第一話 はじまりの放火
あいさつ
この度初投稿させていただくこーにょです。この物語は推理小説です。
某見た目は子供、頭脳は大人の探偵のように読者に証拠をみせず、
「そうか、そういうことだったのか!」
などということはありません。読者の皆さまにも主人公と一緒に謎解きを楽しんでいただけると幸いです。
注意!
この物語はかなり速いペースでポンポン進んでいきます。そのため情景描写が限りなく少なくなっております。予めご了承の上、お読みください。
「人間の心臓は二十億回しか拍動しない。だから私は動きたくないのですよ。」
いつものセリフ。
「だからって部屋の掃除くらいしたらどうなんです?先生。」
これもいつものセリフ。
ここはイギリスのとあるアパート。そして私はリリー・アメリア。このアパートの管理人の娘で、先生の助手。先生とリリー家を含め、このアパートには三十人の人が住んでいる。ちなみに先生っていうのは・・・
「かっかかっかかっかかっか・・・!」
「折角先生の説明をするところだったのに。今冬だから蚊なんていませんよ?」
「火事だ!」
「さっきから叫び声がすると思っていたら火事でしたか。」
先生がのんびりと言う。
*
「リリーさんはいらしゃいますか!」
消防士さんが叫んでいる。私?
仄暗いテントの中。横たわる2人分の遺体にかかっている布が妙に明るく見える。顔の布が取られる。
父さんと母さん?そうか死んだのか。まあ2人とも管理人のくせに娘をおいていろんなところに旅行に行くような親だったから私にはほとんど関係ない。問題はこの後どうやって衣食住を確保するかだ。「衣」は持ってきたお金でなんとかなるし、「食」も自炊できるから大丈夫。「住」は・・・そうだ!
「先生!私居候してもいいですか!」
「だめです。それに私の部屋も焼けてしまったのですよ。」
「それなら親が持ってた他のアパートを使えばいいじゃないですか。」
「それでもだめです。」
「そんなこというなら家賃倍にしますよ。」
「あなたにそんな権限ないでしょ。」
「私の両親は死にましたから。経営権は自動的に私に移行するんですよ。」
「くっ・・・。」
「残念でしたね~。」
というわけで「住」確保!
それでは先生の説明を今一度。私が先生と呼ぶ私立探偵、アーロン・ブラウン。
ものすごい名探偵にも関わらず、これまたものすごくやる気がない。
あの仕事量(二日に一回猫探しをするくらい)でどうやって食べていってるんだろう。
*
空き部屋に腰を落ち着けた私達は、テレビをつける。ちょうど昼のニュースの時間だ。
「二十八人の犠牲者を出したアパート放火事件ですが、いまだ真相はわかっていません。」
「放火だったの!?」
まさか放火だったとは。きっちり損害賠償払ってもらわないと。
「うわあ!」
ん?何事だ?
「かっかかっかかっかかっか・・・!」
「また火事ですか!?」
「は?いやいやそれより!カールさんが殺されてる!」
「は!?」
どうでしたか?前書きにも書きましたが、ペースがかなり速いです。そして、一話が短いです。これからは2週に一話投稿していく予定ですので気長にお待ちいただけると嬉しいです。