表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

3話

白い霧の中、少年が近づいていくとれんがの門がはっきりと見えてきます。


小さいながらも、まるでお話の中にあるようなりっぱな門でした。


不思議に思いながら少年が門に近づいていくと、

小さなひそひそ声が聞こえてきました。


「やや、門のまえに小さな子供が近づいてくるぞ」

「本当だ。どうやってこんなところに来たのだろう」


小さな声でしたが、少年にはよく聞こえました。


門の向こう側に二つのかげが見えました。


長い耳を持つかげと、小さな耳にしっぽを持ったかげでした。


どうやらその二人が話し合っているようです。


少年が中をのぞき込むようにすると、かげは白い霧の中に消えていきました。


少年が門の前から少し離れると、また声が聞こえてきます。


「どうしようか、うさぎどん」

「どうするも、放っておけば良いさ。僕たちが開けないと門は開かないのだから」

「それもそうだ」


そう言ったきり、声は聞こえなくなりました。


門をのぞき込んだり、たたいてみてもなんの反応もありません。


少年は勇気を出して呼びかけました。


「あの、お犬さんを見なかった?」


「白くてとっても綺麗なお犬さんを追いかけて来たんだけど、いなくなっちゃって」


「どこに行ったのか知らない?」


少しすると、また小さな声が聞こえてきました。


「おい、うさぎどん。小さな子供に話しかけられたぞ」

「まさか、僕たち動物だよ。聞こえるわけないさ」

「それもそうだ」


そう言ってまた静かになりました。


少年はまた呼びかけます。


「聞こえてるよ」「ぼく、動物と話せるんだ」


そう言うと、今度はすぐに声が聞こえてきます。


「おい、うさぎどん。やっぱり話しかけられてるぞ」

「そうだね。それに白い犬ってあいつのことなんじゃないかな」


「…あいつって、少し前に通っていった犬かい、うさぎどん」

「そうだよ。確か…そうだ。今日だった。外のお客さんを呼ぶ日」


そうして、ごそごそという音がしたかと思うと、ぎいっとした音とともに

小さな門がゆっくりと開いていきました。


開いた門を少年がくぐると、びっくりする姿が目に飛び込んできました。


白い霧の中から、少年と同じくらいの大きさのたぬきとうさぎが、

立ったままおじぎをしていたからです。


「ようこそ、人間のお客さん」

「あなたのいう犬は、この門からまっすぐ先へ進んでいったよ」


「まっすぐ進んでいくんだぞ」

「まっすぐ行けば追いつくのさ、道なりにまっすぐさ」


それだけ言うと2匹はまっすぐ駆けていき、すぐに白い霧で見えなくなりました。


おどろいたままの少年は、はっとなって追いかけていきました。


そうして、誰もいなくなった門はまた見えなくなりました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ