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序章
ちなみにこれを書き始めたきっかけは、ディズニーのシンデレラを久々に見たら、何か感動したことからでした。
むかしむかし、ある処に、奥方を亡くしたお大尽がいました。彼は新しい奥方を得ましたが、この人は高慢ちきで、連れ子の二人の娘も同じような性質でした。一方、お大尽の死んだ奥方の残した娘は心栄えの美しいことこの上なく、それが気に入らなくて、新しい奥方と義姉妹たちはこぞってこの娘を苛めるのでした。
女の子は女中同然にこき使われ、夜は屋根裏部屋の藁布団で寝て、昼は仕事を済ませるとかまどの側に座って、日がな薪を燃やしたり灰をかき出したりしていました。おかげで灰まみれで、継母や義姉妹にシンデレラ(灰っ子ちゃん)と呼ばれて嘲笑われていました。
お大尽の方も、奥方にすっかり丸めこまれていましたから、シンデレラが何か言っても怒って叱りつけただけでした。