第二話 カールさんの死
第二話です!
アパート燃えて両親死んで引っ越ししてカールさん死んで・・・
とものすごい速度で進んできましたが、今回は少しペースダウンです。
それではどうぞ。
急いでカールさんの部屋へ向かう。
「カールさん・・・。」
腹部に深々とナイフが突き刺さっている。もう亡くなっているようだ。
やばい、目眩がしてきた・・・。
両親が死んだ時よりショックを受けるなんて。ふらふらとカールさんのそばへ近寄ろうとする。
「部屋に入らないで!」
先生!?先生が大声を出すなんて珍しい。
「警察が来るまで、現場を保存しなければなりません。一歩たりとも部屋に入ってはいけません。」
とりあえず警察が来るまで、マッカンさんに話をきくことにした。マッカンさんていうのは最初にカールさんに遺体を発見した人のこと。
「遺体を発見した時のことを詳しく教えて下さい。」
「ええと・・・。私はカールさんとチェスをやる約束をしていて、ベルを鳴らしても返事がなくて鍵が開いていたので中に入ったらこんなことに・・・。」
まるで絵に描いたような供述である。しかし、これではカールさんが亡くなった時刻がわからない。やはり警察が来るのを待つしかないか・・・。
*
警察が来て軽い事情聴取をしていった。自殺か他殺かは司法解剖の結果待ちだそうだ。カールさんが亡くなったのは午後0時ごろ。私達がこのアパートに来たのも午後0時だ。これでマッカンさんがカールさんを殺して自ら叫んだという線はなくなった。まあ、自分で叫び声を上げる理由がないからもともとほぼありえなかったんだけどね。
「これでほぼ決まりですね。」
「なにがですか?」
「マッカンさんがカールさんを殺したということがですよ。」
え!?意味がわからないぞ!?
「先生!どういうことですか?説明してください!」
「まあ確たる証拠がないのでまずは警察の説明を聞いてからですね。」
ふ~む・・・。ここは待つしかあるまい。
*
警察の人が来て、司法解剖の結果を報告していった。ためらい傷がないことなどから、他殺だそうだ。
まあそりゃそうだよね。自殺しようとしてる人間がチェスの約束をするとは考えにくいし。
「『確たる証拠』がきましたね。」
もう!?もう『確たる証拠』きちゃったの?
「先生、謎解きしてくださいよ。」
「警察に謎解きしてきましょう。」
「え~、崖行きましょうよ崖。」
「なんで崖なんですか・・・。」
「昔から謎解きは崖って相場が決まってるんですよ・・・っていない!」
先生は警察の人の方へスタスタ歩いて行っている。かくなる上は盗み聞きするしかない。
いかがでしたか?
皆さんは微妙な違和感に気がつくことができたでしょうか?
次話も二週間後くらいになりそうです。
読んでいただきありがとうございました!