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ブックマーク1500御礼小話

ブックマーク1500件だよありがとう!!な気持ちを小話にしてみました。


今回のお代はこれ。

「竜人のお肌事情について考える」

です。


爬虫類と両生類、大きな違いは呼吸法と皮膚の性質なんだそうです。

で、ぬるぬるしてるのが両生類。

超ざっくり括るとそんな感じ。

じゃあ、爬虫類は…じゃあ竜人は?!


ということで…


皆様のお時間をちょこっとおわけくださいませ。


では御礼小話どうぞ~


魔法具を着けて再び眠ってしまったツムギ。

その様子をメロデイアが見に来るた。その後ろから治癒師のミルエディオがマリイミリアと共に入ってきた。


「ノヴァイハ様、そのお傷は塞いでしまいましょう」


「いや、この傷はツムギのためにつけたもの、だからこのままでいい」


ツムギのために剥がした鱗だ。心臓に近いほど含まれる魔力の高いとされる鱗。その丁度心臓の真上を剥がしたのだ。血もかなりの量だったが…この痛みは大切な痛み。


「いいえ、ツィー様に血がついて汚れますわ」


にっこりと笑顔で、汚いから早く消してこいと案に言われた気がする。メロデイアがこっそり笑ってる。



マリイミリアに促されミルエディオが私の傷口に手を翳す。治癒の魔力をこめた手だ。傷口がみるみる癒えていく。あとは鱗を戻すだけだが…これは時間がかかるのだ。全てを見越してマリイミリアはお茶を用意していた。



「ノヴァイハ様は水竜の血をひかれているのですね」

ミルエディオは治癒魔法を施しながら、話始めた。意識はむけておらず見なくてもこの程度ならば問題ないということのようだ。いい腕である。

「そう水竜だな、前王もその番も火竜だったが祖母は水竜だったからな。」

「そうなのですね、私が生まれた頃には既にヘリディオフ様の治世でしたから…」

「母は水竜と火竜の力のバランスが悪くてな、非常に早くに儚くなられた。私はその水竜の血が強く出たのだ」

「なるほど。ノヴァイハ様の鱗水竜らしく非常に滑らかですからね、私は地竜ですが草原に暮らしていた群れの出なので、地竜にしては比較的柔らかい鱗のつくりですね。」

そう云われ

「そういえば…メロデイアは乾きには強い、と昔にいってたな」

横にいたメロデイアはティーカップの縁についた口紅をぬぐってから

「そおねぇ、やっぱり砂竜の血が強くて。残念ながら化粧にはむかないのよねぇ」


カサカサで困るわぁ~というメロデイアはほぼ雌にみえる。

背が高すぎて肩幅もありすぎるが。


「マリイミリアは火竜だったな。」

「ええ、私火山地帯に住む火竜ですわ。ですが火口に付近に住むために鱗は硬くとも、熱を魔法で防御するための魔力伝導が優勢ですの。なので鱗は薄めですわ。瓦礫の多い山の頂上付近に住むヒューフブェナウの一族の方は火竜でも鱗は巖のように厚く重く固いのですわ。そういえば…宰相のヌェノサス様は純粋の海竜でしたでしょう?乾燥が気になって時々、無性に海に浸かりたくなって仕方がないと申されてましたわ。」

「ああ、ヌェノサス様のお肌はつるっつるよね。あれは種族特性なのね。残念、化粧水じゃないのねぇ。」

心底残念そうに言うメロデイアにマリイミリアがどの化粧水がいいなどと話始めた。

会話は女性そのものだ。

メロデイアは雄だったはずなのに。



「ノヴァイハ様の鱗なら番の片の肌を傷つけることもなく安心ですね。さあ、もう大丈夫です。」

ミルエディオは無事終えた処置に満足そうに頷き、マリイミリアに進められお茶を味わい始めた。



ノヴァイハは兄上とその番のやり取りを思い出す。

地竜と火竜の特性か強く出た兄上の鱗は非常に硬く尖っている。一方、番のムェロニミラウヒューデリアは飛竜。飛行に不向きな重く厚い鱗は持たず、皮膜の張られた羽はとても繊細である。

扱いが荒いと腹を立てた番が竜体で兄上を噛んだり、家出をしたり…

あの二人は竜体での相性が悪すぎて時折騒ぎを起こしている。



触れた番の柔らかな肌を思い出す。



あの柔らかな肌に触れても、傷つけることのない鱗で良かった。


いつか竜体の私に触れる君の手を想う。




その、なんと甘美なことか。





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