともお願いします!と力一杯答えたら笑われてしまった。
庭にでるとすぐにその人はみつかった。
茂みのなかにのぞく耳。
ぴんと立ったそれは…
うわぁ!ウサギさんだぁぁ!
「イリイ!すこしいい?」
メロデイアさんが声をかけるとその人はぴょこんと顔を出した。
「はい!メロデイア様、何かありましたか?」
ぱたぱたーっと素早く近づいてくる。その動きはまさに小動物。
「このお嬢ちゃんはノヴァイハの番の…名前が難しいのよね…」
「みねまえつむぎと言います。呼びにくいようならツィーでお願いします。」メロデイアさんから台詞をついでそう言うと
「みぇみぇま…こほん、ではツィー様とお呼びさせていただきます。」
言えない!と顔をしかめる顔が可愛い…
いいなぁ。なにしても、かわいきなんてさすがうさぎさん!
「お嬢ちゃんの食べてる野菜はイリイが育ててるのよ?」
「はい!人族にも好まれる癖のない柔らかなものを厨房にお届けしてます。」
頬を染めて元気に言われる。
「あの美味しいお野菜はイリイさんが作られてたんですね。」
「美味しいですか?嬉しいです!竜人の方々は肉食なので野菜の美味しさをわかっていただけなくて…私の番のリオはよく変な顔をするんですよ?」
ふふっと笑うウサギさんはとても可愛い。
茶色いふわふわの髪の毛と白と茶色のまだら模様の耳が堪らなくキュート。
私はもうめろめろである。
話そっちのけで動く耳をみつめてしまう。
「イリイは400年くらい前に番のリーデオルグテマが獣人国から連れてきちゃったのよ。」
「はい、リオが草原で狼に追いかけられてる私を助けてくれたんです。逃げ込める巣穴もなく、もう少しおそかったら狼のお腹のなかでした…」
ハードだ。出会いが野生的で色々ギリギリ過ぎる。
「リオは会ってその日に私を連れて竜人国に来てしまって…私は最初食べられるんだとばかり思って、とても怯えてしまって…。今となってはお互いを知るいい機会になったと思えるんですが…リオは未だに私が何かに怯えるのをとても嫌がるんですよ。」
繊細なのはきっと竜人のほうだと思うんですよね~ってイリイさんはぽやんと笑う。
可愛い。
なんだかもうほんと可愛い。
ウサギ耳ついてるのに色気ゼロで可愛い。
獣人族ってみんなこんなに可愛いのかな?
「私達草食動物系の獣人は番の感覚が薄いんです。のんびりと探していられるほど自然は私達に優しくないので…たぶん、人族と同じくらいぼんやりとした感覚がでしか番の繋がりが解らないんです…大型肉食系獣人だともっとリオの気持ちもわかってあげられるのですが…。」
そう言って少し困った顔で笑うイリイさん。
そうか、肉食系と草食系で色々あるのか。
そして人族はそんなに鈍いのか。
確かに番のノヴァイハと他の人の違いはあんまりないかもしれない。
「イリイの番はあついからね…お昼を一緒食べるとわかるわよ。」
そういってメロデイアさんは笑った。
どうやらお昼はうさぎさんとその番の人と一緒らしい。
熱い竜人ノリーデオルグテマさん。
どんなひとなんだろう?
獣人族が出てきたところで獣人の国の話
『お前の鬣を刈ってやる』
の止まっていたも更新がはじまります。
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