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竜のしにかけつがい  作者: ちかーむ


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愛に染まる竜

目が覚めた。

ぱっちりすっきり目が覚めた。

あんなに眠かったのに。



「うーん…よく寝た~!!!」

のびーって体を伸ばすと

「おはよう私のかわいい人」

と声をかけられてビクッってなった。

えーっと、ノヴァ…ノ?……ノーイ!!


「おはようございますノーイさん」


つやつやの白い髪の毛のノーイさんは今日は赤くなかった。

あの血はなんだったんだろう?

この前よく見れなかった瞳は薄いみどり。

青いような薄い…薄荷色。

茶色く散る光彩が…うん、チョコミントそっくりた。

それに瞳孔が…縦だ。


ノーイさんはベットの横の椅子に座っていたみたい。

手元には本。

タイトルはよく見えないけど…表紙は…番に100?なんだろ?数学の本かな?

本は伏せて横のチェストに置かれてしまった。


「うん、おはよう。でもまだ朝には早いんだよ?」

「そうなんですか?なんだかすっきり目が覚めたからてっきり…」

「なら飲み物を飲もうか、眠くないのなら」

この人はちょっと変だけれど凄く優しい。

「イタダキマス…」

赤くなった顔を隠すように飲んだ水は甘くて…おいしかった。


「君の名前はミネマエ ツムギでいいんだよね?」

「はい。あれ?名前呼べるようになったんですね!」


ちょっとドヤ顔してるノーイさんにこっそり笑ってしまう。


「うん、君はあれから4日寝てたからね」

「4日?!そんなに!?」

「いっぱい練習したんだよ。これで君に前を聞ける。私の名前はノヴァイハ、君の名前は?」

「えーっと?みねまえつむぎです。」

この前のつづきかな?


「私の名前を呼んで私の番。ノヴァイハと…」


つがいってなんだろ?


「ノア…ノヴァ…イハ?」

「うん、そうだ、私の名前はノヴァイハ、貴方の番」


ぶわっ!と花が咲いた。

比喩だけど。そのくらい綺麗な微笑み。

白くて綺麗な男の人。

甘くて涼しいチョコミント色の瞳。

縦に裂けた瞳孔の人ならざるひと。

その人が喜んでいるのをみていたら何だか私まで嬉しくなってしまった。


「あ、髪の毛が…」


白い髪の毛が毛先の方から色を変えていく。


「ピンクになっちゃいましたね」


まだてっぺんは白いまま、けれどゆっくりと薄い赤が侵食していく。

牛乳入れすぎちゃったイチゴミルクみたいなかわいいピンク。

時々濃いピンクが交じるビビッドな、頭だ。


「君の好きな色はこの色なんだ」


そう言われて考える。

ピンクなんて好きだったかな?


「そうだったかな?」

「君の心のなかにある色だよ。柔らかくて素敵な色。いつか聞かせてこの色のことを」


ーー大好き。


そう、いってひと房すくって唇を落とした。

猛烈恥ずかしいのは私だけかな…





4日ぶりに起きたツムギは元気だった。

この前の弱々しいツムギも愛らしかったけれど元気なツムギはもっと可愛い。


そして私は早速、名問いのやり直しをする。

この4日間練習をしつづけて言えるようになったミネマエ ツムギ。


大切な君の名前。


それを使って騙すように番の呪をツムギに施す。

何も解っていないこの小さな女の子の時をとめて私と共に生きつづける生き物に作り替えてしまう。


ノヴァイハと名前を呼ばれた時胸がカッと、熱くなった。

そして、ぞわりぞわりと体に呪が巻き付くのがわかる。

これで君は私のもの。

そして私も君のもの。


「あ、髪の毛がピンクになっちゃいましたね」


番が居ない竜人は色を持たない。

竜人を染めるのは番の好きな色。

心のなかに秘めてる大切なものの色でそめるのだ。


柔らかくて不思議な色だった。

まだらに薄いごく薄い赤。

ツムギはピンクと言っていた。


ピンク、ツムギの大切なピンク色。

照れてる君の頬を染めた赤をもらったみたいだ。


嬉しい、嬉しい、大好き。


ひと房すくってくちづける。

味気ない色なしから君色に染まったこの髪の毛がどんな色よりも大好きだ。





私だけが持つ特別な色。

番のいちばん好きな色。

ツムギのいちばん好きな色。


世界の何処かにこの色を持つものがいたら…

君が見る前にそれをしずかに消してあげよう。





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