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ランキング1位 御礼小話

日間異世界転生転移ランキング恋愛部門にて1位になりました!!

ありがとうございます(*≧∀≦*)

ひとえに皆様のご支持のおかげ~!!

なので御礼の小咄です。


本当はブックマーク555記念にと書いていたのに気づいたらもう過ぎてたっていう罠。


時間軸的にはつむぎが起きる前のノヴァイハとマリイミリアのお話です。


では、皆様の大切なお時間をすこーしだけいただきますよ?





眠っている私の番は

冬眠しているモイマフィフィーリルのように愛らしい。


雪深い山の中で円くなって眠るふわふわの生き物モイマフィフィーリル。

モイマフィフィーリルに出会うと思わず掌にのせてしまうものだ。

すると寝ぼけた様子で目をひらいて…また掌の上で寝るのが本当に愛らしい。


飽きずに冬が終わるまでそのまま見続けたのはいつだったか…


しかし、夏のモイマフィフィーリルは警戒心が強く素早いので掌に乗せようと躍起になると

手にした瞬間キュン!とひと鳴きして動かなくなってしまうのだ。

それを軽くブレスで炙って口当たりの悪い毛をとると子竜のよく食べるおやつになる。


美味しくて可愛い私の番は本当にモイマフィフィーリルみたいだ。

可愛くて可愛くて美味しい。


いや、安易な子どものおやつになるモイマフィフィーリルと番を一緒にするのは良くないな。


私の番はもっと素晴らしいのだ。

手にするのにどれだけの時間を過ごしたことか…

珍しくて黒くて艶やかな手触り…そうだ、この手触りはムロヴィアギュノレバの鬣に似ている!


なつかないけれど透明感のある額の角が艶やかで長い鬣のあいだからすらりと生えたあの子だ。


鬣の色と体の色は個体差があるのだが昔出会ったあのムロヴィアギュノレバは珍しい黒い色で一目で気に入ったものだ。


今思えば私が黒い色に引かれるのは番に出会うためのものだったのだろう。


あの黒いムロヴィアギュノレバは…そうだ、兄上の誕生日の食卓に供するために狩ったんだった。

黒くて艶やかな毛は調理の最にすべて取り除かれて…驚くほど白い肌が出てきたのだ。


まるで私の番のように白くて滑らかな肌だった。

そう君はムロヴィアギュノレバみたいな子なんだね。

性格はどうかな…ムロヴィアギュノレバみたいに怒りやすくてすぐに角を突き刺そうと突進してきても…


只人の君ならとっても可愛いだろう。

この大きさなら腕の中に包み込んでしまえるし。


うん、僕の愛しのムロヴィアギュノレバ。

きみの角なら甘んじて受け止めよう?


…いや、まてよ?

確かあのムロヴィアギュノレバはブレスで焼いたら意外と固くて美味しくなかったんだった。

血もちょっと癖があって…兄上は癖のある肉を好むから珍しい色のムロヴィアギュノレバを狩ってきたんだった。



美味しくないなら君とは違うね。

だって、君は何よりも私の口に合うんだから。

ねえ、やっぱり早く目を醒まして私の番…




「ノヴァイハ様、頭のなかが駄々漏れですわ。番の方を食べ物に例えるのはおやめくださいませ。」


ふわふわと幸せそうに番を見つめるノヴァイハ様は見ていて恥ずかしくなるほど番の方に夢中で。こちらまで暖かな気持ちにさせてくださいます。


あの非常に残念な脳内さえ漏れていなければ。


どんなに愛しくても竜人は番を食べたりしない。

番は長過ぎる時を共に生きる半身だから。

食べたら共に歩めない。

残された時を独りで生きていかなくてはならないその孤独を思うと背筋がぞくりと冷える。考えるだけで指先が凍る。

それが通常の反応。



けれどノヴァイハ様はとても幸せそうに番を食べることを言葉にする。


こんなときノヴァイハ様はすっかり半分狂ってしまった竜なんだ。とマリイミリア思わずにはいられない。

番に出会わずにいた時の長さが彼の精神をどれだけ蝕んだのか。


私はノヴァイハ様の狂気から番の方を守れるだろうか…


モイマフィフィーリルはヤマネ的な

ムロヴィアギュノレバはユニコーン的な生き物です。


竜人的にはメジャーな食べ物。

そう、メジャーなお肉です。


竜人の雌の番の可愛さをモイマフィフィーリルに例えると「ハァッ!?」って言われる。

ムロヴィアギュノレバに例えたら無言でグーパン。


ノヴァイハの言動は竜人雌的には

「ないわー、まじないわー」なものです。


えっ?人間的にも「ないわー」話でした?

異文化交流ってこんなもんです。


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