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めざめよ!な私

ゆらりゆらりとたゆたう。

たゆたいながら私は世界をみてた。

私が住むことになった新しい世界を。

空はきらきらしてて街の市場はひとが元気に働いてて、でもその人たちには獣のみみがあったり、大きい蛙だったり、わにみたいな尻尾があったりして…


ちょっと地球とは違う。

違うけどやっぱり同じ。

同じようにみんな笑って泣いて、困ったり喜んだりして生活してる。


ノヴァイハは竜人だって言ってた。

竜になれるのかな?空をとべるのかな?


会いたいな、なんだかずっと会ってない気がする。


私の番。


そうだ、私はノヴァイハのためにここにきたんだ。


思い出したよ大切なこと。


あなたのそばにいるために。


私はここにきたんだって。






「そんなこと、ゆるすわけないだろう!!」

強い口調の声に意識が浮き上がる。


この声はノヴァイハの声。

それに知らない男の人の声。


「お前だって、このままじゃ駄目だと解っているだろう?お嬢ちゃんにこの魔法は合わなかった。眠りすぎだ、このままじゃどんどん眠りが長くなる。この前起きたのはいつだ?3日前だぞ?もうこの魔法具をはずさなきゃまずい。癒着しはじめてからじゃ遅いんだ。」

「でもっ!これを取って、ツムギの魔力が暴走したら…暴走したらまたっ」


ノヴァイハが泣いてる。


「このままでも終わりはすぐそこだぞ」

「それでも、この魔法具がツムギの命を繋いでることも事実だよメロデイア…」


メロデイアさんって言うんだ。

そういえば私はマリイミリアさんとノヴァイハと…あと治癒師?の人にしか会ってないな…


「繋ぎずぎてるんだ。深く繋ぎすぎてる。魔法具の影響が強すぎる。せめて効きを弱くするべきだった。魔道具の基となった鱗がお前の精神にこれほど影響されるとは考えなかった俺のミスだ。

ノヴァイハ、このままだとお前の番はただの人形だ。お前がそうしてる。お前の恐怖が番を目覚めさせない。」

「それでも、それでも、ツムギが死んでしまうよりは…目覚めないままでいいずっと傍にいられ…」



ドゴッ!!!



うわっ!?

揺れた!揺れたよ!?

何?凄い音がしてたよ!?



「まあ、なんと情けないこと!!!」


あ、マリイミリアさんだ。


「竜人口の雄ならば雄らしく番を護りなさい。ツィー様がこのままでいい、などとのたまうなど愚の極み。そこにお座りなさい!!!」


わぁ!マリイミリアさんかっこいい!!

綺麗で可愛くてかっこいいマリイミリアさんの番はどんな人かな?


「ねぇ、マリイミリア、ノヴァイハ埋ってるから答えられないわよ。それにそれじゃ座れないわ。」


え?埋まってる!?

あれ?この声は女の人だったんだ。

色っぽい低い声の女の人。


バキバキっ!

ぎゅぎぎ…ごっぽん!!



ええ?!何?!

ぎゅぎぎ…ごっぽんて何!?



気になる、気になるのに目が覚めないよ!!


それにノヴァイハに大事なことを伝えないと。

瞼が重いよ~うううっ…


「うっ…ノーイ…」


「ツムギ!?」

ノヴァイハが傍に来た。

繋いだ手が…なんかぬるっとしてる。


…ちょっとやだな。

そうか、竜は爬虫類だから…いや、ぬるっとするのは蛙…?両生類…?


「あっ!ごめん、ちょっと血がついた。今拭くよ。」

ぬるりは血だったのか。

えっ!?血!?


うー、何で瞼がこんなに重いの!?

頑張ってたらうっすら瞼がひらいた。


「眠くないのに…おきられない…」


だいじだよ、ちゃんとつたえなきゃ。


「ごめ、んね…もっと…話をしたいのに…そば…」



うー限界だ!!


こんなところで終わったら…

起きたときお蕎麦が出てきそうだよ!?

やだな~腹ペコキャラとかやだなぁ…


ちがう、そうじゃない、結局言えなかったよ~もー!!


そういえばメロ…デアさん?が魔道具のせいで寝てるっていってたな。


ピンクのピアス可愛かったのに。


これのせいならなんとか外して…


くっ…手がうごかないよ!!

瞼が重いなら手なんて動くわけないよね。

もー!!

目覚めよ私の念動力!

今こそ出番だ!!


ってそんなの持ってないし…



ピシッ



えっ!?ええ?!


まさかの覚醒パターン!?

秘めたる才能、目覚めちゃった!?



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