まだランキングにいたよ!?御礼小話
久しぶりにランキング見たら「竜のしにかけつがい」がまだ5位に居たことにびっくりだよ!?のちかーむです。
もうとっくに消えたと思っ…ムニャムニャ…自分で言っちゃダメですよね(^_^;)
皆様お読みいただきありがとうございます(*≧∀≦*)
せっかくなので御礼小話を…
思い付いたから書いたけど…入れるスキがなくて、どうしようかな?…と持て余してたとか、そういう訳じゃないんだよ?
ということで…
いままでも、そして、これからも皆様の大切なお時間を「竜のしにかけつがい」にお分けくださることに感謝をこめて。
現王ヘリディオフの朝は朝食とともに聞く様々な報告で始まる。
重要なことから市井のささやかな出来事まで内容は多岐に渡る。
「今朝、眠り亀が寝返りを打ったのを目撃したものがいる。とのことです」
その言葉にナイフを動かす手をとめた。
「ほう、それは珍しい。して、被害は?」
「ありません。幸い眠り亀は岩投げ時に使用されたのち放置されており、市内にはなかったとのことです」
眠り亀は常に眠っている亀である。
竜体でもひと抱えするほどの大きさの亀で、特性は一言で言うならば「重い」岩などとは比較にならないほどに重い。
ほとんど起きることはないが、時折寝返りを打つ。
とても重いため寝返りをうつだけで、地面が揺れる。
時折面白がった若い竜が眠り亀を市内にも持ち込む。
そこで寝返りを打つと、揺れにより様々な被害が起きる。
「被害が無いならばよい。しかし、寝返りか。眠り亀の活動期に入るのかもやもしれぬな。警戒を怠るな。岩投げをしている竜人達をみかけたら、市内への亀の持ち込みは禁止と声をかけるよう兵に通達せよ」
「かしこまりました」
丁度、朝食も終わりである。
肉の最後のひときれを咀嚼する。
「岩投げか…最近やっていないな」
暇な竜人が竜体になり岩を投げる。
それだけの遊びである。
一抱えほどの岩を所定の場所から投げ、得点の高い場所の近くに落とす。ただそれだけだ。
しかし、シンプルなその遊びも、眠り亀を入れるとても面白い暇潰しとなる。
眠り亀は時折起きて暴れる以外は常に寝ている。
ひっくり返されようが、流されようが、水にしずめようが、燃やされようが基本的に寝ている。
しかし時折、火を吹く。手足が生えるべき場所から突如火を吹くつのだ。寝ぼけて口から吐いた火は生粋の火竜のドラゴンブレスにもひけをとらない威力である。
そして、高速で回転する。
手足のでる穴から吹き出す炎の勢いで回転するのだ。
その回転力は凄まじく、触れた辺りの岩を弾き飛ばす。
もちろん、亀が回転した時点で殆どの得点は全て無になるが、時折残っている岩もありその場合逆転勝ちが可能である。
飛んでくる岩をあわてて避けるのも、読めぬ逆転劇も愉しいが、何よりも亀を抱えている時がとても面白い。
至近距離で火を吹いた場合、竜体といえど大火傷は必至。
そのため非常にドキドキする。
はやく投げたいが…重い亀は得点が高いため、下手な場所にも落とせない。しかし長くは持ちたくはない…。
そのような遊びである。
しかし、普段は竜人の玩具である眠り亀も、活動期に入ると非常に厄介な生き物となる。
その、重い巨体で何故か空を舞うのだ。
そして口から火を放つ。
もちろん、飛んでいる時に手足の穴から火を放つことも出来る。
このような生き物が市内に降り立つと、はしゃいだ若い竜達と大暴れをして街を壊し回る。
非常に迷惑な亀だ。
いや、迷惑なのは調子に乗った竜の方なのかもしれないが。
そんな岩投げを昔はノヴァイハとメロデイアとはよくやったものだ。
番ができたのだから誘ったらするやもしれぬ。
そのためにはまずは休みの確保か。
うむ、久しぶりに童心に帰るのも悪くない。
そう思うヘリディオフの眉間のシワは常よりも浅かった。
「岩投げ」
竜人が竜体になり岩を投げる遊びである。
一抱えほどの岩を所定の場所から投げ得点の高い場所の近くに落し、その合計得点を競うものである。岩は重さによって色が異なり重いものほど追加得点が高い。しかし、一番重いものは亀である。一番の高得点を期待できるのも亀であるが賭け的な要素が非常に強い。5回に一度ほど亀は眠りながらも反撃するからである。
手足が生えるべき場所から突如火を放ち高速で回転するため、試合がやり直しになるとこがある。そして亀を抱えた時のスリルを楽しむものでもある。
この遊びを番の前ですることは「どんな炎からも君を守ってみせる」や「竜体になっても君は羽のように軽い」と愛をささやく時に非常に有効であるのだが、亀の重さは竜2匹分ほどある。
雌や番が見ている時は岩や亀を持ち上げた場合ふらつかないように気をつけなければならない。
亀、もしくは眠り亀とよばれる亀の名前はガガルメメルドドラが正式である。
(例)
「もし、眠り亀が起きたとしても君が僅かな炎さえ浴びないように私が守るよ」
「可愛い君のブレスならいくらでも受け止めるよ。決して君をあの亀のように投げたりしない!」
竜人国世代を越えたベストセラー
「番に愛を伝える100万の手引き」
より抜粋