表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第2話

千里に再会したのも、そんなことを思っているときのことだった。

彼女は僕の幼稚園、小学校、中学校とずっと一緒の、まぁ幼馴染といってもいいだろう。

まぁ、みんなが思うような幼馴染ほど、よく話すわけでもないけど・・・。

ベターな物語みたいだけど、僕の初恋の人でもある。

今でも好きだ。

彼女は、都立の進学校に行ってしまって、高校も一緒とは行かなかった。

僕は先生ウケが悪くて、私立じゃないと、ロクな高校に行けなかった。

彼女が行きたいといっていた高校には、試験で平均80点くらいとらないと・・・、と担任に言われていた。

まぁ、都の共通問題とはいえ、さすがに僕の頭では無理だった。

また挑戦する根性もなかった。



再会は、よく考えれば、

テスト前で珍しく塾の自習室ではなく、図書館で勉強するという、気まぐれを起こしたからだった。

彼女は見慣れない制服を着て、熱心に勉強していた。

悪い気がして話しかけたくなかったんだけど、彼女の前の席しか空いていなかったから、そこに座るしかなかった。

座って、30分くらいたってからだろうか?

「忠明・・・?」

と彼女が言ってきた。

「おせぇよ。」

まったく、よく集中力が続くもんだ。

「かなり久しぶりじゃない?今日何時までいるの?」

「終わりまでいるつもりだよ。千里は?」

「私も。一緒に帰らない?」

「ああ。いいよ。」

それからはただひたすら、勉強するのみだ。

彼女の前だから手を抜くわけにもいかず・・・。

いつも図書館だと、漫画読んだりしちゃうから、嫌なんだけど、自習室並みに集中できた。

で、閉館。

彼女とは、家の方向が違うんだけど、夜道を一人で帰すのもこのご時勢、物騒だ。

家まで送ってくことにした。

僕の家は、図書館の前の通り。

「じゃあ、また今度。」

僕の家の前を通った時、彼女がそう言った。

「いや、送っていくよ。物騒だからな。」

「ほんと?じゃあ、お願いね。」

「まぁ、お前襲う物好きもいないだろうけどな・・・。」

つい、皮肉が口を出る。

正直、彼女は可愛い方に分類される。

中学時代も結構モテてた。

だから、僕の台詞は間違いなんだけど。

すかさず彼女も

「忠明の腕力で守れるかどうか・・・。逆に私にもまられたりしないでね!!」

「さすがにそこまではいかねぇよ。」

まぁ、僕は体育の成績万年2。

3すらとったことない。

「でも、体育の成績2だったじゃない。」

「よくそんなこと覚えてるな・・・。」

「だって、忠明くらいだよ。中学の時成績2だったの。」

うっ・・・。言われてみればそうだ・・・。

「水泳できるのに何で、陸に上がるとダメなの?ペンギンみたいよね。水中だと速いけど、陸に上がると・・・。まぁ、足の速さはそこそこだけどね。球技は・・・。」

僕は球技はダメだ。

ボールがパスされても上手くキャッチできないんだよね。

「お前、下らないことほんとよく覚えてるよな。」

「長い付き合いなんだから、それくらい覚えるわよ。ずーっと、そこんところ変わらないんだから。」

「だよな・・・。みんな色々と変わってってるのにな。」

先述のことを思い出して、また少し考えてしまう。

「どうしたの、急に・・・?」

自分の世界に、入り込む一歩手前で、現実世界に引きもどされた。

「いや、色々と思うところがあってさ。」

僕は、先述のことを話した。

「忠明らしくない、悩みだね・・・。そんなことで悩むとは思わんなかった。」

「そう?僕は昔から哲学者肌じゃん?」

彼女は笑いながら

「いやいや、そんなことで悩む時点で、昔と変わってるよ。下らないことで悩みすぎ。じゃあ、送ってくれてありがとね。」

「あっ、ああ。またな。」

気づいたら、もう彼女の家だ。

気づかぬうちに、集中していたようだ。

「あれ、気づいてなかったの?まったく、もう・・・。そんなこと悩んでる割には抜けてるのね。」

笑いながら言われてしまった・・・。

「まぁ、おばさんによろしくな。」

「うん。じゃあ。」

彼女は家に入ってった。

少し気持ちが楽に明るくなっていた。

さぁ、かえってもう一頑張りするかな。

千里は僕の初恋の人をモデルにしました。

彼女は高校で彼氏を作ってしまいましたが・・・。

ふたりはどうなるんでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ