5話
そうやって、進んでいった先で突然、白い霧の中から白いいぬがあらわれました。
地面に座り込んで、少年を待っていたようです。
「やっと見つけたよ、お犬さん」「不思議なとこだけど、楽しいところってここなの?」
遅れてきた少年はいぬに会うと、すぐにそう聞きました。
いぬはそれを聞きながら、笑って答えます。
「そう急かずとも、あと少しだよ」
そう言って、少年の横に並び、ゆっくりと歩き始めました。
答えてくれなかったいぬに少し不機嫌な顔をしながら、少年は一緒に歩きます。
ほんの数分も歩いた頃でしょうか。
突然、白い霧が目の前から消えていきました。
目の前にいぬの言う楽しいところが広がっていました。
「どうだい、楽しいところは?」
いぬは自慢げに言いましたが、少年には聞こえていませんでした。
目の前に広がる景色に目を奪われていたからです。
暖かい光に、色とりどりの花。
そして、今まで見たこともない馬や羊。おおかみやライオン、虎……たくさんの動物たち。
少年と同じような大きさの動物がいすに座ったり、肩を組んだり、笑いあったり…。
みんな仲良さそうに食べて、飲んで、騒いでいたからです。
初めて見る動物、初めて見る景色。
目を奪われた少年は、いぬがいたことも忘れ、その景色の中に飛び込んでいきました。
「ぼくもその中に入れて~」
たくさんの動物たちが少年を歓迎しました。




